海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回取り上げるのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン9 第14話から、迷いを打ち明けて受け止める英語です。ハワードとバーナデットの家のキッチンで、ラージが恋人との関係への迷いを口にし、二人にある質問を投げかけます。
doubtとreservation。似た意味を持つ2つの名詞が、同じ場面のなかで少しずつ違う顔を見せます。打ち明ける側と受け止める側、両方の言葉を見ていきましょう。
「have doubts about ~」迷いがあったかを尋ねる
キッチンで、バーナデットは、ラージがクレアと連絡先を交換し、これから会う予定だという話を確かめます。ラージは、脚本を手伝うだけだと答えます。
その場にいたハワードは You weren’t there.(その場にいなかっただろ)と切り出し、あれは本気の駆け引きだったと言い添えます。
一方のバーナデットは、悪気はなかったはずだと受け流します。このときの No big deal.(大したことじゃない)は、自分の見立てを短く言い切る形です。
そのやり取りを受けて、ラージは自分の気持ちを打ち明けます。
Raj: Uh, it’s hard to say. I think we’re good, but things like this make me wonder if Emily’s really the right person for me. I mean, did you guys ever have doubts about each other?
(うーん、どうとも言えないな。うまくいってるとは思うけど、こういうことがあると、エミリーが本当に僕に合う人なのか分からなくなるんだ。ねえ、二人は互いに迷いを持ったことってあるかい?)Howard: No. Never.
(ない。一度もないね。)Bernadette: Absolutely.
(もちろん、あったわ。)Howard: What?
(え?)TBBT Season9 Episode14
have doubts about ~ は「〜について迷いがある」という言い方です。複数形の doubts にすると、ひとつの疑問というより、心に重なった迷い全体を指せます。
It’s hard to say.(どうとも言えない)は、断定を避けるときの定型です。続く make me wonder if ~(〜ではないかと思わせる)は、wonder if の間接疑問で迷いが生まれるきっかけを表しています。
質問の did you guys ever ~? は、ever を添えて「これまでに一度でも〜したことがあるか」と経験を尋ねる形です。答えが Never.(一度もない)と Absolutely.(もちろん)で真っ二つに割れるところに、この場面の落ちがあります。
「have reservations about ~」引っかかりがあったと認める
一度は否定したハワードも、バーナデットとのやり取りが続いたあとで、こう認めます。
Howard: Fine. I had reservations about you, too.
(分かったよ。俺のほうにも、君に引っかかるところはあったさ。)Bernadette: No, you didn’t.
(いいえ、なかったでしょ。)Howard: No, I didn’t.
(ああ、なかったよ。)Bernadette: Well, it doesn’t matter now, ‘cause I love how things worked out.
(まあ、今はもうどうでもいいことよ。だって、こういう結果になったのが気に入ってるんだから。)TBBT Season9 Episode14
have reservations about ~ は「〜について気が進まない部分がある」という言い方です。reservation は「留保」、つまり全面的には賛成しかねる部分を指し、迷いを正面から名指しする doubts より控えめに響きます。
同じ場面に2つの語がそろって現れるので、語感の差を並べて味わえるのが面白いところです。
バーナデットに「なかったでしょ」と返されると、ハワードはすぐに「なかった」と言い直します。強気の告白が一往復で撤回される、この切り替えの早さがやり取りの落ちになっています。
It doesn’t matter now, ‘cause ~ は、過去の話を切り上げて現在に目を向けさせる言い方です。’cause は because のくだけた形。続く how things worked out は、how+主語+動詞で「物事がどう運んだか」をひとまとまりの名詞にした形で、work out は「うまく運ぶ」「結果が出る」という自動詞の使い方です。
まとめ|迷いを言葉にできる関係
今回は、have doubts about ~ と have reservations about ~ を中心に、迷いを打ち明ける英語と、それを受け止める英語を見てきました。It’s hard to say. や It doesn’t matter now. のような短い定型が、デリケートな話題の橋渡しをしています。
過去の迷いには立ち入らず、こうなった今を良しとする。その締めくくりの一言を、ドラマを観ながら確かめてみてください。
同じ回を扱ったコラムやまとめ記事とあわせて読むと、場面全体の英語の流れがつかめます。


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