「I’ve been in one.」に見る、経験を問う質問に立場をずらして答える言い方|『ホワイトカラー』S02E07で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「I've been in one.」に見る、経験を問う質問に立場をずらして答える言い方|『ホワイトカラー』S02E07で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン2 第7話から、「囚人のジレンマ」という言葉が出てくる、場所も相手も異なる二つの会話を取り上げます。計画を尋ねるエリザベスとそれをはぐらかすモジー、そして電話越しに作戦を伝えるピーターとそれに答えるニールのやり取りです。

経験を尋ねる現在完了の疑問文と、動詞を替えて立場をずらす答え方を中心に、順番に見ていきます。

目次

「The less I tell you, the better」と「Have you ever heard of」

エリザベスのもとを訪ねてきたモジーは、ピーターたちが巻き込まれた事件のいきさつを説明します。話を聞いたエリザベスが計画について尋ねると、モジーはこう答えます。

Elizabeth: What exactly is the plan?
(計画って、いったい何なの?)
Mozzie: The less I tell you, the better, just in case Deckard tries to interrogate you. Have you ever heard of a prisoner’s dilemma?
(君に話すことは少ないほどいい。デッカードが君を尋問しようとした場合に備えてね。囚人のジレンマというのを聞いたことはあるかね?)
Elizabeth: Yeah, it’s the idea of separating two suspects and getting them to turn on each other, right?
(ええ、容疑者二人を引き離して、互いに裏切らせるっていう考え方でしょう?)

White Collar Season2 Episode7 (Prisoner’s Dilemma)

What exactly is ~? は、疑問詞のあとに exactly を置いて「いったい〜なのか」と問いを強める形です。これに対するモジーの The less I tell you, the better は、the + 比較級, the + 比較級 の構文で「話すことが少ないほど、いい」という意味になります。知らないほうが身のためだ、という理由も just in case 以下でそのまま添えています。

続く Have you ever heard of ~? は、現在完了で「〜を聞いたことがあるか」と経験を尋ねる定番の疑問文です。エリザベスは説明で答えたうえで、文末に right? を添えて「〜でしょう?」と確かめています。このあとモジーは、その通りだが今回はもう少し難しい、と応じます。ニールも関わっているのかと聞かれると、関わってはいるが、ピーターはまだ彼に伝えていない、とも答えています。

「run」と「be in」で立場をずらす「I’ve been in one」

場面は変わり、ニールにピーターから電話がかかってきます。そばにはデッカードがいて、ニールは電話の相手をバンクロフトだと伝えています。デッカードが途中で電話を代わる一幕をはさみ、電話口に戻ったニールに、ピーターが切り出します。

Neal: I’m back.
(戻りました。)
Peter: Okay. Have you ever run a prisoner’s dilemma?
(よし。囚人のジレンマを仕掛けたことはあるか?)
Neal: I’ve been in one.
(その中にいたことならあります。)
Peter: Well, now’s your chance to run it on a U.S. marshal.
(なら、今度は連邦保安官相手に仕掛ける番だ。)

White Collar Season2 Episode7 (Prisoner’s Dilemma)

ピーターの問いは、モジーの Have you ever heard of ~? と同じ現在完了の疑問文ですが、動詞が run になっています。run はここで「(作戦や計画を)実行する、仕掛ける」という意味で、仕掛ける側に立った経験を尋ねています。

それに対するニールの I’ve been in one. の one は、a prisoner’s dilemma を繰り返さずに受ける代名詞です。be in ~ は「〜の中にいる」で、仕掛けた経験ではなく、仕掛けられる側として当事者になった経験を答えています。問いと同じ現在完了で受けながら、動詞を一つ替えるだけで立場を逆にしているのが、この返しの妙と言えます。

刑務所にいた過去を持つニールの言葉だけに、短い一文で自分の経歴にも触れる答えになっています。ピーターは now’s your chance to ~(今こそ〜する番だ)と受け、今度は仕掛ける側に回るよう告げます。モジーが言っていた「ピーターはまだ伝えていない」状態が、この電話で動き出したと読めます。

まとめ|現在完了の問いと、動詞一つで変わる立場

The less I tell you, the better の比較構文、Have you ever heard of と Have you ever run の問い、I’ve been in one の切り返しを見てきました。同じ問いの形でも、答えの動詞一つで立場が入れ替わります。

次回も『ホワイトカラー』と一緒に、会話の中の英語を読み解いていきましょう。

この回の英語表現は、エピソードまとめやフレーズ記事でも取り上げています。

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