海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
八百屋やスーパーの店先で、みずみずしく山積みになった旬の果物を見て、「今が買いどきだな」と心が動く——そんな何気ない瞬間が、暮らしの中にありますね。
その「旬である」を言い表す「in season」を、『ビッグバン★セオリー』シーズン8第24話、退去を切り出されかけた矢先に、居候のスチュアートがハワードの好物を差し入れて決意を溶かすシーンから、一緒に見ていきましょう。
「in season」の意味とニュアンス
in season
意味:(食材などが)旬である、出回る最盛期である
season は「季節」、in season は「その季節のただ中にある」が直訳です。野菜・果物・魚介などが、最も多く収穫・流通する時期にあること、つまり「旬である」を表します。
反対は out of season(時季外れ)で、対で覚えると理解が深まります。Strawberries are in season(いちごが旬だ)のように、旬の食材は味がよく、量も豊富で値段も手頃——そんな「最盛期のど真ん中」の感覚がこの表現には乗っています。さらに in season は食材にとどまらず、スポーツの「シーズン中」、狩猟や釣りの「解禁期間」にも使われます。season を「特定の活動や流通が最も盛んな期間」と捉える発想が、食卓からスタジアムまで一語をまたいでいるわけです。買い物や料理の話題で、とても実用度の高い言い回しです。
【ここがポイント!】
- 「その季節のただ中にある(in season)」=旬である、が意味の核
- 反対語 out of season(時季外れ)と対で覚えると定着しやすい
- 食材だけでなくスポーツの「シーズン中」にも使える応用範囲の広さ
『ビッグバン★セオリー』S08E24のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
居候のスチュアートに、ついに「出ていってほしい」と切り出そうとするハワードとバーナデット。ところが当のスチュアートは、使い切ったヨーグルトを買い足し、ハワードの好物まで差し入れる気遣いを見せます。「君の好物が旬だよ」と笑顔で渡される差し入れに、ハワードの決意が早くも揺らぐところに見どころがあります。
Stuart: And, Howard, your favourite fruit is in season. Crunch Berries.
(それとハワード、君の大好物が旬だよ。クランチベリーズ。)Bernadette: Don’t let that sway you.
(それに絆されちゃダメよ。)Howard: It’s hard not to. They taste so much better than real berries.
(絆されずにいるのは難しいよ。本物のベリーよりずっと美味いんだから。)The Big Bang Theory Season8 Episode24(The Commitment Determination)
シーン解説と心理考察
退去を告げるシリアスな場面のはずが、スチュアートの無邪気な気遣いで一気にゆるみます。「君の好物が旬だ」と差し出されるのは、実はシリアル(クランチベリーズ)で、本来「旬」のある食材ではありません。その的外れな優しさが、かえって場の緊張をほどいてしまいます。
バーナデットが「絆されないで」と釘を刺すそばから、ハワードは「無理だ、美味すぎる」とあっさり陥落寸前です。in season という何気ない一言が、退去通告のはずだった会話を笑いへと転がし、優しいスチュアートをどうしても追い出せない二人の葛藤を、やわらかく描き出しています。
『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ
八百屋や市場の店先を思い浮かべてみてください。ある果物が、一年で最も美味しく、最も多く出回る「ベストシーズン」のただ中(in)にいる——それが in season です。旬の食材はみずみずしく山積みで、値段も手頃。
劇中でスチュアートが「君の好物(クランチベリーズ)が旬だよ」と差し入れ、ハワードの決意をあっさり溶かした場面と結びつけると、「旬=最盛期のど真ん中」というイメージが、ほっこりした空気ごと記憶に残ります。クランチベリーズはシリアルなので「旬」というのは冗談ですが、その可笑しさも含めて覚えやすい場面です。
例文で覚える「in season」
in season は、旬の食材を語る場面でとりわけ活躍します。反対語との対比も交えながら、3つの例で見てみましょう。
Strawberries are in season now, so they’re cheap and sweet.
(今いちごが旬だから、安くて甘いよ。)
最も基本的な「旬」の使い方です。買い物や食卓で、旬の食材を勧めるときにぴったりです。
We try to cook with vegetables that are in season.
(うちは旬の野菜を使って料理するようにしているの。)
that are in season で名詞を後ろから修飾する形です。食の方針を語る場面で自然に使えます。
A: These mangoes taste a bit bland.
B: That’s because they’re out of season here—they’re all imported.
(A:このマンゴー、ちょっと味が薄いね。)
(B:こっちでは時季外れだからだよ。全部輸入物なんだ。)
反対語 out of season を対比で使った会話です。in season とセットで覚えると、両方が定着しやすくなります。
あわせて覚えたい関連表現
out of season
(時季外れの、旬を過ぎた)
in season のちょうど反対で、「最盛期を外れている」を表します。対で覚えると、季節の表現がぐっと使いやすくなります。
at its peak
(最盛期で、ピークで)
「最高の状態にある」という一般的な表現です。食材以外(人気・キャリアなど)にも広く使えます。in season は季節や流通に特化しています。
fresh
(新鮮な)
「採れたて・新鮮」を指す言葉です。in season は「旬の時期」を表し、新鮮さに加えて季節性や流通量の含みがある点が違います。
Note|「旬」と in season は完全に同じか ―― 重なりとズレ
in season を日本語に訳すとき、まっさきに浮かぶのが「旬」です。たしかによく重なるのですが、二つの言葉は完全に同じではありません。
日本語の「旬」には、その食材が一年で最も美味しくなる「味の最盛期」という、いわば美意識が深く織り込まれています。初鰹や走りの筍を珍重する文化が示すように、「旬」は味わいの絶頂を尊ぶ言葉です。一方、英語の in season は、どちらかといえば「その食材が最も多く出回る時期・流通量が豊富な期間」に重心があります。市場に大量に並び、手に入りやすく、値段も下がる——その実際的な側面が前面に出やすいのです。もちろん「旬のものは美味しい」という感覚は英語圏にもありますが、in season という語そのものが指すのは、まず「収穫・流通のピーク」のほうです。さらに in season はスポーツの「シーズン中」や狩猟の「解禁期間」にも広がり、「特定の活動が盛んな時期」という抽象的な意味まで担います。「旬」が味を中心に据えるのに対し、in season は流通と時期を中心に据える——重なりながらも、力点の置きどころがほんの少しずれているわけです。
スチュアートが「君の好物が旬だ」とシリアルを差し出したとき、そのズレた使い方の可笑しさも、in season が本来「出回る食材」に向けられる言葉だからこそ際立っていました。
訳語の重なりとズレを知ると、二つの言語の感じ方の違いが見えてきます。
まとめ|スチュアートの差し入れから学ぶ「旬」
in season は、「その季節のただ中にある」イメージから生まれた、「(食材などが)旬である・出回る最盛期である」を表す表現です。
反対語の out of season(時季外れ)と対で押さえると、季節の話題がぐっと豊かになります。さらに食材だけでなく、スポーツの「シーズン中」や狩猟の「解禁期間」にも使える応用範囲の広さも、この言葉の魅力です。
買い物や料理の話で旬の食材を勧めたいとき、この一言を添えてみてください。
退去を告げられる寸前に「君の好物が旬だよ」と差し入れたスチュアートの後ろには、嫌われていることに気づかないまま人に優しくしてしまう、憎めない不器用さがのぞいていた場面でした。


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