海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン3 第10話から、この話で初めて登場する捜査官クレイマーをめぐる人物評を取り上げます。同じ一人の人物を、ニールとピーターがそれぞれ別の言葉で言い表し、そのずれがそのまま二人の言い合いになっていきます。
知っている人物を足し引きして説明する言い回しから、相手の言葉の裏に別の誰かを見る一言まで、順に見ていきます。
「Take Peter, add ~」――知っている人物をもとに人物像を伝える
クレイマーはワシントンの美術犯罪班を率いる捜査官で、ピーターは彼をクワンティコ時代の自分の師だと紹介していました。そのクレイマーが来ていることをニールから聞いたモジーは、どんな人物なのかと尋ねます。
Neal: Take Peter, add years of experience and less inclination to cut us slack.
(ピーターを思い浮かべて、何年分もの経験を足し、僕らを大目に見る気は減らした人さ。)
Mozzie: My blood just ran cold.
(血の気が引いた。)White Collar Season3 Episode10 (Countdown)
Take A, add B は、料理の手順のように命令形を重ね、相手がよく知る人物に要素を足して新しい人物像を組み立てる言い方です。add の目的語には years of experience と less inclination to ~ の二つが並んでいます。cut someone slack は「大目に見る」で、それをしたがる気持ち(inclination)が「少ない」と言うことで、厳しさを伝えています。モジーの My blood ran cold. は「ぞっとした」という決まった言い回しです。
ピーターとニールの間でも、クレイマーは話題になります。
Neal: Tell me why Kramer’s really here.
(クレイマーが本当は何のためにここにいるのか教えてよ。)
Peter: He’s a friend and he’s a mentor.
(友人で、師だ。)
Neal: He’s a watchdog.
(お目付け役だね。)
Peter: Is that what you think a mentor is?
(師ってのはそういうものだと思ってるのか?)White Collar Season3 Episode10 (Countdown)
watchdog は番犬から転じて「監視役」を指す語です。同じ人物をピーターは friend と mentor、ニールは watchdog と、名詞一つで言い換えて見立ての違いを示しています。
「That’s Kramer talking.」――相手の言葉の裏に別の人物を見る
言葉の由来をめぐるやり取りを挟み、争うつもりなのかとニールが尋ねると、ピーターは後ろ盾の話を持ち出します。
Peter: Oh, not yet. But if I have to, Kramer’s got my back.
(いや、まだだ。だが必要になれば、クレイマーが後ろについてくれる。)
Neal: Must be nice having someone who believes in you.
(信じてくれる人がいるのはいいね。)
Peter: I never gave him a reason not to.
(信じない理由を与えたことがないからな。)White Collar Season3 Episode10 (Countdown)
have someone’s back は「味方として支える」です。Must be nice ~ing は It must be nice の It を落とした形で、皮肉として使われることも少なくありません。ピーターの not to は、後ろの believe in me を省いた形です。
腕時計の通信が途切れた件をニールが持ち出し、すべては話さないのかと尋ねると、ピーターはこう答えます。
Peter: I’m following my leads. If you don’t like where they go, too bad.
(俺は自分の手がかりを追ってる。行き先が気に入らないなら、お気の毒さま。)
Neal: That’s Kramer talking. He’s the devil on your shoulder.
(それはクレイマーの言葉だ。君の肩に乗った悪魔だよ。)
Peter: No. He’s reminding me why I’m here.
(違う。俺がここにいる理由を思い出させてくれてるんだ。)White Collar Season3 Episode10 (Countdown)
That’s X talking は、発言の出どころが本人ではなく X だと指摘する型で、X に人物のほか「酒」などを入れても使われます。devil on one’s shoulder は、耳元で悪いことをささやく存在のたとえです。
まとめ|人物評を英語で交わす
Take A, add B、cut someone slack、watchdog、have someone’s back、Must be nice、That’s X talking を見てきました。一人の人物をめぐって、言葉の選び方そのものが立場の違いを映していることが読み取れます。
『ホワイトカラー』を観ながら、人を評する一言にも耳を澄ませてみましょう。
この回の英語は、エピソードまとめでも紹介しています。


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