海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
相手が真顔で言うものだから真に受けていたら、実はずっとからかわれていた——そんな経験、ありませんか。
そんなときにぴったりの「screw with」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第17話の前半、複雑なゲームのルールを何度も復唱させられるシェルドンを、ハワードが見かねて止めるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「screw with」の意味とニュアンス
screw with
意味:(人を)からかう、おちょくる、ちょっかいを出す
“screw with someone” は、相手を意図的にからかったり、わざと困らせて翻弄したりすることを表すくだけた句動詞です。冗談半分の軽いいたずらから、本気で相手を苛立たせる嫌がらせまで、文脈によって温度が大きく変わります。やや口語的でぞんざいな響きがあり、フォーマルな場面では避けられる傾向があります。”Are you screwing with me?”(からかってるのか?)のように、相手の言動が冗談か本気か確かめるときにもよく使われます。また、”screw with the settings”(設定をいじる)のように、対象が人ではなく物の場合は「むやみにいじる」という意味にもなります。
【ここがポイント!】
- ネジを回すように相手を「いじって反応を楽しむ」イメージが核
- 軽い冗談から本気の嫌がらせまで、口調しだいで温度が変わる表現
- 言われた側は「からかってるのか?」と確かめる合図にも使えるのがコツ
『ビッグバン★セオリー』S05E17のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
オフィスの所有権をかけて、シェルドンはラージ考案の「ロック・ペーパー・シザーズ・リザード・スポック」のルールをクリプキに説明します。ところがクリプキは「もう一回」「あと少しで分かりそうだ」と繰り返し、シェルドンに同じ長い説明を何度も復唱させます。律儀に応じ続けるシェルドンを見かねて、ハワードが口を挟む、その一言にこのフレーズが登場します。
Sheldon: Scissors cuts paper, paper covers rock, rock…
(ハサミは紙を切り、紙は石を覆い、石は…)Howard: Sheldon, stop. He’s screwing with you.
(シェルドン、やめろ。そいつはお前をからかってるんだ。)Sheldon: Is he? Well, then, it seems we have reached an impasse.
(そうなのか? なら、どうやら僕たちは行き詰まったようだな。)The Big Bang Theory Season5 Episode17(The Rothman Disintegration)
シーン解説と心理考察
物事を額面どおりに受け取ってしまうシェルドンは、クリプキが「分からないふり」でわざと自分を試していることに気づきません。何度でも生真面目に同じ説明を繰り返すその姿に、彼の天然ぶりが表れています。ハワードの “He’s screwing with you” は、そんな友人を見かねたツッコミであり、クリプキの底意地の悪い悪戯を一言で言い当てる役割を果たしています。注目したいのは、指摘されたシェルドンの反応です。からかわれていたと知っても怒り出すのではなく、「そうなのか?」とあっさり受け止め、すぐに「行き詰まった」と話を次へ進めてしまう。その淡々とした切り替えが、かえってこの場面のおかしみを際立たせていると言えます。からかう側と、からかわれていることにも動じない側。そのかみ合わなさが会話の温度をやわらかく見せています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
ネジ(screw)を相手の心にあてて、面白半分にキリキリと回していく様子を思い浮かべてみてください。物理的にいじり回す動作が、そのまま「相手をいじって反応を楽しむ=からかう」に重なります。シェルドンが同じ説明を何度も律儀に繰り返し、その横でクリプキがにやついている——「真面目な相手を回して遊ぶ」あの構図とセットにすると、screw with の持つ意地悪な手触りがすっと頭に入ってきます。
例文で覚える「screw with」
人をからかう場面で頻出のこの表現は、口語的でくだけた会話によくなじみます。3つの場面で具体的に見てみましょう。
Stop screwing with me and tell me the truth.
(からかうのはやめて、本当のことを言ってくれ。)
相手のはぐらかしに苛立って、真実を求めるときの一言です。命令文にすることで、「もう冗談はいい」という焦れた気持ちをそのままぶつけられます。
He likes to screw with new employees by giving them fake deadlines.
(彼は新入社員に偽の締め切りを伝えてからかうのが好きだ。)
職場で人をかつぐ常習者を説明する文です。”by -ing”を続けると、「どうやってからかうのか」その手口まで具体的に描けます。
A: Wait, are you screwing with me right now?
B: No, no, I’m serious this time!
(A:ちょっと、今おれのことからかってる?)
(B:いやいや、今回は本気だって!)
相手の発言が冗談か本気か確かめる会話です。疑う側と打ち消す側のやり取りで、このフレーズが「本気?」と探りを入れる合図として働くことがよく分かります。
あわせて覚えたい関連表現
mess with
(ちょっかいを出す、いじる)
screw with とほぼ同義で、より一般的に使われる表現です。screw with のほうがやや口が悪くぞんざいな響きを持ちます。”Don’t mess with me” は「なめるなよ」という警告にもなります。
pull someone’s leg
(冗談で人をかつぐ、からかう)
あくまで悪意のない冗談に限定される表現です。screw with は嫌がらせ寄りにもなり得る点で、こちらとは温度差があります。
play a trick on someone
(いたずらを仕掛ける)
具体的な「いたずら・仕掛け」を指す表現です。screw with は仕掛けがなくても、言葉で相手を翻弄する行為全般に使える点が異なります。
Note|mess with との使い分けと温度差
screw with を学ぶとき、必ずと言っていいほど隣に並ぶのが mess with です。意味はほとんど同じで、ネイティブも多くの場面で交換可能に使います。では、何が違うのでしょうか。
鍵になるのは「響きの荒さ」と「口調」です。一般に mess with のほうが中立的で、家庭でも職場でも比較的使いやすいのに対し、screw with はやや砕けて荒っぽい印象を与え、改まった場面では避けられる傾向があるとされます。とはいえ、より大きく意味を左右するのは口調のほうです。同じ “He’s screwing with you” でも、笑いながら言えば「ふざけてるだけだよ」という軽いツッコミになり、声色が硬ければ「本気で困らせてくる」という警戒の言葉になります。劇中のハワードの一言は前者の典型で、シェルドンをからかうクリプキへの、どこか呆れまじりの指摘として響きます。文字だけを見ると意地悪に見えても、笑いを含んだトーンで言えば、仲間内の軽口として成立するのです。
つまり screw with を使いこなす鍵は、単語の意味だけでなく「どんな声色で言うか」にあります。劇中のように、相手を責めるというより「気づいてないよ」と教えてあげる温度で使えると、自然に響きます。
同じ言葉でも、声のトーン一つで冗談にも警告にもなる。そこにこの表現の幅があります。
まとめ|からかわれても動じないシェルドンから学ぶこと
screw with は、相手を意図的にからかったり、わざと困らせて翻弄したりすることを表すくだけた句動詞です。ネジを回すように相手をいじる、というイメージのとおり、軽い冗談から本気の嫌がらせまで、口調しだいで温度が変わります。
このフレーズを覚えておくと、誰かにかつがれていると気づいたとき、”Are you screwing with me?” と軽く確かめたり、友人がからかわれているのを “He’s screwing with you” と教えてあげたりと、くだけた会話のやり取りに自然に加われます。
何度からかわれても「そうなのか?」と淡々と受け流すシェルドンの後ろ姿に、相手のペースに飲まれない強さのようなものが、ほんの少し透けて見える場面でした。


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