海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ビッグバン★セオリー』シーズン10 第4話から、申し出を受ける側の念押しと、その答え方を取り上げます。部屋が水浸しになったエイミーに、ペニーが滞在先を申し出る場面が起点です。
「迷惑じゃない?」と聞かれて「はい」と答えたつもりが、英語では逆の意味になってしまう。そんなつまずきやすい返事の向きを、短いやり取りの中から順番に見ていきます。
「You’re sure that’s not an inconvenience?」への答えはNo
エイミーの部屋は水道管の破裂で水浸しになり、5週間ほど戻れなくなりました。その話を受けて、ペニーが滞在先を申し出ます。
Penny: Well, if you need a place to crash, you can stay with us.
(じゃあ、寝泊まりする場所が要るなら、うちに泊まればいいよ。)Amy: Really?
(本当に?)Penny: Of course. You can stay in Leonard’s room, and we’ll stay at my place.
(もちろん。レナードの部屋に泊まっていいよ。私たちは私の部屋に泊まるから。)Amy: You’re sure that’s not an inconvenience?
(迷惑にならないのは確かなの?)Penny: No, not at all.
(ううん、全然。)Leonard: And we live with Sheldon, so the word inconvenience has really lost all meaning.
(それに僕らはシェルドンと住んでるからね、迷惑って言葉はすっかり意味をなくしてるんだ。)TBBT Season10 Episode04
a place to crash は「寝泊まりする場所」のくだけた言い方として知られています。申し出を受けたエイミーは、Really? と聞き返し、ペニーは Of course. と応じて泊まり方の段取りまで示します。
注目したいのは、エイミーの念押しとペニーの返事です。You’re sure that’s not an inconvenience? は平叙文の語順のまま語尾を上げる確認で、inconvenience は「迷惑・不便」を表します。
ここでペニーが返したのは No, not at all. です。日本語なら「うん、迷惑じゃないよ」と「うん」で始めたくなる場面ですが、英語は「迷惑か」という事実への答えなので、迷惑でなければNoになります。続く not at all が「まったく」と否定を強め、遠慮を打ち消す働きをしています。反対に、本当に負担があるときはYesで認めたうえで事情を添える形になり、返事の向きは日本語の「はい・いいえ」と必ずしも一致しません。
直後のレナードは、inconvenienceという語そのものを持ち出して切り返します。シェルドンとの同居を引き合いに出し、念押しに冗談で応じる一言です。
「a big step」と「in the right direction」で受け止める
念押しが済むと、エイミーは自分の置かれた状況に気づきます。同じ場面の続きです。
Amy: So, technically, I’d be moving in with my boyfriend?
(じゃあ、厳密に言うと、私は彼氏と同居することになるのかしら?)Penny: I guess so. And I’d finally get to live alone with my husband.
(そうなるかな。それに私もやっと夫と二人だけで暮らせるし。)Amy: Oh, my, this is a big step.
(まあ、これは大きな一歩だわ。)Leonard: Mm-hmm. For two of us, it’s in the right direction.
(うん。僕ら二人にとっては、正しい方向だね。)TBBT Season10 Episode04
So, technically, ~? は「厳密に言えば〜ということ?」と、話の帰結を確かめる切り出しです。a big step は関係や生活が大きく変わる節目を指し、同居が軽い話ではないという受け止めが、この一言に表れています。
レナードの in the right direction は、その一歩が「正しい方向」に向かっていると受ける言い回しです。前置詞の for は「〜にとっては」と立場を限定する働きで、エイミーの言う大きな一歩を、自分たち二人の側から言い直しています。同じ申し出が、エイミーには大きな節目として、ペニーとレナードには二人で暮らせる機会として届いている対比が読み取れます。
別の場面では、ペニーが部屋の配置を逆にする案を出し、話がまとまっていきます。廊下の場面では、鍵の受け渡しが描かれます。
Penny: Well, here’s your key.
(じゃあ、はい、これが鍵。)Amy: Thank you.
(ありがとう。)Sheldon: Enjoy having the place to yourselves.
(君たちだけでこの部屋を使えることを楽しむといい。)TBBT Season10 Episode04
have the place to oneself は「その場所を自分(たち)だけで使う」という意味の表現です。シェルドンがこの一言をかける相手はペニーとレナードの二人で、yourselvesの複数形がそれを示しています。
まとめ|念押しにはNoで応える
今回は、You’re sure that’s not an inconvenience?という念押しに、No, not at all.で遠慮を打ち消す流れを見てきました。否定を含む確認では、事実が否定ならNoで答える。この向きを押さえると、申し出への返事に迷いにくくなります。
部屋の貸し借りという身近な場面にも、英語の返事の仕組みが表れています。次回も『ビッグバン★セオリー』と一緒に英語を学んでいきましょう。
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