海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン11 第15話から、「criticize」と「complain」の違いを取り上げます。ウィル・ウィートンの新しい番組を、シェルドンが見るか見ないかで揺れる回です。
どちらも日本語では「文句を言う」とひとまとめにされがちな言葉ですが、劇中の会話をたどると、何に向けて、どこまで具体的に言うのかで役割が分かれていることが見て取れます。
見てもいないものは「批判」できない
物語の序盤、エイミーは友人の家で夕食をとるつもりでしたが、シェルドンはウィルの番組を見ないために家に残っています。何もしないのかと聞かれたシェルドンは、こう答えます。
Sheldon: Of course not. I’m going to write mean comments about Wil’s show online.
(もちろん違う。ウィルの番組について、ネットに意地悪なコメントを書くのだ。)Amy: Well, you can’t criticize something you haven’t seen.
(見てもいないものは批判できないわ。)Sheldon: I’m sorry, are you familiar with the Internet?
(失礼だが、君はインターネットというものを知っているのか?)TBBT Season11 Episode15
mean comments の mean は「意地悪な」という意味で、中身の評価というより、相手を困らせるための書き込みを指します。一方、エイミーが使った criticize は、対象の良し悪しを判断して欠点を指摘することです。判断する以上、まず対象を見ていることが前提になる、というのがエイミーの言い分です。シェルドンの返しは、見ずに書き込む人がネットには大勢いると言わんばかりの皮肉で、二人の言葉の違いがそのままずれとして表れているのが面白いところです。
続いてエイミーは、別の角度から提案します。
Amy: Well, what if I watch it with you? Maybe I won’t like it and we can complain about it together.
(じゃあ、私も一緒に見るのはどう? 私が気に入らなかったら、二人で一緒に文句を言えるわ。)Sheldon: Get your own thing to complain about.
(文句の種なら自分で見つけてくれ。)TBBT Season11 Episode15
complain about ~ は「〜について不満を言う」という意味です。こちらは欠点の分析よりも、嫌だという気持ちを口に出すことに重心があります。エイミーは、二人で同じものを見て不満を言い合うことを、一種の共同作業として持ちかけた形です。それをシェルドンが「自分の文句の種は自分で」と突き放す流れが、この場面の見どころです。
具体的な批判と、改めた評価
エイミーはさらに説得を続け、シェルドンが納得する一言を引き出します。
Amy: Trust me, I’ve got one. Look, at least if you watch it, maybe you can find more specific things to criticize.
(大丈夫、私にはもうあるから。ねえ、せめて見れば、もっと具体的な批判の材料が見つかるかもしれないわよ。)Sheldon: That is a good point. Criticisms are more hurtful when they’re specific.
(それは良い指摘だ。批判は具体的なほうが、より相手にこたえる。)TBBT Season11 Episode15
名詞の criticism は数えられる形で「一つ一つの批判」を表すことができ、ここでは複数形になっています。具体的なほど効くという理屈は、批判が対象の中身に踏み込む行為だからこそ成り立つもので、complain との違いがよく分かる一言です。
| 表現 | 向かう先 | ニュアンス |
|---|---|---|
| criticize / criticism | 作品や行動の中身 | 良し悪しを判断して欠点を指摘する |
| complain about ~ | 自分が感じた不満 | 嫌だという気持ちを口にする |
| write mean comments | 相手 | 意地悪な書き込みで困らせる |
別の場面で、ラージがシェルドンに番組の件を尋ねます。
Raj: I thought you were boycotting Wil’s show.
(ウィルの番組はボイコットしてたんじゃなかったの?)Sheldon: I was, but I decided to give it a shot, and I actually enjoyed it.
(していた。だが、試しに見てみることにしたら、実際に楽しめたのだ。)TBBT Season11 Episode15
give it a shot は「試しにやってみる」というくだけた言い方です。見ないまま批判するつもりだった相手が、実際に見て評価を改めたことが、この二文でまとまって伝わってきます。
さらに別の場面で、シェルドンはウィル本人に会い、番組を見てとても良かったと伝えたうえで、こう続けます。
Sheldon: And I regret how hard I was on you.
(そして、君にきつく当たりすぎたことを悔やんでいる。)TBBT Season11 Episode15
be hard on ~ は「〜に厳しく当たる」という意味で、regret と組み合わせると、言いすぎた批判を引っ込める言い方になります。
まとめ|評価と不満を言い分ける
今回は、対象の中身を判断して欠点を指摘する criticize と、不満の気持ちを口にする complain about を軸に、write mean comments、give it a shot、be hard on ~ を見てきました。何に向けて言う言葉なのかを意識すると、言い分けがしやすくなります。
見る前と見た後でシェルドンの言葉がどう変わるのかに注目して見返すと、この回の英語がいっそう楽しめます。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事もあわせて読むと、この回の英語が別の角度から見えてきます。


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