海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第17話に登場する、退職したロスマン教授の元オフィスに移ったシェルドンが、壁の穴や不調和な鳥の鳴き声など、次々と新オフィスの不具合を訴える場面です。些細な出来事を大げさな理屈で結びつけ、不満を積み重ねていく言い方を見ていきます。
原因を絞り込む理屈から、無関係な現象を当てつけと決めつける飛躍まで、順番に見ていきましょう。
壁の穴をめぐる、大げさな理屈で原因を絞り込む言い方
新しいオフィスの壁に開いた穴に気づいたレナードが尋ねると、シェルドンは大仰な理屈で応じます。
Leonard: Why is there a hole here?
(ここ、なんで穴が開いてるんだ?)Sheldon: Why is there a hole in my new office? I’ve narrowed it down to two possibilities: There was something in the wall that someone outside the wall wanted, or the more disturbing, there was something in the wall that wanted out.
(なぜ僕の新しいオフィスに穴が開いているのか?可能性は二つに絞り込んだ。壁の外にいる誰かが、壁の中にある何かを欲しがったか、あるいはもっと厄介なことに、壁の中にある何かが外に出たがったか、だ。)Raj: Well, at least you finally got a window that opens. That’s nice.
(まあ、少なくともようやく開く窓が手に入ったじゃないか。それはいいことだよ。)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
I’ve narrowed it down to two possibilities(可能性を二つに絞り込んだ)という言い方は、単純な疑問に対して大仰な推理の体裁を持ち込む型です。ラージの at least … That’s nice.(少なくとも〜だ、それはいい)は、欠点を一つ挙げつつ良い面を差し込んでなだめる言い方になっています。
「He’s mocking me.」に見る、無関係な現象を当てつけと決めつける言い方
窓が開くようになった代わりに、シェルドンは別の音に気を取られます。ラージに風鈴の音を指摘されると、こう応じました。
Sheldon: No, I hate them, but it gets worse. There it is.
(いや、大嫌いだ、だがもっとひどいことがある。ほら、また聞こえた。)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
it gets worse(もっとひどいことがある)は、一つの不満を語ったあとにさらに別の不満を重ねるときの合図になる言い方です。ハワードに「鳥のことか?」と尋ねられたシェルドンは、風鈴と鳴き声が合っていないと説明し、ラージの「それで?」という問いに対してこう続けます。
Sheldon: You don’t get it, do you? That’s a mockingbird. Mockingbirds can change their song, which means he’s out of tune on purpose. He’s mocking me. Oh dear. There it is again. Do you feel it?
(分かっていないな?あれはマネシツグミだ。マネシツグミは鳴き方を変えられる、つまりわざと調子を外しているということだ。あいつは僕をからかっているんだ。ああ、また来た。感じるか?)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
out of tune on purpose(わざと調子を外している)から He’s mocking me.(あいつは僕をからかっている)へと、鳥の習性の説明が一足飛びに「自分への当てつけ」という結論に変わっています。無関係な自然現象を、意図を持った行為として決めつける飛躍の型です。
その後もシェルドンは新しいオフィスの不満を次々と数え上げ、レナードが次のように声をかけます。
Leonard: Sheldon, relax.
(シェルドン、落ち着けよ。)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
relax(落ち着け)という一言は、積み重なっていく愚痴の勢いを止めようとする短い声かけです。理屈を並べ立てる側と、それを軽く受け流す側の対比が見える場面です。
まとめ|些細な不満も、理屈と決めつけで大きくなる
I’ve narrowed it down to two possibilities、it gets worse、out of tune on purpose、He’s mocking me.、relax。壁の穴の原因を推理する理屈から、鳥の鳴き声を当てつけと決めつける飛躍まで、不満が積み重なっていく言い方を見てきました。小さな出来事を大げさな理屈で結びつける話し方は、日常の愚痴のこぼし方にも応用できそうです。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


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