海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第15話に登場する、ルームメイト協定のある条項を発動して友情そのものを一時停止してしまう場面です。送迎をめぐるレナードの不満をきっかけに、シェルドンが持ち出す独特な手続きの言葉と、その後に生まれる最低限の挨拶を見ていきます。
契約用語を積み重ねて関係を格下げしていく言い回しから、順番に見ていきましょう。
Clause 209を発動する手続き
送迎義務にうんざりしたレナードが「もうやめだ」と言い放つと、シェルドンが持ち出したのが「Clause 209」という条項でした。
Sheldon: Hold on. Are you saying that you want to invoke Clause 209?
(待て。君はClause 209の発動を望んでいると言っているのか?)Leonard: I don’t know what that is, but if it means I can go home and sleep, then yes.
(それが何なのか知らないけど、家に帰って眠れるっていう意味なら、イエスだ。)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
invoke は、条項を「発動する」ときに使う動詞です。相手の要求を条項名に置き換えて確認し直す言い方で、レナードは中身を知らないまま同意しています。
Sheldon: Think carefully here. Clause 209 suspends our friendship, and strips down the roommate agreement to its bare essentials. Our responsibilities toward each other would only be rent, utilities and a perfunctory chin jut of recognition as we pass in the hall.
(よく考えるんだ。Clause 209は僕らの友情を一時停止し、ルームメイト協定を必要最低限にまで切り詰める。互いへの義務は家賃と光熱費、それと廊下ですれ違うときの形だけの会釈だけになるだろう。)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
suspend(一時停止する)は友情にも使える動詞です。strips down … to its bare essentials(必要最低限にまで切り詰める)という言い方から、友人関係を契約上の最低ラインまで縮小する発想が伝わってきます。
「単なる知り合い」への格下げ宣言
レナードは中身を吟味せず、一言だけ返します。
Leonard: Where do I sign?
(どこにサインすればいい?)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
Where do I sign? は、中身を検討せず即座に受け入れる決まり文句です。サインを済ませると、シェルドンは関係の格下げを宣言します。
Sheldon: All right. That’s it. We are now no longer companions, boon or otherwise. We are now merely acquaintances.
(よし。これで決まりだ。僕らはもはや仲間ではない、親しかろうとなかろうとだ。単なる知り合いに過ぎない。)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
no longer … but merely …(もはや〜ではなく、単なる〜だ)という構文で、companions(仲間)から acquaintances(単なる知り合い)へと呼び方そのものが書き換わっています。
‘Sup?という、最低限の挨拶に落ち着いた関係
後日、アパートに戻ってきたシェルドンとレナードが交わすのは、たった一言の挨拶です。
Leonard: ‘Sup?
(よう。)Sheldon: ‘Sup? My apologies. I would’ve been here sooner, but the bus kept stopping for other people to get on it.
(よう。すまない。もっと早く着くはずだったんだが、バスが他の乗客を乗せるたびに止まったものでね。)TBBT Season5 Episode15 (The Friendship Contraction)
‘Sup? は “What’s up?” を極限まで切り詰めた挨拶で、相手の存在を確認する程度の温度しか持ちません。Clause 209が定めた「形だけの会釈」が、実際にはこの一言に置き換わっている場面です。
まとめ|条項ひとつで変わる、友情の温度
invoke Clause 209、suspend our friendship、Where do I sign?、‘Sup?。関係を格下げする手続きの言葉から、一言の挨拶まで見てきました。関係の温度を条文で調整する言い回しは、日常の軽い言い合いにも使えそうです。
次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に、英語表現を見ていきましょう。
同じエピソードの別の場面は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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