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今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン2 第14話に登場する、お金を貸すときと返すときのやり取りです。家賃を滞納して大家から逃げてきたペニーに、シェルドンが瓶に貯めたお金を差し出す場面には、返済期限を切らずに貸す言い方と、それでも返す意思を伝える言い方が対照的に描かれています。
Pay me back when you can. という一言から見ていきます。
「Pay me back when you can.」に見る、期限を切らない貸し方
大家が部屋を見せに来ていることに気づいたペニーは、家賃を滞納したまま慌ててシェルドンの部屋に逃げ込んできます。事情を聞いたシェルドンは、隠していた大金をためらいもなく差し出します。
Sheldon: Hang on a moment. Here. Take some. Pay me back when you can.
(ちょっと待って。ほら、これを持っていくといい。返せる時でいいから。)TBBT Season2 Episode14 (The Financial Permeability)
Pay me back when you can. は、返済の期限を一切指定しない貸し方です。「いつか返してくれればいい」という意味で、貸す側の負担感の軽さがそのまま伝わってきます。
遠慮するペニーに対して、シェルドンはさらに重ねて差し出します。
Penny: Don’t be silly.
(ばかなこと言わないで。)Sheldon: I’m never silly. Here.
(僕はばかなことなど言わない。さあ。)TBBT Season2 Episode14 (The Financial Permeability)
Don’t be silly. は「そんな水くさいこと言わないで」と厚意を遠慮するときの定番の言い方です。対してシェルドンは字義通りに I’m never silly.(僕は決してばかなことは言わない)と切り返し、遠慮を押し切って再度お金を差し出します。皮肉の通じないシェルドンらしい応酬が、押し問答の形で表れている場面です。
「I’ll pay you back as soon as I can.」に見る、返す側の意思表示
一連のやり取りの最後に、ペニーは借りることを受け入れ、返済の意思を口にします。
Penny: I’ll pay you back as soon as I can.
(できるだけ早く返すから。)Sheldon: Of course you will. It’s impossible to pay me back sooner than you can. Assuming you subscribe to a linear understanding of time and causality.
(もちろんそうだろう。できる限りより早く返すことなど不可能だ。もっとも、君が時間と因果律を線形なものとして捉えているならの話だが。)TBBT Season2 Episode14 (The Financial Permeability)
I’ll pay you back as soon as I can. は「できるだけ早く返す」という、借りる側が誠意を示す定型句です。対するシェルドンの返しは一見理屈っぽいだけですが、要は「できる限り早く返す以上に早くは返せない」という当たり前の理屈で、返済を急かす気がまったくないことがうかがえます。
そして物語の終盤、実際にお金を返しに来たペニーは、シェルドンに一言添えて返済を果たします。
Penny: Sheldon, here is your money. Thank you very much. It helped a lot.
(シェルドン、これお金。本当にありがとう。すごく助かったわ。)TBBT Season2 Episode14 (The Financial Permeability)
期限を決めずに貸したお金は、催促されないまま、ペニー自身の言葉で締めくくられます。貸す側の気軽さと返す側の律儀さ、そのどちらもが揃って一つのやり取りが完結する様子がうかがえます。
まとめ|貸し方にも返し方にも、それぞれの流儀がある
Pay me back when you can.、Don’t be silly.、I’ll pay you back as soon as I can.。期限を切らずに貸す気軽さと、それでも返す意思を言葉にする律儀さが、この一連のやり取りには積み重なっています。
貸す側の気軽さと、それでも律儀に返す側の姿勢――金銭のやり取りひとつにも、キャラクターの人柄が透けて見えてきます。
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