「And trust isn’t yours.」に見る、相手が使った言葉をそのまま本人に返す切り返し方|『ホワイトカラー』S01E03で学ぶ英会話

『White Collar』コラム: 「And trust isn't yours.」に見る、相手が使った言葉をそのまま本人に返す切り返し方|『ホワイトカラー』S01E03で学ぶ英会話

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

今回扱うのは、『ホワイトカラー』シーズン1第3話に登場する、相手が使った言葉をそのまま本人に返す切り返し方です。出勤前の自宅で、エリザベスがピーターに、ニールを信じきれない様子を指摘し、ピーターが自分の疑い深さを素直に認めながらも、最後はエリザベスが思い切って信じることを勧めます。

夫婦の朝の会話が、信頼をめぐってどう進むのか見ていきます。

目次

相手が使った言葉を、そのまま本人に返す切り返し

出勤前の自宅で、エリザベスはピーターの古びたネクタイを引き合いに出します。

Elizabeth: Well, you have a lot more faith in a ratty, old tie than you do Neal.
(あら、そのボロボロの古いネクタイの方が、ニールよりよっぽど信頼されてるのね。)

White Collar Season1 Episode3 (Book of Hours)

have a lot more faith in A than Bは「BよりAの方をずっと信頼している」と、二つの対象を比べて信頼の差を指摘する表現です。ここではネクタイという意外な対象を持ち出すことで、ニールへの信頼の薄さを遠回しに、しかしはっきりと突いています。

ピーターはタイを持ち出されたことに、そのタイは地図を偽造したことなどないと茶化して言い返しますが、エリザベスはさらに、なぜ信じきれないのかを率直に尋ねます。

Elizabeth: Why is it so hard for you to believe that he’ll do the right thing?
(どうしてそんなに、彼が正しいことをすると信じるのが難しいの?)

White Collar Season1 Episode3 (Book of Hours)

Why is it so hard for you to ~?は「どうしてあなたにとって〜するのがそんなに難しいの?」と、相手の心理的なハードルの高さに直接踏み込む尋ね方です。単に理由を聞くだけでなく、「難しさ」そのものを指摘の対象にしているのが特徴です。

ピーターは、詳しくは語らずニールの性分を理由に挙げて答えます。

Peter: Let’s just say that’s not his first instinct.
(あいつの最初の反応がそれじゃない、とだけ言っておくよ。)

White Collar Season1 Episode3 (Book of Hours)

Let’s just say ~は「〜だとだけ言っておくよ」と、詳しい説明を避けて要点だけをやんわり伝える前置きです。his first instinctは「彼(ニール)の最初の反応」を指し、正しいことをする方にすぐには動かない性分だと婉曲に述べています。

ピーターが使ったこのhis first instinctという言葉を、エリザベスはそのままピーター自身に投げ返します。

Elizabeth: And trust isn’t yours.
(それに、信じることだって、あなたの最初の反応じゃないでしょ。)

White Collar Season1 Episode3 (Book of Hours)

trust isn’t yoursのyoursは、直前でピーターが使ったhis first instinctを受けた省略で、your first instinctの意味です。相手が持ち出した言葉をそっくりそのまま本人に向け直す切り返しになっています。短い一文に、これまでの指摘をまとめて突きつける鋭さがあります。

切り返された後、疑い深さを認めて信じることを勧める言い方

畳みかけられたピーターは、自分の性分を素直に認めます。

Peter: Occupational hazard. I like to know I can count on something.
(職業病だな。何か頼れるものがあると分かっていたいんだ。)

White Collar Season1 Episode3 (Book of Hours)

Occupational hazard.は「職業病だ」と、自分の性質や行動を仕事のせいだと短く認めて言い添える定型句です。occupationalは「職業上の」、hazardは「危険・弊害」を意味し、直訳すると「職業上の弊害」となりますが、日常会話では性分を茶目っ気まじりに正当化する時にも使われます。

続くI like to know I can count on something.のcount on ~は「〜を頼りにする」という表現で、証拠や裏付けがないと落ち着かないピーターの性分がそのまま言葉になっています。Occupational hazard.は、最も短く、深刻さを出さずに自分の性分を認める言い方です。

その言い分を受け止めたうえで、エリザベスは思い切ってみることを勧めます。

Elizabeth: I know you do. But sometimes you just have to take a leap of faith.
(分かってるわ。でも時には、思い切って信じて飛び込むしかないこともあるのよ。)

White Collar Season1 Episode3 (Book of Hours)

I know you do.とまず相手の言い分をそのまま認めたうえで、But sometimes you just have to ~と話を切り替えているのがポイントです。take a leap of faithは「確証がないまま思い切って信じて行動する」という表現です。

証拠を積み上げてから動くピーターの流儀とは対照的な発想を、押し付けがましくない一言で差し出しています。相手の言い分を認めてから、それでも一歩を勧める組み立ては、意見の違う相手を説得する場面で応用が利く型です。

まとめ|相手の言葉をそのまま返す切り返し方

相手が使った言葉をそのまま本人に投げ返す切り返し、自分の性分を仕事柄のせいと認める表現、そして相手の言い分を認めたうえで信じることを勧める姿勢まで見てきました。夫婦それぞれの立ち位置が、短い会話の中に表れている場面です。

次回も『ホワイトカラー』の会話とともに、英語表現の型を見ていきましょう。

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