「a deal-breaker」の意味と使い方|『メンタリスト』S03E19で学ぶ英会話

「a deal-breaker」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

条件を並べていくうちに、これだけは絶対に無理、という一点が出てくる場面があります。ほかがどれだけ揃っていても、そこが引っかかるなら話は終わり。そういう線引きは、仕事でも私生活でも誰にでもあるはずです。

その一点を名詞ひとつで言えるのが「a deal-breaker」です。『メンタリスト』シーズン3第19話の中盤、殺人事件を捜査中のCBIコンサルタントだと明かしているジェーンが、経営者エリカの面談形式の質問をはぐらかす場面から見ていきます。

目次

「a deal-breaker」の意味とニュアンス

a deal-breaker
意味:それ一つで話が成立しなくなる条件

deal(取引)を break(壊す)という組み合わせのとおり、他の条件がどれだけ揃っていても、これがあると全体が不成立になるという一点を指します。

大事なのは、程度の問題ではないという点です。「あまり好きではない」「できれば避けたい」ではなく、そこを越えたら終わり、という断定の響きがあります。だからこそ、条件を並べたリストの中でこの語が出てきたときは、交渉の余地がないと受け取るのが自然です。

商取引の条件にも日常の選択にも使えます。転職先を選ぶとき、部屋を借りるとき、交際相手について話すとき。That’s a deal-breaker. の一文で「その条件があるなら降ります」と伝えられる便利さがあります。ハイフンなしの dealbreaker という一語表記も広く使われており、意味の差はありません。

【ここがポイント!】

  • 核は「その一行を見た瞬間、差し出しかけた手を引く」感覚
  • 程度ではなく線引きを語る、交渉の余地がないことを示す一言
  • for me を添えると個人の基準だと限定しやすいが、響きは語調と文脈にも左右される

『メンタリスト』S03E19のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

高級婚活サービス「シンフォニー」の社内スタジオです。エリカはジェーンがCBIのコンサルタントとして殺人事件を捜査中だと知ったうえで、会員面談と同じ形式の質問を始めます。身分を隠した潜入ではありません。

Erica: I’m gonna ask you a series of standardized questions. These have been designed to get at the heart of who you are and who you’re compatible with. Try to answer as honestly as possible. Ready?
(これから標準化された質問をいくつかします。あなたがどんな人で、誰と相性がよいかという核心に迫るための質問です。できるだけ正直に答えてください。いい?)

Jane: Yes.
(ああ。)

Erica: Good. Now, Patrick, what kind of woman are you interested in?
(結構。ではパトリック、どんな女性に興味がある?)

Jane: Rich, quiet blondes. No snoring. That’s a deal-breaker.
(裕福で物静かな金髪。いびきはなし。それは絶対に無理な条件だ。)

The Mentalist Season3 Episode19(Every Rose Has Its Thorn)

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シーン解説と心理考察

質問する側とされる側という関係が、この場では完全にひっくり返っています。エリカは人の心を読んで縁を結ぶことを仕事にしてきた人物で、この面談も彼女の土俵です。ところがジェーンは、その土俵の上でわざと不真面目な答えを並べます。

「裕福で物静かな金髪」という条件の並べ方が絶妙で、婚活の面談で本気の人間が口にする内容ではありません。そのうえで、いびきという些細な一点に deal-breaker という重い語を当てる。本来は契約を左右する場面で使う言葉を、寝息の話に持ってくるちぐはぐさが、彼が真剣に相手を探していないことを静かに告げています。

同時にこの場面は、後半への布石でもあります。カメラの前に座らされているのがジェーンだという事実が、のちにそのまま反転する。真面目な質問と不真面目な答えのずれが、二人の主導権争いの入口として響きます。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

握手の直前まで進んだ商談を思い浮かべてください。条件はすべて合意した。あとは判を押すだけ。そこで相手が最後の一枚を差し出す。その紙に書かれた一行を読んだ瞬間、伸ばしかけた手が止まり、契約書が机の上に戻る。

deal を break するというのは、この「手が止まる瞬間」のことです。九割方まとまっていた話が、たった一行で振り出しに戻る。その落差ごと覚えておくと、この語の重さが感覚として残ります。

そしてジェーンは、その重い語を「いびき」に使いました。商談の机の上に置かれた一行が、実は寝息の話だったという可笑しさが、記憶の引っかかりになります。

例文で覚える「a deal-breaker」

仕事の条件から人間関係まで、線引きを伝える場面で活躍します。フォーマル度の違う3つの使い方を見てみましょう。

No remote work? That’s a deal-breaker for me.
(リモート勤務なし? それは私には無理な条件だな。)
転職先の条件を検討している場面です。for me を付けることで個人の基準だという限定が入り、相手の会社を否定する響きを和らげることがあります。

The delivery timeline is negotiable, but the price is a deal-breaker.
(納期は交渉可能ですが、価格が合意を妨げる決定的な条件です。)
取引条件を詰める、かたい場面での使い方です。この文では「価格は譲れない」ではなく、価格が取引成立を妨げる条件だと述べています。

A: He’s smart, he’s funny, and he’s got a great job.
B: Sounds perfect. So what’s the problem?
A: He never listens. Honestly, that’s a deal-breaker.
(A:頭がよくて、面白くて、いい仕事もしてるの。)
(B:完璧じゃない。で、何が問題なの?)
(A:人の話を全然聞かないの。正直、それは決定的にだめ。)
友人同士の恋愛相談です。良い条件を並べたあとにこの語を置くと、一点で全部が帳消しになるという構造がそのまま伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

a must-have
(絶対に必要な条件)
肯定の側から必須条件を言う語です。deal-breaker が「これがあると不成立」と否定側から言うのに対して、こちらは「これがないと不成立」と向きが逆になります。

a red line
(越えてはならない一線)
外交や政治の文脈で使われることが多く、越えたら報復や決裂を招くという警告の色を帯びます。deal-breaker のほうが日常の選択にも気軽に使えます。

a dealbreaker
(同じ意味の一語表記)
ハイフンを使わない表記で、意味に違いはありません。媒体ごとの表記ルールの問題なので、一つの文章の中では統一しておくと読みやすくなります。

Note|商談にも日常にもある「ここで終わり」の条件

Merriam-Websterは deal-breaker の初出を1965年とし、現在は「取引や取り決めの成立・履行を妨げる人や物」と「人や物を拒む理由」の二つの語義を掲載しています。商談だけ、恋愛だけに限られる語ではありません。

商談では、価格、納期、責任範囲など、相手が譲らなければ合意できない条件を指せます。他の条件が折り合っていても、その一点が残れば署名に至らない。条件の一覧に並べたまま「これだけは別格」と示せるところが、この語の便利さです。

日常の選択でも構造は同じです。就職先、部屋、交際相手について条件を比べるとき、譲れない一点を deal-breaker と呼べます。場面が変わっても「その一点で全部が終わる」という断定の重さは残ります。

だからこそ、いびきに対してこの語を使うジェーンの答えが可笑しく響きます。契約を壊す重さの言葉が、寝息の上に載せられているからです。

使う場面が商談でも私生活でも、線引きを示す重さは共通しています。

まとめ|条件表の中で、一行だけ別格になる言葉

a deal-breaker は、それ一つで話が成立しなくなる条件を指す名詞でした。程度の問題ではなく線引きを語る言葉で、リストの中に置くだけで「ここは交渉外」と示せる働きを持っています。

この語が使えるようになると、条件の伝え方が整理されます。「あれも嫌、これも困る」と並べる代わりに、譲れる部分と譲れない一点を切り分けて示せる。交渉でも、部屋探しでも、人間関係でも、話が早く進むのはたいてい線引きが見えている側です。

譲れる条件と譲れない一点を分けて差し出せる、そんな一語です。

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