海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
今回扱うのは、『ビッグバン★セオリー』シーズン4 第7話に登場する、ハワードが新しい仕事のために必要になる security clearance(機密取扱資格)と、それに伴うFBIの身辺調査です。友人たちが一人ずつ別々の場所で聴取を受ける様子から、アメリカの制度の一端をのぞいてみます。
普段のドラマ視聴では聞き流してしまいそうな制度の話を、劇中の場面とあわせて紹介します。
新しい仕事の話から始まる、友人への聴取
物語はカフェテリアでの雑談から始まり、その中でハワードは国防関連の新しいプロジェクトのチームに加わったことを報告します。続けて、友人たちにこう告げています。
Howard: Thanks. Listen, I have to get a security clearance, so you guys might be hearing from the FBI.
(ありがとう。聞いてくれ、俺はsecurity clearanceを取らなきゃいけないんだ、だから君たちのところにもFBIから連絡が行くかもしれない。)TBBT Season4 Episode7 (The Apology Insufficiency)
FBIが友人関係にある自分たちにも接触するかもしれない、という報告です。
結果として、ハワードはこの資格を取得できなかったことを、後日カフェテリアで友人たちに告げます。
Howard: Apparently, the background interviews didn’t go well. You guys wouldn’t know anything about that, would you?
(どうやら身辺調査の面談がうまくいかなかったらしい。君たち、何か心当たりはないよね。)TBBT Season4 Episode7 (The Apology Insufficiency)
background interviews(身辺調査の面談)という一言に、調査結果が可否に直結している様子が表れています。
security clearance(機密取扱資格)という制度
アメリカでは、国防関連の職務や政府機関に関わる仕事の中に、security clearanceと呼ばれる機密取扱資格の取得が求められるものがあります。security clearanceという語は、直訳すると「安全面での許可」といった意味合いで、機密情報へのアクセスを認める制度であることを表しています。防衛関連のプロジェクトに携わるハワードの仕事は、劇中でもこの資格が必要な業務として描かれています。
一般的に、この種の資格取得の過程には、申請者本人だけでなく、周囲の人間関係を確認する background investigation(身辺調査)が伴うとされています。制度の詳細や運用は職務・機関・時期によって異なるため、劇中の描写をそのままアメリカ全体に共通する一律の手続きと見なすことは避けたいところですが、機密性の高い職務に「本人以外への聞き取り」が付随するという枠組み自体は、ハワードの一連のやりとりからもうかがえます。この報告のとおり、この後FBI捜査官が友人たちのもとを一人ずつ訪ねてくることになります。
友人が一人ずつ、別々の場所で聴取される
劇中でPage捜査官は、ラージ、レナード、シェルドンを別々の場所とタイミングで訪ねています。ラージの自宅、レナードの研究室、そしてシェルドンとレナードが暮らすアパートと、聴取の場所はそれぞれ異なります。
Page: I’m Special Agent Page, FBI.
(FBIのペイジ捜査官です。)TBBT Season4 Episode7 (The Apology Insufficiency)
シェルドンへの訪問では、こうして身分を名乗ってから本題に入っています。レナードへの聴取では、大学で同僚として働いているかどうかをまず確認した上で質問に移っており、聴取の相手ごとに関係性の確かめ方が変わっている様子がうかがえます。ラージ、レナード、シェルドンという3つの立場から見たウォロウィッツ像を、場所を分けて個別に集めていく調査の形が、この回では繰り返し描かれています。同僚・友人という日常の関係が、こうして一つずつ確認の対象になっていく点に、身辺調査という言葉の実際の中身が表れています。
まとめ|聴取の場面から見える、アメリカの資格制度
security clearance、background investigation、FBIによる個別の聴取。ハワードの新しい仕事をきっかけに描かれるこれらの言葉には、機密性の高い職務に伴うアメリカの制度の一端が表れています。制度の詳細は職務や機関によって異なるものの、身の回りの人間関係まで確認されるという枠組みは、劇中の友人たちの反応からも伝わってきます。
次回も『ビッグバン★セオリー』の場面を通して、アメリカの文化や制度を紹介していきます。
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