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今回は『ホワイトカラー』シーズン4第15話から、オリジナル作品をめぐってニールに向けられた短い問いかけを取り上げます。その場では I don’t know. としか答えなかったニールが、同じ回の終盤に、自分からその問いを持ち出して答え直します。
間の空いた二つの場面をつなぐ言い方と、その前段にある「自分らしさ」をめぐる語彙を、場面の順に一つずつ見ていきます。
「own vision」と「Why not?」で、作品と「自分らしさ」を問う
本話の事件では、ある彫刻家の弟子ベルミエールが話題の中心にいます。ピーターとニールが調べた結果を持ち寄る場面で、ニールは制作途中の彫刻を二つ見たと話します。
Peter: Oh. He really is taking his time to find his own vision.
(へえ。本当に時間をかけて、自分のビジョンを探してるんだな。)
Neal: Is that what he told you?
(それ、本人がそう言ったの?)
Peter: Oh, “some ideas come fully formed. Others take years.”
(ああ。「完成した形で浮かぶアイデアもあれば、何年もかかるものもある」だとさ。)White Collar Season4 Episode15 (The Original)
own vision は「その人ならではの見方・作風」で、作り手の独自性を語るときによく使われます。ニールの Is that what he told you? は、関係代名詞 what を使って「それが彼の言ったことなの?」と、伝え聞いた内容かどうかを確かめる問いです。ピーターは本人の言葉をそのまま引いて答えています。take one’s time は「時間をかける」で、急がずに進める様子を表します。
その後、ニール自身の作品に話が及ぶ場面があります。
Neal: I don’t have many original pieces.
(オリジナルの作品は、あまりないんだ。)
James: Why not?
(どうしてだ?)
Neal: I don’t know.
(分からない。)White Collar Season4 Episode15 (The Original)
original pieces は、模写や複製ではない「自分で生み出した作品」を指します。否定文に対して理由を尋ねるときは、Why? ではなく Why not? の形が自然です。ニールの I don’t know. は、ここでは答えを出さずに話を終える返事として働いています。
「You asked me why ~?」で、前の問いを持ち出して答える
終盤の会話で、「また明日」と別れの言葉が出たあと、ニールが話を切り出します。
Neal: You asked me why I don’t have original art? I’ve had three different names And a dozen different aliases because of you. And to be an artist, you have to know who you are.
(僕にオリジナルの作品がないのはなぜかって、聞いたよね? あなたのせいで、僕は3つの名前と、十あまりの偽名を持ってきた。芸術家であるためには、自分が何者かを知っていなきゃならないんだ。)
James: You’re my son. And I’m very proud of that.
(お前は俺の息子だ。そのことを、とても誇りに思ってる。)White Collar Season4 Episode15 (The Original)
You asked me why ~? は、相手が以前にした質問を自分から持ち出す切り出しです。why の後ろが I don’t have と主語・動詞の順になっているのは、疑問文が文の中に組み込まれた間接疑問の形だからです。台本では文末が疑問符で、平叙文の語順のまま「聞いたよね?」と確かめる問いになっています。
I’ve had ~ は現在完了で、「これまでずっと持ってきた」という継続の意味になります。a dozen は本来「12」ですが、ここではおおよその数として「十あまり」と訳しています。because of you で、その理由を目の前の相手に向けています。
最後の to be an artist は不定詞の副詞的用法で、「芸術家であるためには」という目的を表します。続く you have to ~ の you は目の前の相手ではなく、「人は誰でも」を指す総称の you です。know who you are も間接疑問で、「自分が何者であるか」を名詞のかたまりとして目的語にしています。以前の I don’t know. とは対照的に、理由を一般論の形で言い切っているのが分かります。
ジェームズの be proud of that の that は、直前の You’re my son. を受けています。
まとめ|保留した答えを後から言い直す
Why not? と I don’t know. で答えを保留し、You asked me why ~? で同じ問いを持ち出して答え直す流れを見てきました。to be ~, you have to ~ で理由を一般論にする形も、あわせて押さえておきたいところです。
ニールの言葉をたどりながら、『ホワイトカラー』の会話をこれからも楽しんでいきましょう。
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