「You could stare at prison bars all day.」に見る、不満に「もっと悪い選択肢」を突きつける切り返し|『ホワイトカラー』S01E06で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「You could stare at prison bars all day.」に見る、不満に「もっと悪い選択肢」を突きつける切り返し|『ホワイトカラー』S01E06で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回は『ホワイトカラー』シーズン1 第6話の冒頭から、退屈な事件を嫌がるニールの不満に、ピーターが相手の文の形をそのまま借りて切り返すやり取りを取り上げます。嫌な予感を先回りして口にする言い回しと、それを一言で封じる返しが、短い往復の中にまとまっています。

不満の述べ方から、切り札を持ち出された側の反応まで、会話の流れに沿って順番に見ていきます。

目次

「Please tell me ~」で、嫌な予感を先回りして口にする

本話は、ニールの一言から始まります。次に任される事件がまた退屈な種類のものではないかと、ニールはピーターに向かって先回りの不満を口にします。

Neal: Please tell me this isn’t gonna be another mortgage-fraud case.
(また住宅ローン詐欺の事件だなんて言わないでくれよ。)

White Collar Season1 Episode6 (All In)

Please tell me (that) ~ は、直訳すると「〜だと言ってくれ」ですが、実際には「まさか〜じゃないよね」と、外れてほしい予感を相手に打ち消してもらうための定型です。後ろに否定文を置くと「〜ではないと言ってほしい」という願いになり、肯定文を置くと「〜だと言ってほしい」という期待になります。gonna は going to のくだけた発音をそのまま綴った形で、会話ではごく一般的です。

another もこの文の要になっています。「もう一つの」という意味の another を付けることで、同じ種類の事件がこれまでにも続いていたという含みが加わり、うんざりした気持ちが一語で伝わります。

ピーターが住宅ローン詐欺の事件の何がいけないのかと聞き返すと、ニールは理由を短く並べます。

Neal: They’re boring. You stare at paperwork all day.
(退屈なんだよ。一日中書類とにらめっこだからね。)

White Collar Season1 Episode6 (All In)

stare at ~ all day は「一日中〜をじっと見つめる」で、単調な作業への不満を表すときによく使われます。ここでの You は目の前の相手個人ではなく、「その仕事をする人は誰でも」という一般の人を指す用法です。英語では、自分の体験を語るときでもこの一般の you を使って、状況を少し客観的に描くことがよくあります。短い二文で理由を言い切るリズムも、不満を軽く聞かせる工夫と言えます。

相手の文を借りて返す「You could ~」と、切り札をめぐる応酬

ニールの不満に対し、ピーターはニールが使ったばかりの文の骨組みをそのまま借りて返します。

Peter: You could stare at prison bars all day.
(一日中、刑務所の鉄格子を眺めることもできるんだぞ。)
Neal: Oh, you still playing that card?
(あれ、まだその手を使うの?)
Peter: Makes me smile.
(笑顔になれるからな。)

White Collar Season1 Episode6 (All In)

ピーターの返しは、ニールの stare at paperwork all day の paperwork を prison bars(刑務所の鉄格子)に差し替えただけの形です。could は「その気になれば〜ということもあり得る」という可能性を示す助動詞で、ここでは「書類仕事が嫌なら、別の選択肢もあるぞ」と、服役経験のあるニールにとって明らかに悪い選択肢を示しています。相手の言葉の形を借りて中身だけ入れ替えると、説教を並べるよりも短く、しかも言い返しにくい返しになります。

ニールの Oh, you still playing that card? は、Are you still playing that card? の are が落ちた、会話でよく見られる形です。play a card は「カードを切る」ことで、そこから「切り札を持ち出す」意味でも使われます。ここでの that card は、ニールの服役経験という、ピーターにとって手元にある切り札を指しています。still(まだ)が付くことで、前にも持ち出された話だという「またそれか」の呆れが加わります。

最後の Makes me smile. も、主語の It が省かれた形です。呆れられても悪びれず、「言うと気分がいい」と返すところに、二人の気安い関係が表れています。

まとめ|文の形を借りた切り返しと、切り札をめぐる応酬

予感を先に打ち消してもらう Please tell me ~、相手の文の骨組みを借りる You could ~、同じ切り札への呆れを示す still playing that card を見てきました。形を借りるだけで返しが引き締まることが分かります。

次回も『ホワイトカラー』の軽口とともに、会話の組み立てを見ていきましょう。

本話の英語表現は、ほかのコラムやフレーズ記事でも扱っています。

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