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買うか買わないか、行くか行かないか——選択肢を前にして、なかなか心が決まらずぐずぐずしてしまうこと、ありますよね。
そんな「決められない」気持ちにぴったりの「make up one’s mind」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン5第7話の中盤、出かけようとして玄関で立ち止まり、動けずにいるレナードのシーンから、一緒に見ていきましょう。
「make up one’s mind」の意味とニュアンス
make up one’s mind
意味:決心する/心を決める
直訳すると「自分の心(mind)を作り上げる(make up)」となります。あれこれ迷った末に、散らばっていた考えを一つの結論にまとめて確定させる——そんな「決断」の瞬間を表す表現です。
特徴的なのは、肯定形よりも否定形・命令形で使われることが非常に多い点です。I can’t make up my mind.(決められない)は迷いを打ち明ける定番フレーズですし、Make up your mind!(早く決めて!)は、ぐずぐずしている相手をせかすときの決まり文句です。
肯定形で使えば Once she makes up her mind, nothing can change it.(彼女は一度決めたら何があっても変えない)のように、強い意志を表すこともできます。decide とほぼ同じ意味ですが、make up one’s mind のほうが「迷った末に」という葛藤のニュアンスがにじむ、より口語的な言い回しです。
【ここがポイント!】
- 「make up one’s mind」の核は、散らかった考えを整えて一つの結論にまとめるイメージ
- 否定形 can’t make up my mind(決められない)で使われることがとても多い表現
- Make up your mind!(早く決めて!)と相手をせかす命令形も覚えておくと実用的
『ビッグバン★セオリー』S05E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
恋人プリヤがいながら、別の女性アリスに会いに行くべきか——レナードは出かけると言いながら玄関で動けずにいます。その様子を不思議がるシェルドンに、レナードは自分の迷いを正直に打ち明けます。
Leonard: Hey, well, see you. I’m going out.
(じゃあ、またね。出かけてくるよ。)Sheldon: I thought you were leaving the apartment.
(部屋を出ていくんじゃなかったのか。)Leonard: Yeah, me, too. I can’t make up my mind.
(ああ、僕もそう思ってたんだ。決心がつかなくて。)The Big Bang Theory Season5 Episode7(The Good Guy Fluctuation)
シーン解説と心理考察
「出かける」と宣言したのに足が動かないレナードの優柔不断さが、I can’t make up my mind というたった一言ににじむ場面です。彼が抱えているのは、恋人がいながら別の女性に惹かれているという道徳的な葛藤で、否定形の「決められない」がその揺れをそのまま映しています。
対するシェルドンは、レナードがなぜ動けないのか、その本質をまったく理解していません。後に見当違いの心配を口にする展開も含めて、二人の噛み合わなさが会話の温度を変えています。
深刻な葛藤を抱える側と、それを軽く受け流す側。この対比が、シリアスになりすぎないコメディの呼吸として響きます。make up one’s mind の「決めかねている」状態が、レナードのキャラクターをよく表していると言えます。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
頭の中で、考えがバラバラに散らかっているところを思い浮かべてください。make up にはベッドを整える(make up a bed)ように「散らかったものを整えて作り上げる」感覚があります。その make up を「心(mind)」に対して使えば、「散らかった心を整えて一つの結論にまとめる=決心する」となります。
玄関で立ち尽くすレナードは、まさに心が散らかったまま整理がつかない状態です。バラバラだった考えがピタリと整って一つにまとまる瞬間——それが make up one’s mind だと、レナードの止まった足と重ねて覚えておきましょう。
例文で覚える「make up one’s mind」
迷いにも決意にも使えるこのフレーズを、3つの場面で見ていきましょう。
I can’t make up my mind about which college to attend.
(どの大学に行くか決められない。)
進路に迷う場面です。否定形 can’t make up my mind は、迷いを打ち明けるときの最も自然なパターンです。
Once she makes up her mind, nothing can change it.
(彼女は一度決めたら、何があっても変えない。)
意志の強い人を描写する場面です。肯定形で使うと「きっぱり決断する」という芯の強さが伝わります。
A: So, the blue one or the red one?
B: Just give me a second — I can’t make up my mind!
(A:で、青いほう? それとも赤いほう?)
(B:ちょっと待って——決められないんだってば!)
買い物などで選びかねている会話です。せかされて少しいらだつ気持ちまで、この一言ににじみます。
あわせて覚えたい関連表現
decide
(決める)
最も中立的で、フォーマルな場面でも使える動詞です。make up one’s mind はより口語的で、「迷った末に決める」という葛藤のニュアンスが加わる点が違います。
be torn between
(〜の間で板挟みになる)
決断に至る前の「迷い・葛藤」そのものを表します。make up one’s mind は、その迷いに決着をつける行為を指すので、時間的に後の段階にあたります。
come to a decision
(決断に至る)
ややフォーマルで、結論に到達するまでのプロセスを強調します。make up one’s mind は日常会話で気軽に使える分、口語的な軽さがあります。
Note|否定・命令で活きる make up one’s mind
レナードの「I can’t make up my mind」という一言。この make up one’s mind は、実は肯定形よりも否定形や命令形で使われることのほうがずっと多い表現です。
日常会話を観察してみると、このフレーズが力を発揮するのはたいてい感情がこもった場面です。たとえば I can’t make up my mind.(決められない)は、選択肢を前にして立ち往生したときの定番の打ち明け方で、レナードの場面がまさにこれにあたります。一方 Make up your mind!(早く決めて!)は、いつまでもぐずぐずしている相手に向けたいらだちの一言です。レストランで延々とメニューを選ぶ友人や、なかなか結論を出さない同僚に対して、軽い催促として飛び出します。肯定形の「決断した」という事実を淡々と述べる用法よりも、「決められずに困っている」「早く決めてほしい」という揺れやいらだちを伝える場面でこそ、この表現は自然に響きます。つまり make up one’s mind は、単なる「決める」の言い換えではなく、決断をめぐる感情とセットで覚えると実用度が一気に上がる表現なのです。
レナードの否定形のつぶやきも、彼の迷いと罪悪感をそのまま乗せた、感情のこもった一言だったわけです。
決断の「揺れ」まで運べるのが、このフレーズの強みです。
まとめ|レナードの「決められない」から学ぶ make up one’s mind
make up one’s mind は、散らかった考えを整えて一つの結論にまとめるイメージを核に、「決心する」を表す口語表現です。
とりわけ can’t make up my mind(決められない)や Make up your mind!(早く決めて!)といった否定形・命令形で、迷いやいらだちといった感情とともに使われます。decide よりも気持ちの揺れを乗せやすいぶん、日常会話での実感がこもった表現になります。
恋人がいながら別の女性に心を動かされ、玄関で立ち尽くすレナード。その「決められない」の一言は、誰しも覚えのある迷いの感覚を、表現の引き出しに加えてみてください。


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