「do one’s homework」の意味と使い方|『メンタリスト』S05E06で学ぶ英会話

「do one's homework」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

大事な打ち合わせの前夜に、相手の会社のことを一通り調べておく。面接の前に、志望先の最近の動きを追っておく。そんな地味な準備の時間が、誰にでもあるはずです。

そして準備をしてきた人とそうでない人の差は、口を開いた瞬間に相手へ伝わります。その差をひとことで言い当てるのが「do one’s homework」です。『メンタリスト』シーズン5第6話、ビデオ通話でジェーンが誘拐犯の計画性を見抜いていく場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「do one’s homework」の意味とニュアンス

do one’s homework
意味:下調べをする、事前に調べ上げておく

学校の宿題から離れ、交渉・商談・面接・捜査といった場面に臨む前の情報収集を指す表現です。多くの場合、準備を済ませたか怠ったかで相手の姿勢を評価する文脈で使われます。宿題という原義が残っているため、「やってきて当然のこと」という前提がうっすらと漂うのも特徴です。

注目したいのは、この表現が調査の中身ではなく、調査したという事実のほうを指している点です。何冊読んだか、誰に聞いたかは問われません。準備の跡が相手に見えているかどうかだけが問題になります。だからこそ、成果物ではなく姿勢への評価として機能します。

肯定形なら「よく調べてきた」という称賛、否定形なら「準備を怠った」という手厳しい批判になります。did your homework の形で二人称に向けると、相手の周到さを言い当てる働きも生まれます。褒めているのか探りを入れているのか、その両方が同時に成立するのがこの形の面白いところです。

【ここがポイント!】

  • 学校の宿題ではなく「事前の調べ物」全般を指す、比喩として定着した表現
  • 準備の有無を評価する語として、褒め言葉にも批判にもなる
  • did your homework の形で、相手の計画性そのものを言い当てる使い方もできる

『メンタリスト』S05E06のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

誘拐犯とのビデオ通話の場面です。犯人は「人違いで別の夫婦をさらってしまった」という前提で身代金を要求しています。CBI 側も当初はその筋書きに沿って交渉を進めていましたが、通話の終盤でジェーンが割り込み、前提そのものをひっくり返しにかかります。相手が用意した物語に乗らないところから、この会話は始まります。

Jane: Kidnapping Gary and Sloan was always the plan, wasn’t it?
(ゲイリーとスローンを連れ去るのは、最初からの計画だったんだろう?)

Kidnapper: No.
(違う)

Jane: You see, I think you did your homework. You wanted Marcus’ money, but if you kidnapped him, then you would have had to deal with Isaac.
(いや、あなたはきちんと下調べをしたはずだ。狙いはマーカスの金だ。だがマーカス本人をさらえば、交渉相手はアイザックになる)

Kidnapper: Who is this?
(誰だ、この男は)

The Mentalist Season5 Episode6 (Cherry Picked)

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シーン解説と心理考察

ジェーンは犯人を非難する言い方を選んでいません。むしろ準備の良さを認める形で切り込み、「事故ではなく計画だった」という前提の否定をそこに忍ばせています。マーカス本人をさらえば交渉相手は金を出し渋る弟のアイザックになる、だから友人夫婦を狙い、マーカスに罪悪感を負わせて金を引き出す設計だった。この読み筋が、短いやり取りのなかで一気に組み立てられていきます。did your homework という褒め言葉の形をとった一言が、犯人の動揺を引き出す引き金になっている構図が見どころです。相手の緻密さを認めることが、そのまま追及として機能する呼吸が、この場面の骨格を作っています。褒め言葉の顔をした指摘ほど、相手にとって返しにくいものはありません。

『メンタリスト』流・覚え方のコツ

交渉や面接の席を、教室での発表の場に置き換えて考えてみてください。手ぶらで前に立った人と、前の晩に机で調べ物をしてきた人とでは、口を開いた瞬間に差が出ます。英語はこの差を、大人になっても homework という学校の言葉で言い続けます。劇中のジェーンは、犯人の計画の隅々まで整っているのを見て、この学校の言葉を選びました。相手を子ども扱いしているのではなく、机に向かった時間の存在そのものを認めている一言です。準備の跡が見える、という一点をイメージとして覚えておくと定着しやすくなります。

例文で覚える「do one’s homework」

面接の評価から日常の忠告まで、幅広い場面で使える表現です。肯定形か否定形か、そして誰について語るかで響きが変わります。3つの例文で使い方の幅を確認してみましょう。

She clearly did her homework before the interview.
(彼女は面接の前に、しっかり下調べをしてきていた)
面接後に候補者を評価する場面です。褒め言葉としての最も標準的な使い方になります。clearly を添えると、準備の跡がはっきり見えたという含みが加わります。

We need to do our homework on this vendor before signing anything.
(署名の前に、この取引先について調べておく必要がある)
契約前の社内検討で使う場面です。on を伴うと調査対象が明示され、実務的な響きになります。命令形にすれば、そのまま忠告の定型としても使えます。

A: You’ve done your homework on me, haven’t you?
B: Let’s just say I like to know who I’m dealing with.
(A:私のことを、ずいぶん調べたようだね)
(B:相手のことは知っておきたいたちでね、とだけ言っておくよ)
劇中の用法に近い、称賛と警戒が同居する場面です。相手の周到さに気づいたときの一言として使えます。褒めているようでいて、探りを入れてもいる二重性が出ます。

あわせて覚えたい関連表現

do one’s due diligence
(適正な調査を行う)
投資や契約の文脈で使われる硬い表現で、法務上の義務という含みがあります。do one’s homework は口語で、義務ではなく心構えの問題として語られる点が異なります。契約書や監査報告書に載るのは前者です。

read up on
(〜について読み込む)
文献や資料を読む行為に限定される表現です。do one’s homework は聞き込みや現地確認も含む、手段を問わない言い方である点が違います。何をどう調べたかを問わないぶん、汎用性があります。

come prepared
(準備して臨む)
準備の中身ではなく、臨む姿勢そのものに焦点がある表現です。調べ物をしたかどうかを具体的に問うなら、do one’s homework のほうが的確です。手ぶらで来なかったことだけを言うなら come prepared で足ります。

Note|学校の外へ出た homework

homework はもともと、家庭で行う学習課題を指す語でした。それが政治や商取引の場で「事前準備」を指す比喩として使われるようになったとされています。

学校生活の語彙をそのまま借りた言い回しは、ほかにもいくつかあります。教訓を得ることを指す learn one’s lesson、短期集中の詰め込みを指す a crash course、一夜漬けを指す cram などが、大人の会話でも当たり前に使われています。いずれも、学ぶ場での経験がそのまま比喩の土台になっている点が共通しています。教育という共通体験があるからこそ、説明なしで通じる比喩として定着したと見ることができます。

この背景を知ると、did your homework という一言が持つ響きの理由も見えてきます。相手を子ども扱いする皮肉ではなく、「机に向かった時間があったはずだ」という、誰もが知っている経験を評価の物差しとして持ち込んでいるわけです。ジェーンが犯人に向けたこの一言も、まさにこの物差しの上に成り立っています。

学校の言葉が、大人の駆け引きの中でも生き続けている。そんな一面が垣間見える表現です。

まとめ|準備の跡を言い当てる一言

do one’s homework は、事前の下調べや準備の有無を評価する表現です。学校の宿題という原義から離れ、交渉・面接・商談といった大人の場面に広く根を下ろしています。

褒め言葉としても、皮肉を含んだ指摘としても使え、did your homework の形にすれば相手の計画性そのものを言い当てることもできます。準備の跡が見えたとき、あるいは自分の準備を示したいとき、この一言が使えると会話の解像度が上がります。

due diligence のような硬い言い方と使い分けられると、場面に応じた温度を選べるようになります。契約の席では前者、会議後の雑談では後者というように、同じ内容でも器を替えられるのが便利なところです。

机に向かった時間は、思っているよりも相手に伝わるものなのかもしれません。

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