海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
ひと晩ぐっすり眠っただけで、前日まで重かった体が別物のように軽くなっている。そんな朝が、誰にでもあるはずです。
その驚きを英語で言うときの「work wonders」を、『メンタリスト』シーズン3第13話から、権限を取り上げられたリズボンにCBI局長バートラムが電話で助言する場面を通して、一緒に見ていきましょう。
「work wonders」の意味とニュアンス
work wonders
意味:驚くほど効果がある / 目覚ましい効き目を発揮する
wonder は「驚くべきこと」「不思議」、さらに遡れば「奇跡」を指す名詞です。work にはもともと「作り出す」「生じさせる」という広い意味があり、work wonders は文字どおり「奇跡を起こす」という組み立てになっています。
現代では、何かが非常によい効果をもたらすことを表します。睡眠、コーヒー、保湿クリーム、声かけといった日常的なものにも、大きな改善にも使えます。必ず誇張や冗談になるわけではなく、真剣に効果を評価する場合にも自然です。
効くものを主語に置いて A works wonders とするほか、work wonders for ~ で対象を、work wonders on ~ で効果が及ぶ相手やものを示せます。
効果を具体的に測る正式な報告書では、数値や improve などを添えると内容が明確になります。一方、会話やレビューでは work wonders だけでも、非常によく効いたという評価を伝えられます。
【ここがポイント!】
- wonder は「奇跡」、それを work する組み立てから来た言い回し
- 小さな改善にも大きな改善にも、真剣な評価にも使える
- 会話では強い好評価を伝え、正式な報告では数値や具体的な改善内容を添える
『メンタリスト』S03E13のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
市庁舎で人質事件が起き、地元警察が突入を強行しようとしている場面です。CBIの管轄権を主張したリズボンでしたが、市長の政治力によって上層部から権限を取り上げられてしまいます。直属の上司ハイタワーより上位にいるCBI局長バートラムに電話で抗議したところ、返ってきたのは政治の論理でした。その締めくくりに置かれるのが今回のフレーズです。
Lisbon: Now I know Mayor Bagshaw has a lot of influence, but–
(バグショー市長に影響力があるのは承知していますが——)Bertram: No, there’s no “but.” All right? Influence has influence. I don’t have to explain the politics of this to you, do I?
(「でも」はない。いいかね? 影響力には影響力があるんだ。この件の政治的な事情を、いちいち説明する必要はないだろう?)Lisbon: Sir, this isn’t about politics.
(これは政治の話ではありません)Bertram: Everything’s politics, Lisbon… one way or another. Try persuasion. Works wonders.
(すべては政治だよ、リズボン。形はどうあれね。説得してみたまえ。驚くほど効くぞ)The Mentalist Season3 Episode13(Red Alert)
シーン解説と心理考察
助言の形をとっていますが、中身は突き放しに近い一言です。権限を取り上げたのは長官自身であり、そのうえで「説得すればいい」と告げる。実行の責任だけが現場に残される構図が表れています。
「Everything’s politics」から「Works wonders」への流れも見どころです。原則論を封じたあとに、実務的な助言をひとつ置いて会話を切り上げる。反論の余地を残さないまま、面倒を見た形だけは整えるという運びになっています。主語を省いた短い言い切りが、会話を閉じる合図として響きます。
もっとも、この一言は伏線としても働きます。リズボンはこのあと記者を使い、長官自身を動かして権限を取り戻すからです。皮肉なことに、彼女は本当に説得で状況をひっくり返してみせます。突き放したはずの助言が、送り主に返ってくる。その巡り方が、このエピソードの後半をやわらかく支えています。
『メンタリスト』流・覚え方のコツ
水を与えた植物が見違えるように元気になる場面を思い浮かべてみてください。work wonders が表すのは、何かが非常によい効果をもたらしたという評価です。
コーヒー一杯や保湿クリームのような日常的なものにも、大きな改善をもたらした方法にも使えます。「小さな効果への誇張」に限定せず、効果の大きさを素直に高く評価する言い方として覚えておくと使いどころを外しません。
バートラム長官は、説得が非常によい効果を生むという助言としてこの表現を使います。皮肉に聞こえるかどうかは表現自体に固定されず、場面や口調から読み取る部分です。
例文で覚える「work wonders」
効くものを主語に置く形と、対象を添える形。使い分けを3つの例文で見ていきましょう。
A good night’s sleep works wonders.
(ぐっすり眠ると、驚くほど調子が戻る)
疲れている相手に休息を勧める場面です。効き目のあるものをそのまま主語に置く、この表現のもっとも基本的な形になります。
This cream worked wonders for my dry skin.
(このクリーム、乾燥肌にすごく効きました)
商品レビューや友人へのおすすめで使われる型です。for ~ で対象を添えると、どこにどう効いたのかが具体的に伝わります。
A: I’ve been stuck on this bug for three hours.
B: Take a walk. Fresh air works wonders.
(A:このバグに3時間はまってる)
(B:散歩してきなよ。外の空気はよく効くから)
行き詰まった同僚に声をかける場面です。命令文のあとに短く添えるリズムが自然で、劇中の使い方にもっとも近い形です。
あわせて覚えたい関連表現
do wonders
(驚くほど効く)
ほぼ同義で使われます。辞書にもwork/do wondersの形が掲載されており、doの定着度が低いと一律に評価する必要はありません。
work like a charm
(面白いようにうまくいく)
狙いどおりに機能したという手際のよさに焦点があります。work wonders は効き目の大きさそのものを褒める点が違いです。
do the trick
(これで用が足りる)
問題が片づいたという最低限の達成を指します。驚きや称賛の色は薄く、三つのなかではもっとも控えめな言い方です。
Note|wonder が「奇跡」だった頃
wonder は古くから驚異・不思議・奇跡を表してきた語です。
wonder は古英語 wundor に遡り、驚異・不思議・奇跡を指す名詞でした。英訳聖書にはsigns and wondersという並びも見られますが、そこからwork wondersが直接派生したとする系譜は、別の語史資料なしには断定できません。また、他動詞workが現在ほぼ慣用句にしか残らないとする説明も避けます。
現在のwork wondersは、非常によい効果を表す定着した言い方です。日常の小さな効き目に軽く使うことも、大きな改善を真剣に評価することもできます。
バートラム長官の発話では、persuasionが大きな効果をもたらすという助言として使われています。皮肉を感じるかどうかは場面と口調から読み取ります。
まとめ|非常によい効果を伝える一言
work wonders は、何かが非常によい効果をもたらすことを表します。睡眠やクリームのような日常的なものにも、大きな改善にも使えます。
会話で使うなら、効くものをそのまま主語に置くだけで形が決まります。対象を示したいときは for ~ を添える。この二つを押さえておけば、レビューでも雑談でもすぐに手が届きます。
何かが非常によい効果をもたらしたと評価する一言として、会話のレパートリーに加えてみてください。


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