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「知らせを聞いた瞬間、いてもたってもいられず、その場に駆けつけた」——そんな、勢いよく走り出す瞬間を一言で言い表したいときがありますよね。
そんなときにぴったりの「hightail it」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第7話の後半、仕返しを企むシェルドンが、婚約祝いを口実にハワードの家を訪ねるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「hightail it」の意味とニュアンス
hightail it
意味:大急ぎで行く/すっ飛んで行く/一目散に向かう
high(高く)と tail(尾)を組み合わせた表現で、驚いた動物が尻尾をピンと高く上げて全速力で駆け出す様子が背景にあるとされます。そこから「大急ぎで移動する」という意味のカジュアルな口語表現になりました。
使い方の特徴は、逃げる方向にも、駆けつける方向にも使える点です。He hightailed it out of the office.(彼はオフィスから急いで出ていった)のように「逃げ出す・立ち去る」場面でも、She hightailed it to the hospital.(彼女は病院へすっ飛んでいった)のように「急いで向かう」場面でも、どちらにも自然に収まります。
it をともなって hightail it という形で使うのが定番です。rush(急ぐ)よりもくだけた響きで、あわてた様子や勢いが強く出るため、カジュアルな会話やくだけた語りで活躍します。
【ここがポイント!】
- 「hightail it」の核は、驚いた動物が尾を高く上げて駆け出すイメージ
- 逃げるのにも駆けつけるのにも使える、方向を選ばない勢いのある表現
- rush よりくだけた口語なので、カジュアルな会話で使うと自然に響く
『ビッグバン★セオリー』S05E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ハロウィンの仕返しを企てるシェルドンは、ハワードの婚約祝いを口実にその家を訪ねます。手には握手に仕込んだ仕掛けを隠しながら、なぜわざわざ来たのかを大げさに説明し始めます。
Sheldon: It just occurred to me that I never formally congratulated you on your pending nuptials. So I hopped on the first bus and hightailed it down here to shake your hand.
(君の婚約を正式に祝福していなかったと、ふと気づいてね。だから最初のバスに飛び乗って、握手をしにここまですっ飛んできたのだ。)Howard: I’m gonna see you at work in 12 hours, don’t you think it could have waited until then?
(12時間後には職場で会うんだぞ。それまで待てなかったのか?)The Big Bang Theory Season5 Episode7(The Good Guy Fluctuation)
シーン解説と心理考察
仕返しの下心を隠すための、シェルドンの過剰な演技が表れています。「最初のバスに飛び乗ってすっ飛んできた」という芝居がかった言い回しは、握手に仕掛けを仕込んだ本当の目的を覆い隠すための前置きです。
hightail it という勢いのある表現が、わざとらしさをいっそう際立たせています。「急いで駆けつけた」という言葉の熱量と、握手を求めるだけというささやかな用件との落差が、コメディの仕掛けとして響きます。
それを受けるハワードの「12時間後に職場で会うのに」という冷静なツッコミが、シェルドンの大げさな登場を一気に現実へ引き戻しています。勢いと冷静さのコントラストが見どころと言える場面です。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
驚いた鹿やウサギが、尻尾(tail)をピンと高く(high)上げて、一目散に走り去る——その姿を思い浮かべてください。白い尻尾がぴょこんと立ち上がり、土煙を上げて駆けていくイメージが、hightail it の「全速力で移動する」という意味の核になります。
シェルドンが「バスに飛び乗って hightailed it してきた」と語る場面では、まるで尻尾を立てて駆けてきた動物のような大げさな勢いが漂います。逃げ出す動物の跳ねる尻尾と、芝居がかって登場するシェルドンの姿を重ねておけば、この表現の勢いごと記憶に残ります。
例文で覚える「hightail it」
逃げるにも駆けつけるにも使えるこのフレーズを、3つの場面で見ていきましょう。
When the rain started, we hightailed it back to the car.
(雨が降り出すと、僕らは車まで一目散に駆け戻った。)
急な雨から避難する場面です。hightail it back で「大急ぎで戻る」という、勢いのある動きを表しています。
He hightailed it out of the office as soon as the meeting ended.
(会議が終わるやいなや、彼はオフィスからさっさと出ていった。)
そそくさと立ち去る場面です。out of と組み合わせると「逃げるように出ていく」ニュアンスになります。
A: Did you hear Mom’s in the hospital?
B: Yeah, I hightailed it over there the second I found out.
(A:お母さんが入院したって聞いた?)
(B:うん、知った瞬間にすっ飛んでいったよ。)
家族の急報に駆けつける会話です。「居ても立ってもいられず向かった」という切迫感が、この一言ににじみます。
あわせて覚えたい関連表現
rush (to)
(急いで行く)
中立的で、フォーマルな場面でも使える表現です。hightail it はくだけた口語で、あわてた様子や勢いがより前面に出る点で違いがあります。
make a run for it
(一目散に逃げる/走って向かう)
逃走や脱出のニュアンスが強い表現です。hightail it は「逃げる」「駆けつける」の両方向に使えるぶん、守備範囲が広いといえます。
take off
(急いで立ち去る/出発する)
こちらも「さっと出発する」を表しますが、hightail it のほうが「全速力で・あわてて」という勢いがいっそう強調されます。
Note|動物の尻尾から駆け出した hightail it
シェルドンが大げさに「hightailed it」と語ったこの一言。実はこの表現、動物の生き生きとした動きから生まれたとされています。
由来としてよく語られるのが、鹿やウサギ、馬といった動物が、驚いたり危険を感じたりした瞬間に、尻尾(tail)を高く(high)持ち上げて全速力で走り出す様子です。白い尾を旗のように立てて駆けていく姿が、「一目散に逃げる・急いで移動する」という意味に重なったと言われています。この言い回しは、19世紀のアメリカ西部、カウボーイたちの口語として広まったとされ、開拓時代の野生動物が身近だった暮らしの空気が感じられる表現です。やがて動物に限らず、人が大急ぎで移動する場面全般に使われるようになりました。逃げる方向にも駆けつける方向にも使えるのは、もとが「全速力で走る」という動きそのものを指していたからだと考えられます。
シェルドンの「バスに飛び乗って hightailed it してきた」という台詞も、この絵を知っていると、尻尾を立てて駆けてくる動物のコミカルな姿が二重写しになって楽しめます。
一言の奥に、西部の野を駆ける尻尾が見え隠れしています。
まとめ|シェルドンの大げさな登場から学ぶ hightail it
hightail it は、驚いた動物が尾を高く上げて駆け出すイメージを核に、「大急ぎで行く・すっ飛んで行く」を表すカジュアルな口語表現です。
逃げるのにも駆けつけるのにも使える方向の自由さがあり、rush よりも勢いやあわてぶりを生き生きと伝えられます。くだけた会話で動きの躍動感を出したいとき、会話のレパートリーに加えてみてください。
握手に仕掛けを隠しながら、芝居がかって「すっ飛んできた」と語るシェルドン。その大げさな勢いの後ろに、尻尾を立てて野を駆ける動物の姿がちらりと覗く、ユーモラスな場面でした。


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