「I didn’t say commit a federal crime.」に見る、「言われたとおりにした」という言い訳に線を引く返し|『ホワイトカラー』S02E15で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「I didn't say commit a federal crime.」に見る、「言われたとおりにした」という言い訳に線を引く返し|『ホワイトカラー』S02E15で学ぶ英会話

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今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第15話から、ピーターの名を名乗って内部告発者を引き留めたニールと、それを知ったピーターの口論を取り上げます。「言われたとおりにしただけ」という言い訳と、「そこまでは言っていない」という線引きがぶつかる場面です。

指示の出し方、それを盾にする返し、範囲を区切る否定、折れた後の締めの一言の順に、二人の言葉を追いかけます。

目次

「Do whatever you need to do」の指示を盾にする「You told me to ~」

エリザベスが仕事で関わる資産家スタンズラーが停電に関わっていると、アシスタントのブルックは疑っています。美術館でピーターの到着を待つ間にスタンズラーもこちらへ向かっていると分かり、先に着いていたニールは電話でピーターに状況を伝えます。ピーターの返事がこれです。

Peter: All right. Do whatever you need to do to keep her calm. But don’t let her go.
(わかった。落ち着かせるためなら何でもしろ。だが帰すなよ。)

White Collar Season2 Episode15 (Power Play)

whatever you need to do は「必要なことは何でも」という意味で、whatever が do の目的語になる名詞のかたまりを作っています。keep her calm は keep + 人 + 形容詞で「〜を…の状態に保つ」、let her go は「行かせる、帰す」です。手段を任せる、裁量の大きな指示と言えます。

この後ニールはブルックの前でピーター・バーク捜査官を名乗り、協力の約束を取り付けます。場面が変わり、ピーターがその件を突きつけます。

Peter: You impersonated an agent.
(捜査官になりすましたな。)
Neal: You told me to do whatever I needed to do.
(必要なことは何でもしろって言ったのはそっちだよ。)

White Collar Season2 Episode15 (Power Play)

impersonate は「(他人に)なりすます」。ニールの tell 人 to do は「〜するように言う」で、電話の you need を、自分を主語にした I needed に置き換えています。過去の発言を伝える文なので need も過去形にずれています。相手の言葉をほぼそのまま引き写し、責任の所在を押し返す返しです。

「I didn’t say ~」で、指示の範囲に線を引く

ピーターはすぐに、自分の指示がどこまでを含んでいたかを区切り直します。

Peter: I didn’t say commit a federal crime.
(連邦犯罪を犯せとは言ってない。)
Neal: I convinced her to come in.
(彼女を来させることはできたよ。)

White Collar Season2 Episode15 (Power Play)

I didn’t say commit ~ は、say の後ろに、言ったとされる命令を原形のまま置く口語の形です。引用符を付けずに相手の解釈をなぞり、「〜しろ、とまでは言っていない」と否定しています。I didn’t say ~ は、自分の発言の範囲を相手に確認させるときの定番の切り出しです。

ニールの convince 人 to do は「説得して〜させる」。come in は、ここでは捜査機関に出向いて話をすることを指します。言い訳が通らないと見ると、今度は結果を持ち出して反論しています。

ピーターが本物のピーター・バークに会わせて正そうと言うと、ニールは本当のことを話せば彼女は逃げてしまうと反論します。ピーターの答えは短いものでした。

Peter: You do not get to be me anymore.
(もう俺になるのはなしだ。)

White Collar Season2 Episode15 (Power Play)

get to do は「〜させてもらえる、〜する機会がある」で、否定にすると「もう〜する権利はない」と許可を取り消す強い響きになります。don’t と縮めずに do not と言い切ることで、語気がさらに強まっています。

電話の後に方針を変えての、短い命令の畳みかけ

それでもニールは食い下がります。

Neal: Peter, she’s skittish. If I try to explain to her that I impersonated you, she’ll never trust you, me, Elizabeth, or the FBI.
(ピーター、彼女はびくびくしてるんだ。僕が君になりすましたなんて説明しようとしたら、君も僕も、エリザベスもFBIも、二度と信用しなくなるよ。)

White Collar Season2 Episode15 (Power Play)

skittish は「物おじしやすい、びくびくした」。If I try to explain ~, she’ll never trust ~ という条件文で、正直に話した場合の結果を具体的に並べています。

続くエリザベスとの電話で、ピーターは正直に話すつもりだと伝えます。ところが電話を終えると方針を変え、この1時間だけニールを特別捜査官ピーター・バークと呼ぶよう捜査班全員に指示します。班から笑いが漏れると、ピーターはこう続けます。

Peter: No questions. No laughing. Just do it. And never speak of this again.
(質問はなし。笑うのもなしだ。とにかくそうしろ。そして二度とこの話はするな。)

White Collar Season2 Episode15 (Power Play)

No + 名詞・動名詞 は、No smoking と同じ「〜禁止」の形です。Just do it. は「つべこべ言わずにやれ」、never speak of this again は「この件は二度と口にするな」。短い文を重ねて、反応を差し挟む余地を与えずに場を締めています。

まとめ|指示を盾にする返しと、範囲を区切る否定

You told me to ~ で相手の指示を盾にし、I didn’t say ~ でその範囲を区切り直す。責任の押し付け合いは、相手の言葉をなぞって返す形で進むことが分かります。折れた後の No questions. の畳みかけまで含めて一続きの応酬です。

次回も『ホワイトカラー』の口論から、言葉の組み立てを見ていきましょう。

この回の英語表現は、ほかのコラムやフレーズ記事でも取り上げています。

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