海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
『モダンファミリー』シーズン3第22話は、家族そろってテーマパークで一日を過ごす回です。その中でマニーだけは、学校の株式投資の課題の行方が気になって、園内に入ってからも株価の話ばかりしています。
株価が「急落する」「大損する」といった言葉は、英語の日常会話でも失敗や落ち込みを表すのに使われます。マニーとグロリアのやり取りから、その使い方を順に見ていきます。
「tanking」と「in the lead」で語る課題の状況
出発前、マニーはジェイに、自分抜きで行ってもらえないかと持ちかけます。理由として挙げるのが、学校の課題です。
Manny: Can’t you and mom go without me?
(あなたとお母さんだけで行ってもらえませんか?)Jay: You’re the kid.
(子どもはお前だろ。)Jay: I think we need you to get in.
(俺たちが入るには、お前がいないとな。)Manny: Well, it couldn’t come on a worse day.
(それにしても、これ以上ないほど間の悪い日です。)Manny: The technology sector is tanking.
(テクノロジー銘柄が急落しているんですよ。)Manny: We’re doing a stock market project in school, and today’s the last day.
(学校で株式市場の課題をやっていて、今日が最終日なんです。)Manny: We all get a thousand fake dollars to invest, and as the market closed yesterday, I’m in the lead.
(全員が投資用に架空の1,000ドルをもらっていて、昨日の終値の時点では僕が首位なんです。)Modern Family Season3 Episode22 (Disneyland)
tank は名詞では「水槽・タンク」ですが、動詞で使うと「急に落ち込む、大失敗する」という口語になります。株価や売り上げが急落するときの定番の言い方で、試験や面接の結果にも「I tanked the test.」のように使えます。
in the lead は「首位に立っている」という意味で、競争やレースの順位を伝えるときの言い方です。It couldn’t come on a worse day. は、否定と比較級を組み合わせて「これより悪い日はない」、つまり「よりによって今日とは」と間の悪さを嘆く表現です。大人びた言い回しを好むマニーらしく、課題の話がまるで市場の実況のように聞こえるのが面白いところです。
ジェイの You’re the kid. も短いながら効いている返しです。主語と be 動詞だけの文で「子どもはお前のほうだ」と立場をはっきりさせ、行かないという選択肢を最初から退けています。株の言葉は、次のように身近な失敗や順位の話にも応用できます。
- A: How did the presentation go?
(プレゼンはどうだった?) - B: It totally tanked. But our team is still in the lead.
(完全にこけたよ。でも、チームとしてはまだ首位なんだ。)
「take a dive」をそのまま言い返すグロリア
園内に入っても、マニーは電話でルーベンという相手に、株を売る手続きを頼もうとします。
Manny: Look, Reuben, I have some underperformers I have to unload, and I don’t have access to a computer.
(いいかい、ルーベン、手放さなきゃいけない不振株がいくつかあるんだけど、僕はパソコンが使えないんだ。)Manny: Log in as moneydelgado–
(moneydelgado でログインして……)Gloria: Manny!
(マニー!)Manny: By all means, Reuben, go get a popsicle while the Nikkei closes.
(どうぞどうぞ、ルーベン。日経が引けるあいだに、アイスでも買いに行けばいいさ。)Modern Family Season3 Episode22 (Disneyland)
underperformer は「期待より成績の悪いもの」、unload は「荷を降ろす」から転じて「持て余したものを手放す、売り払う」という意味です。By all means は本来「どうぞ、ぜひ」と快く許可する言い方ですが、ここでは相手の動きの遅さに向けた皮肉として使われていると読み取れます。丁寧な言葉をあえて逆の気持ちで使う形です。この直後、マニーはグロリアに次のように訴えます。
Manny: Mom, my stocks just took a dive.
(お母さん、僕の株がたった今、急降下しました。)Gloria: Your phone is about to take a dive.
(その電話も、今にも急降下するわよ。)Modern Family Season3 Episode22 (Disneyland)
take a dive は「飛び込む」が元の意味で、「急落する」の意味でも使われる口語です。グロリアは同じ言い回しを受けて、今度は「電話が落ちる」という意味にずらして返します。株の話を続けるなら電話のほうが危ない、という軽いおどしとして働く一言です。相手の言葉をそのまま借りて切り返すと、短くても効き目のある返事になります。
「take a bath」から「stop to smell the roses」へ
別の場面で、課題の結果が出たあとのマニーとグロリアの会話です。
Gloria: Manny, you don’t sound very happy for a kid that is flying an elephant.
(マニー、象に乗って空を飛んでる子にしては、ちっとも楽しそうじゃないわね。)Manny: I lost to Durkas.
(ダーカスに負けたんです。)Manny: It’s not fair.
(不公平です。)Manny: He wanted to buy IBM because he thought it was funny to say.
(彼がIBMを買いたがったのは、口にするとおもしろいと思ったからなんですよ。)Gloria: Well, I’m glad that you lost.
(あら、負けてよかったわ。)Gloria: Fake money has changed you.
(偽物のお金があなたを変えてしまったのよ。)Gloria: Where is the Manny that used to stop to smell the roses?
(立ち止まってバラの香りを楽しんでいたマニーはどこへ行ったの?)Manny: He took a bath on a solar start-up in San Jose.
(そのマニーなら、サンノゼの太陽光のスタートアップで大損しました。)Modern Family Season3 Episode22 (Disneyland)
マニーの It’s not fair. は、納得のいかない結果に対する短い抗議の決まり文句です。グロリアは慰めるどころか I’m glad that you lost. と返し、Fake money has changed you. と続けます。お金が人を変えるという決まった言い回しを、架空のお金に当てはめた一言です。
stop to smell the roses は「立ち止まってバラの香りをかぐ」、つまり忙しさに追われず身の回りの楽しみを味わうという意味の言い回しです。マニーはこれを受けて、take a bath on ~(〜で大損する)という投資の口語で返します。グロリアが「昔のマニー」と三人称で言ったのに合わせ、He で自分のことを語る返し方も見どころです。
グロリアはこのあと、give ~ the cold shoulder(〜に冷たくする)という言い回しも使いながら、電話ばかり見て家族にろくにあいさつもしていないと指摘します。マニーの返事は素直です。
Gloria: You see what happens when you’re not burying your head in business?
(仕事に顔をうずめていないと、どうなるか分かったでしょ?)Manny: You’re right.
(おっしゃるとおりです。)Manny: I’ll try to be more present.
(もっと今この場に目を向けるようにします。)Modern Family Season3 Episode22 (Disneyland)
bury your head in ~ は「〜に頭をうずめる」、つまり何かに没頭して周りが見えない状態を指します。be present は「その場にいる」だけでなく、「目の前のことに気持ちを向けている」という意味も持つ言葉です。
まとめ|株価の言葉で浮き沈みを語る
tank、take a dive、take a bath は、どれも株価の急落や大損を表す口語で、日常の失敗を語る場面にも広がる言葉です。stop to smell the roses や be more present と並べると、数字を追う言葉と立ち止まる言葉の対比がはっきり見えてきます。
家族の会話を観ながら、次回も『モダンファミリー』の英語を一緒に拾っていきましょう。
同じ回のほかのコラムやフレーズ記事では、テーマパークでの一日を別の場面から取り上げています。


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