海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン5 第17話に登場する、退職したロスマン教授の空いたオフィスをめぐって対立したシェルドンが、相手との交渉を切り出し、行き詰まりを乗り越えようとする場面です。格式ばった前置きから、共通点を探る提案まで、話し合いの進め方を見ていきます。
下手に出た前置きから、行き詰まりを認める言い方まで、順番に見ていきましょう。
下手に出た前置きから始まる、格式ばった提案の切り出し方
オフィスの件で自宅を訪ねてきたクリプキに本題を切り出されると、シェルドンはこう応じます。
Sheldon: Fine. In the interest of preserving our friendship…
(分かった。僕らの友情を守るという観点から言えば…)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
In the interest of preserving our friendship…(僕らの友情を守るという観点から言えば)は、本題に入る前に相手との関係を持ち出す下手に出た前置きです。しかし、クリプキがにべもなく拒否すると、シェルドンは怯まずに提案を続けます。
Sheldon: Well, that’s a little hard to hear, but all right. As you know, the essence of diplomacy is compromise. With that in mind, I propose the following. I will take Rothman’s office, and you will find a way to be okay with that.
(まあ、それを聞くのは少しつらいが、いいだろう。知っての通り、外交の本質とは妥協にある。それを踏まえて、次のように提案する。僕がロスマンのオフィスを取り、君はそれを受け入れる方法を見つける、というものだ。)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
the essence of diplomacy is compromise(外交の本質とは妥協にある)という格式ばった原則を持ち出したうえで、I propose the following(次のように提案する)と続ける型です。もっとも、提案の中身は自分の要求をそのまま通すだけという、体裁と内容のずれも見どころです。
「it seems we have reached an impasse.」に見る、行き詰まりを認めて次の一手を探る言い方
その後もかみ合わないやり取りが続き、ハワードが割って入ります。
Howard: Sheldon, stop. He’s screwing with you.
(シェルドン、やめろ。あいつはお前をからかってるだけだ。)Sheldon: Is he? Well, then, it seems we have reached an impasse. I see no other option than to challenge you to a duel. I’d smack you with a glove, but just last week I packed away my winter things.
(そうなのか?それなら、僕らは行き詰まりに達したようだ。君に決闘を申し込む以外に道はないと思う。手袋で打とうと思ったが、先週ちょうど冬物をしまってしまってね。)Howard: It’s the 21st century. You can’t have a duel.
(今は21世紀だぞ。決闘なんてできるわけないだろ。)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
it seems we have reached an impasse.(僕らは行き詰まりに達したようだ)は、話し合いがこれ以上進まないことを認める言い方です。認めた直後に決闘という大げさな代案を持ち出す飛躍が、この場面らしいところです。レナードが仲裁役を買って出て、二人が対等に競える条件を探ろうとすると、こんなやり取りが続きます。
Leonard: It’s gonna be hard to find something you’re both equally good at.
(二人が同じくらい得意なことを見つけるのは、なかなか難しそうだな。)Raj: Is there anything you’re both equally bad at?
(じゃあ、二人が同じくらい苦手なことなら何かあるんじゃないか?)TBBT Season5 Episode17 (The Rothman Disintegration)
equally good at(同じくらい得意な)で条件を探そうとしたところから、equally bad at(同じくらい苦手な)へと発想を反転させる切り返しです。得意なことで競わせようとして行き詰まったとき、逆に苦手なことで共通点を探るという発想の転換が見えてきます。
まとめ|行き詰まりを認めることが、次の一手につながる
In the interest of preserving our friendship…、the essence of diplomacy is compromise、reached an impasse、equally good at、equally bad at。下手に出た前置きから格式ばった提案、行き詰まりを認める言い方、共通点を探る発想の転換まで見てきました。対立をいったん言葉にして認めるところから、次の提案が生まれる流れは、日常の話し合いにも通じそうです。
次回も『ビッグバン★セオリー』の会話を通して、英語表現の型を見ていきましょう。
同じエピソードの英語表現は、フレーズ記事やエピソードまとめでも扱っています。


コメント