海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回は『ホワイトカラー』シーズン1 第13話から、ピーター夫妻の家を訪ねてきたモジーと、エリザベスが互いの仕事を話題にする場面を取り上げます。そこへ帰宅したピーターの一言が、この会話に落ちをつけます。
仕事を尋ねる for a living、問いを返す Neither have you.、あえて聞かないと線を引く I know enough not to ask. まで、素性をめぐる英語がそろっています。
「Neither have you.」仕事を聞かれて問いを返す
モジーの来訪を受けて、エリザベスは電話でピーターに帰宅を頼みます。続いてエリザベスはモジーに、モジー自身の仕事を一度も話してくれていないと切り出します。仕事を尋ねる定番の言い方は What do you do for a living?(お仕事は何をされているんですか?)で、for a living は「生計を立てるために」を表します。
Mozzie: I know that. Neither have you. Mrs. Suit.
(知っている。君も話していないだろう。ミセス・スーツ。)White Collar Season1 Episode13 (Front Man)
Neither have you. は、「話していない」という否定の内容を受けて、「君もそうだ」と相手に向け直す返しです。neither を文頭に置くと、そのあとが have you のように助動詞と主語の倒置になります。Neither have I.(私もしていない)と同じ語順ですが、ここでは主語を相手にして、問いをそのまま投げ返すはぐらかしとして働いています。
エリザベスは、自分はイベントプランナーで会社を経営していると答えます。ところが、モジーの受け止め方は少しずれています。
Mozzie: Burke Premiere Events? I thought that company was a front for Peter.
(バーク・プレミア・イベンツ? あの会社はピーターの隠れみのだと思っていた。)
Elizabeth: Okay, not everything has a secret meaning.
(あのね、何にでも裏の意味があるわけじゃないのよ。)White Collar Season1 Episode13 (Front Man)
a front for 〜 は「〜の隠れみの、表向きの顔」です。FBI捜査官の妻の会社を疑ってかかるあたりに、モジーらしい疑い深さが伝わってきます。
エリザベスの not everything 〜 は部分否定で、「すべてが〜というわけではない」を表します。Everything doesn’t 〜 は全否定とも部分否定とも読めて紛らわしいため、否定語を先に出す Not everything 〜 の形がよく使われます。
「I know enough not to ask.」で知らないとも知っているとも言わない
そこへピーターが帰宅します。エリザベスはさっそく、モジーのことを夫に尋ねます。
Elizabeth: You know, Mozzie still won’t tell me what he does for a living. Do you know?
(ねえ、モジーったら、まだ仕事を教えてくれないのよ。あなたは知ってる?)
Peter: I know enough not to ask.
(聞かないほうがいいと分かる程度には、知ってるよ。)White Collar Season1 Episode13 (Front Man)
still won’t 〜 の won’t は、ここでは未来ではなく「〜しようとしない」という拒絶の意志を表し、still が「いまだに」を添えています。what he does for a living は疑問文を文の中に組み込んだ間接疑問で、what + 主語 + 動詞 の語順になっている点が学習のポイントです。
ピーターの know enough not to 〜 は、enough to 〜(〜するのに十分)に否定の not を入れた形で、「〜しないほうがいいと分かる程度には知っている」を意味します。答えを知っているとも知らないとも言わず、踏み込まない理由だけを示すことで、話をきれいに収めているのが見どころです。
このあとピーターに来訪の理由を聞かれたモジーは、自分の偽名あてに届いた連絡を示し、先ほどのエリザベスの言葉にこう返します。
Mozzie: See, some things do have secret meanings.
(ほら、裏の意味があるものもあるのだ。)White Collar Season1 Episode13 (Front Man)
do have の do は強調で、「本当にある」と念を押しています。not everything に対して some things を立てることで、相手の言葉を半分だけ認めつつ言い返す形になっているのが面白いところです。
まとめ|尋ねる・はぐらかす・あえて聞かない
仕事を尋ねる for a living、問いを返す Neither have you.、部分否定の not everything、線を引く I know enough not to ask.、強調の do を見てきました。素性をめぐる会話の距離の取り方が見えてきます。
次回も『ホワイトカラー』と一緒に、英語を学んでいきましょう。
同じ回のコラムやフレーズ記事とあわせて読むと、この回の会話の幅がより立体的に見えてきます。


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