海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
改まって「実はね…」と切り出すとき、相手が身構えるのを感じながら、ほんの少し緊張したり、わざとおどけてみたりした経験はありませんか。打ち明け話の前の、あの独特の間合いです。
英語にも、そんな切り出しにぴったりの前置きがあります。それが「have a confession to make」、打ち明けたいことがある、という表現です。
このフレーズを、『ビッグバン★セオリー』シーズン7第22話、恩師の葬儀の場でペニーがレナードに思いつめた様子で打ち明け話をするシーンから、一緒に見ていきましょう。
「have a confession to make」の意味とニュアンス
have a confession to make
意味:打ち明けたいことがある、白状することがある
have a confession to make は、言いにくいことや隠していたことを切り出すときの前置きです。直訳すると「するべき告白を持っている」となり、これから何かを正直に明かす、という宣言の役割を果たします。
重大な秘密にも、ちょっとした打ち明け話にも使えるのが特徴です。深刻な内容を予感させる「タメ」として機能するため、あえて軽い話に付けると、本シーンのように予想を裏切るユーモアが生まれます。
本音を切り出すとき、改まって会話の流れを変えたいときに便利な表現です。confession の代わりに動詞 confess を使った I must confess(正直に言うと)も、ほぼ同じ働きをします。
【ここがポイント!】
- confession は「告解」、胸の内を改まって明かすイメージ
- 重い秘密にも軽い打ち明け話にも使える、便利な前置き
- 深刻さを予感させる「タメ」だから、軽い話に付けると笑いになる
『ビッグバン★セオリー』S07E22のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。恩師の葬儀に、レナードとともに参列したペニー。神妙な空気のなか、彼女は思いつめた様子で打ち明け話を切り出します。
Penny: I have a confession to make.
(ちょっと打ち明けたいことがあるの)Leonard: Hmm?
(ん?)Penny: I’ve never been to a funeral before.
(私、お葬式に来たことが一度もないの)Leonard: Really?
(ほんとに?)The Big Bang Theory Season7 Episode22(The Proton Transmogrification)
シーン解説と心理考察
have a confession to make という前置きは、本来とても重い告白を予感させます。聞き手は思わず身構え、視聴者も「何を打ち明けるのだろう」と引き込まれます。
ところが、続くペニーの告白は「実はお葬式が初めて」という、深刻さと拍子抜けが同居する内容でした。仰々しい前置きと素朴な中身とのギャップが、葬儀という重い場に小さな笑いを差し込みます。
ペニーがあえてこの改まった切り出しを選んだのには、慣れない場での戸惑いや緊張を、少しおどけて和らげようとする心理が見て取れます。重い空気をやわらげる彼女らしい気のつかい方です。この直後、二人は「どっちが先に泣くか」をめぐる微笑ましいやり取りへと自然に流れていきます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
have a confession to make は、教会の「告解室」で、胸の内をそっと打ち明ける場面をイメージすると掴みやすい表現です。confession という語のもとには、改まって何かを明かす、あの静かな緊張感があります。
その「タメ」を、ペニーが神妙に切り出したのに中身が「お葬式が初めて」だった肩透かしと重ねてみてください。重い前置きを軽い話に乗せたときに生まれるおかしさごと覚えれば、このフレーズが持つ「改まり」の温度感が、感覚として身につきます。
例文で覚える「have a confession to make」
have a confession to make は、軽い秘密の告白から改まった本題の前置きまで、幅広く使えます。フォーマル度を変えながら、三つの例文で感覚をつかんでみましょう。
I have a confession to make ―― I’ve never actually read that book.
(白状すると…実はあの本、読んだことがないんだ)
軽い秘密をおどけて明かす場面です。ダッシュで一拍置くと、本シーンのような「タメ」の効果が出て、打ち明け話らしい間合いになります。
Before we continue, I have a confession to make.
(話を続ける前に、打ち明けておきたいことがあります)
改まって本題に入る前の前置きです。Before 〜 と組み合わせると、フォーマルな場でも使える落ち着いた切り出しになります。
A: Okay, I have a confession to make. I’m the one who ate your lunch.
B: I knew it! That was my favorite sandwich.
(A:よし、白状する。君のお昼を食べたのは僕だ)
(B:やっぱり! あれ、お気に入りのサンドイッチだったのに)
ちょっとした失敗を告白する会話です。Okay を前に置くと切り出しやすく、軽い罪を打ち明けるおどけたニュアンスがよく出ます。
あわせて覚えたい関連表現
to be honest (with you)
(正直に言うと)
本音を切り出す前置きとして最も気軽な表現です。have a confession to make が「隠していたことを明かす」改まりを持つのに対し、to be honest はもっとカジュアルで、日常の頻度も高いのが違いです。
I have to tell you something
(話したいことがある)
良い知らせにも悪い知らせにも使える中立的な切り出しです。confession のような「後ろめたさ」のニュアンスはなく、単に「重要な話がある」と前置きする点で、トーンがやや軽くなります。
come clean
(洗いざらい白状する)
隠していた事実を「全部正直に話す」イディオムです。have a confession to make が切り出しの前置きであるのに対し、come clean は「ごまかすのをやめて白状する」という行為そのものを指す点で、役割が異なります。
Note|confession ―― 「告解」から「打ち明け話」へ
ペニーが選んだ confession という語には、実は宗教的な重みの名残が宿っています。
confession はラテン語の confiteri(認める・告白する)に由来するとされ、もともとはキリスト教における「罪の告白」、いわゆる告解を指す言葉でした。信徒が司祭の前で自らの過ちを打ち明ける、あの厳粛な行為です。それが時代とともに世俗化し、宗教の枠を離れて、日常の「打ち明け話」全般を表すように広がっていったと考えられています。元の意味が「罪の告白」だったからこそ、have a confession to make には今も、ただの報告とは違う、改まって胸の内を明かすという独特の重みが残っています。だからこそ、この前置きは聞き手を身構えさせる力を持つのです。ペニーがこの仰々しい言い方を選んだことで、続く「お葬式が初めて」という素朴な告白との落差が、いっそう際立ちました。
語の出自を知っておくと、なぜ to be honest よりも confession のほうが改まって聞こえるのか、その温度差が腑に落ちます。
軽い打ち明け話の奥にも、言葉の長い来歴が静かに息づいています。
まとめ|葬儀の場でペニーが切り出した「実はね」を一言で
have a confession to make は、言いにくいことを改まって切り出すための、力のある前置きです。重い秘密にも軽い打ち明け話にも使え、聞き手に「これから大事な話が来る」と心の準備をさせられるのが、この表現の強みだと言えます。
本音を切り出したいとき、会話の流れを改まって変えたいときに、この一言を持っておくと切り出しがぐっと自然になります。ペニーが神妙に切り出して場をふっとやわらげた、あの絶妙な間合いを思い出せば、使いどころの感覚も掴めるはずです。
改まった「実はね」を伝える一言として、表現の引き出しに加えてみてください。


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