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誰かの明らかな過ちに気づきながらも、あえて処罰ではなく、もう一度だけ挑戦する機会を差し出すという場面が、人間関係の中にはあります。
そんな場面にぴったりの「give someone a second chance」を、『ホワイトカラー』シーズン2第11話の回想パート、不正アクセスの現場を押さえられた若い女性アレックスに、ヴィンセント・アドラー(呼称未収載・仮表記)が下す判断の場面から、一緒に見ていきましょう。
「give someone a second chance」の意味とニュアンス
give someone a second chance
意味:〜にもう一度チャンスを与える
give someone a second chanceは、一度失敗したり過ちを犯したりした相手に対して、それを許して再挑戦の機会を与えることを表す表現です。second chance(二度目の機会)という語そのものが、一度目の失敗を前提としている点がポイントです。
ビジネスの場面でも、部下のミスを許して再びチャンスを与えるときに使われますし、人間関係では、こじれた関係を修復するための歩み寄りとして使われることもあります。give someone the benefit of the doubtのように疑いをかけない態度とは異なり、こちらは既に過ちが確定した後の再挑戦を指す点が特徴です。
give以外にも、Everybody deserves a second chance.(誰にでもセカンドチャンスを与えられるべきだ)のように、deserveと組み合わせて一般論として語る形もよく使われます。相手が過ちを犯したことを前提にしつつ、それでも再挑戦する権利があると認める言い回しとして定着しています。
寛容さや信頼の再構築を示すこの表現は、単なる優しさというより、相手の可能性を見込んだうえでの判断として使われることが多くあります。次の【ここがポイント!】で、押さえておきたい要点を整理していきましょう。
【ここがポイント!】
- 「give someone a second chance」の核は、過ちを承知の上で再挑戦を認める寛容さ
- 単なる優しさではなく、相手の可能性を見込んだ判断として使われることが多い
- 一度目の失敗が前提にある表現なので、まだ過ちが起きていない場面では使わないのがコツ
『ホワイトカラー』S02E11のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
過去の回想パートです。古美術の研究者を装ってヴィンセント・アドラーに近づいたアレックスが、非公開データベースへの不正アクセスを見抜かれ、追い詰められていく場面に注目です。
Adler: What are you looking for?
(君は、何を探している?)Alex: There were rumors you made some big discoveries. I got curious. I thought you wanted to share your art with the world.
(あなたが大きな発見をしたという噂を聞いて。好奇心を抑えられなかったの。てっきり、その美術品を世界と分かち合いたいんだと思っていたのに。)Adler: That’s for me to decide. You accessed my private database. You made copies of my records. I should bring charges. Everybody gets one big mistake in life and one opportunity to fix it. I believe in second chances, miss Hunter.
(それを決めるのは私だ。君は私の非公開データベースに侵入し、記録のコピーまで作った。訴えてもおかしくないんだぞ。誰にでも人生で一度の大きな過ちと、それを正す一度の機会が与えられる。私はセカンドチャンスを信条にしているんだよ、ハンター君。)White Collar Season2 Episode11 (Forging Bonds)
シーン解説と心理考察
「何を探している?」とアドラーに問い詰められたアレックスは、悪びれることなく「てっきり、その美術品を世界と分かち合いたいのだと思っていたのに」と切り返します。これは、自分が探りを入れていた対象の収集品を独り占めしていることへの当てこすりであり、噂を聞いて興味を持っただけだと言い逃れようとする、アレックスなりの機転がにじむ一言です。
対するアドラーは「それを決めるのは私だ」と静かに、しかし有無を言わせぬ調子で切り返し、所有者としての立場を揺るがせません。続けて記録の複製という明確な証拠を突きつけ、本来なら訴訟に踏み切ってもおかしくない立場にあることを示したうえで、あえて処罰ではなく再挑戦の機会を選びます。この判断には、単なる寛容さというより、優秀だが道徳的にグレーな人材を自分の陣営に引き入れていくアドラーのやり方そのものが表れています。のちに若きニールを取り込んでいく展開とも重なる、示唆に富んだ一幕です。相手の機転を叱るのではなく評価したうえで取り込む、そのしたたかさこそがアドラーという人物を象徴しています。
『ホワイトカラー』流・覚え方のコツ
一度目の挑戦で失敗してしまった相手に、もう一枚だけチケットを手渡すイメージを持つと、このフレーズの感覚がつかみやすくなります。
劇中のアドラーは、不正アクセスという明白な過ちを承知のうえで、あえてアレックスにもう一度チャンスを与えると告げました。処罰という選択肢を持ちながらも、相手の可能性に賭けてチケットを差し出す、その判断の重みごと覚えておくと、寛容さを表す場面で自然に思い出せる表現になります。
例文で覚える「give someone a second chance」
仕事の場面から人間関係まで、give someone a second chanceが使われる場面を、3つの例文で確認していきましょう。
My boss decided to give me a second chance after I missed the deadline.
(締め切りを逃した私に、上司はもう一度チャンスをくれることにした。)
仕事のミスのあとに信頼を取り戻す場面です。afterと組み合わせることで、失敗の直後に許しを得たという時間の流れが伝わります。
The company gave the struggling employee a second chance instead of firing him.
(会社は、苦戦していたその社員を解雇する代わりに、もう一度チャンスを与えた。)
人事上の温情ある判断を説明するビジネスの場面です。instead of firing himと対比させることで、処罰との選択肢の違いが際立ちます。
A: I know I made a mistake, but please give me a second chance.
B: All right, but this is the last time.
(A:失敗したのは分かっています。でも、どうかもう一度チャンスをください。)
(B:わかった、でもこれが最後だぞ。)
自分から許しを乞う場面と、それに応じる側の緊張感が伝わる会話です。but this is the last timeという一言が、寛容さにも限度があることを示しています。
あわせて覚えたい関連表現
give someone the benefit of the doubt
(疑わしきは罰せずの態度をとる、相手を信じる)
まだ過ちが確定していない段階で相手を疑わずに信じる姿勢を指す表現です。give someone a second chanceのように「過ちが確定したあとの再挑戦」を前提とはしない点が異なります。
start over
(一からやり直す)
関係や状況そのものをリセットして再出発するニュアンスが強く、相手に「機会を与える」という側面よりも、当事者自身の再出発に焦点があります。
let bygones be bygones
(過去のことは水に流す)
過去の出来事について蒸し返さないという意味合いが強く、具体的に「機会を与える」という行為までは含まない、より軽い許しの表現です。
Note|過ちを許し、再び機会を与えるというアメリカ的な価値観
give someone a second chanceという表現がこれほど自然に使われる背景には、失敗を許容し再挑戦を後押しする価値観があります。個人の責任を重んじる一方で、更生や再挑戦の機会も尊重する、そのバランス感覚が言葉の端々に表れています。
自己責任を強く求める文化では、一度の失敗が厳しく評価されがちにも見えますが、実際には誰にでも一度の過ちは起こり得るという前提のもとで、再挑戦を後押しする言い回しが数多く存在します。second chanceという語がこれほど日常的に使われるのも、失敗を終着点ではなく、そこからの立て直しを評価する姿勢が根底にあるからだと言えます。もちろん、無条件の許しではなく、相手が示す誠意や改善の姿勢が伴って初めて成立する寛容さである点も見逃せません。
劇中でアドラーがアレックスに与えた機会も、無条件の温情ではなく、彼女の度胸と能力を見込んだうえでの判断でした。厳しさと寛容さが同居するこの一言には、そうした価値観がそのまま凝縮されています。
許しと信頼は、案外近い場所にある感覚なのかもしれません。
まとめ|厳しさの中に差し出された、もう一枚のチケット
give someone a second chanceは、一度の過ちを承知のうえで、相手に再挑戦の機会を与えることを表す表現です。単なる優しさというより、相手の可能性を見込んだ判断として使われる場面が多くあります。
仕事のミスを許すときも、こじれた人間関係を修復しようとするときも、この一言があれば寛容さを端的に伝えられます。
不正の証拠を突きつけながらも処罰ではなく機会を選んだアドラーの判断には、優秀な人材を見極めて自分の陣営に引き入れていく、老獪な計算高さが表れています。


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