「let’s assume, ad argumentum」に学ぶ、相手を丸め込む説得の英語|『ビッグバン★セオリー』S03E07で学ぶ英会話

『The Big Bang Theory』コラム: 「let’s assume, ad argumentum」に学ぶ、相手を丸め込む説得の英語|『ビッグバン★セオリー』S03E07で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン3 第7話に登場する、相手を丸め込むように話を進める説得のレトリックです。チーズケーキ・ファクトリーで働くペニーのもとへ押しかけたシェルドンが、仲裁を目的に論理を積み重ねていく場面には、相手の立場をいったん認めてから話を進める言い回しが詰まっています。

前置きの奥に本題を隠す運びから見ていきます。

目次

まず前置きで様子を見てから、本題を切り出す運び

チーズケーキ・ファクトリーで働くペニーのもとへ、シェルドンが押しかけてきます。レナードが謝罪を待っていると聞かされたペニーが取り合わずにいると、シェルドンは本題を切り出します。

Sheldon: I assumed that would be your attitude. Hence, my true purpose in coming here.
(そういう態度を取るだろうとは思っていたよ。だからこそ、これが僕が本当にここへ来た目的だ。)

Penny: Which is?
(それって?)

Sheldon: I want you to crawl back to him and apologize.
(君にレナードのところへ這って戻って、謝ってほしいんだ。)

TBBT Season3 Episode7 (The Guitarist Amplification)

Hence, my true purpose in coming here. は、「だからこそ、これが本当の来訪の目的だ」と、様子見のやり取りを経てから本題を切り出す前置きです。世間話のふりをして核心を後出しにする、この運びが説得の一手目になっています。続く I want you to crawl back to him and apologize. は、前置きなしの直接的な要求です。回りくどい入り方と、要求そのものの単刀直入さが対照的に並んでいます。

相手の立場をいったん認めてから畳みかける説得の型

食事の注文をめぐるやり取りを挟みつつ取り合わないペニーに、シェルドンは相手の主張をいったん受け入れる型に切り替えます。

Sheldon: All right, let’s assume, ad argumentum, that in this case, Leonard is wrong.
(よし、では議論のために、今回はレナードが間違っていると仮定しよう。)

Penny: Leonard is wrong.
(レナードが間違ってる。)

Sheldon: Considering the number of transgressions you’ve committed that he’s overlooked, don’t you think that, just this once, you could return the favor?
(君がこれまで犯してきた数々の過ちを、彼が見過ごしてきたことを考えれば、今回くらいは君がその恩を返してもいいと思わないか?)

TBBT Season3 Episode7 (The Guitarist Amplification)

let’s assume, ad argumentum, that … は、「議論のために、〜だと仮定しよう」という前置きです。シェルドンはまず「レナードが間違っている」という相手の主張をそのまま丸ごと認めてみせてから、その上に次の要求を積み重ねています。相手の主張を否定せずにいったん取り込み、そこを足場に話を進める、丸め込みの型と言えます。return the favor は「恩を返す」「お返しをする」という定型表現で、シェルドンはこれを使って過去の貸し借りを持ち出し、頼み事を通そうとします。

畳みかけられた説得が、皮肉の一言で裏目に出る瞬間

丸め込みの説得を重ねられたペニーが、最後に返した一言が次の場面です。

Penny: Oh, really? Well, then, do me a favor and tell Leonard that he can drop dead!
(へえ、そう? だったら、レナードに死んじゃえって伝えといて!)

TBBT Season3 Episode7 (The Guitarist Amplification)

do me a favor and … は、本来は頼み事を切り出す定型表現ですが、ペニーはこれを皮肉に転用し、レナードへの毒づいた伝言を頼む形にすり替えています。説得が実を結ぶどころか、根負けした相手が皮肉で切り返してしまう瞬間が読み取れます。

まとめ|相手の主張をいったん取り込む、丸め込みのレトリック

Hence, my true purpose in coming here.、let’s assume, ad argumentum,…、return the favor。相手の主張を否定せずいったん受け入れ、そこを足場に要求を重ねていく説得のレトリックには、押しの強さだけでなく型があります。押しすぎれば相手の反発を招くことも、この場面は合わせて伝えています。

同じエピソードのフレーズ記事やエピソードまとめでも、このやりとりに関連する表現を扱っています。

このエピソードを見るには

(タップすると各配信サービスの視聴ページへ移動します)

※配信状況は変更される場合があります(2026年5月時点)



  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

目次