「hold back」の意味と使い方|『ビッグバン★セオリー』S04E07で学ぶ英会話

「hold back」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

言いたいことがあるのに、つい遠慮して呑み込んでしまったり、本当はもっと前に出たいのに慎重になりすぎたり——そんなふうに自分にブレーキをかけてしまうこと、ありますよね。

その「抑える・遠慮する」という動きを的確に表すのが「hold back」です。『ビッグバン★セオリー』シーズン4第7話の冒頭、レナードが「もう遠慮するのはやめる」と一念発起してみせるカフェテリアのシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「hold back」の意味とニュアンス

hold back
意味:控える、遠慮する、(感情・行動・情報を)抑える

hold back は、前に進み出よう・外に出そうとする力を「後ろ(back)に引き止めておく(hold)」イメージの句動詞です。涙や怒りといった感情、言いたい発言、本来の実力、相手に伝えるべき情報——抑える対象はさまざまで、文脈によって自制にも、消極的なためらいにもなります。

たとえば感情を抑えるなら hold back one’s tears(涙をこらえる)、実力を出し惜しむなら don’t hold back(遠慮するな・全力を出せ)、情報を伏せるなら hold something back(何かを隠している)というように、目的語を替えるだけで幅広い「抑える」を表せます。句動詞の back には「後方へ/元の位置へ」という方向の感覚があり、pull back(引き下がる)や cut back(削減する)など、back が付く表現に共通する「抑える・後退させる」語感とあわせて覚えると、意味の輪郭がはっきりします。

【ここがポイント!】

  • hold back の核は、前に出ようとする力を後ろへ引き止めるイメージ
  • 感情・発言・実力・情報と、抑える対象を選ばない一言
  • 「自制」にも「ためらい」にもなるので、前後の文脈で読み取るのがコツ

『ビッグバン★セオリー』S04E07のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

舞台は大学のカフェテリア。「自信を出せないのが自分の問題だ」と分析したレナードが、これからは遠慮(hold back)せず堂々と振る舞うと宣言します。そして実際に「自信たっぷりな口説き文句」を実演してみせるのですが、その内容が大げさすぎて、聞いていたラージが思わず質問で巻き込まれてしまいます。

Leonard: My problem is, I don’t project confidence. So I decided that the next time I meet a woman I think is attractive, rather than holding back and being cautious, I’m going to assume the mantle of self-assurance.
(僕の問題は、自信を出せていないことなんだ。だから次に魅力的だと思う女性に会ったら、遠慮して慎重になるんじゃなく、自信という役を引き受けることにした)

Raj: Oh, yeah? What’s that look like?
(へえ、そう? それってどんな感じなの?)

The Big Bang Theory Season4 Episode7(The Apology Insufficiency)

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シーン解説と心理考察

レナードの rather than holding back には、「これまでは遠慮して慎重になりすぎていた」という自己認識がはっきり表れています。その反省を踏まえての「もう抑えない」という決意は前向きですが、直後に披露される口説き文句は芝居がかっていて、明らかに振り切れすぎています。慎重さの裏返しとして過剰な自信を演じようとする不器用さに、レナードの根深い自己肯定感の低さがにじんでいると言えます。hold back していた力を一気に解放したら勢い余ってしまう——その振れ幅の大きさが、このシーンの笑いどころです。

『ビッグバン★セオリー』流・覚え方のコツ

hold back は、前に飛び出そうとする自分の腕を、もう一方の手で後ろへグッと引き止めている——そんな身体の動きで覚えると定着しやすい表現です。hold(つかんで)back(後ろへ)。レナードが「rather than holding back(遠慮するのはやめて)」と言った直後に、ブレーキを外して暴走気味の口説き文句を実演する姿は、まさに「抑えていた力を手放した」絵そのもの。抑えていたものを離すと勢い余る、という対比でイメージすると、フレーズの核心が記憶に残ります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「hold back」

hold back は、感情を抑える場面でも、実力や情報を出し惜しむ場面でも活躍します。3つの例文で、その振れ幅を見ていきましょう。

She held back her tears during the farewell speech.
(彼女は送別のスピーチのあいだ、涙をこらえていた)
こみあげる感情を必死に抑えている様子を描く一文です。hold back のあとに tears などの感情を表す目的語を置くのが、典型的な使い方になります。

I felt he was holding something back during the interview.
(面接のあいだ、彼は何か隠しているように感じた)
相手が情報をすべて明かしていないと感じたときの言い回しです。hold something back で「(言うべきことを)伏せておく」という意味になります。

A: Don’t hold back. Tell me what you really thought of my presentation.
B: Honestly? The intro was a little too long.
(A:遠慮しないで。私のプレゼン、本当はどう思ったか教えて)
(B:正直に言うと? 出だしがちょっと長すぎたかな)
率直な意見を促す会話です。命令形の Don’t hold back. は「遠慮するな・本音を聞かせて」という、相手の発言を後押しする定番表現です。

あわせて覚えたい関連表現

restrain oneself
(自制する、思いとどまる)
より自覚的・意志的に「衝動を抑える」改まった表現です。hold back は日常的でカジュアル、抑える対象も感情から情報まで広い点で使い分けられます。

hold off
(行動を先延ばしにする、待つ)
hold off は「実行のタイミングを遅らせる」という時間的な保留を表します。hold back が「出す量・進む量そのものを抑える」のに対し、こちらは「いつやるか」を遅らせる点が異なります。

keep ~ to oneself
(〜を自分の胸にしまっておく)
情報や意見、感情を他人に言わずにおくことです。hold back の「情報を伏せる」用法と近いものの、keep to oneself は秘密を守る点に特化しています。

Note|Don’t hold back! という励ましの文化

レナードが「もう hold back しない」と宣言したように、英語圏では「抑える/抑えない」をめぐる表現が、励ましの言葉としてよく使われます。

その代表が Don’t hold back! という決まり文句です。直訳すれば「抑えるな」ですが、実際には「遠慮しないで全部出して」「思いきりやって」と、相手の自己表現を後押しするニュアンスで使われます。フィードバックを求める場面で Don’t hold back, tell me what you really think. と言えば「本音を聞かせて」になり、スポーツやパフォーマンスの場面でなら「全力を出しきれ」という発破になります。意見をはっきり言うことや、持てる力を出しきることを良しとする英語圏の会話文化と、この表現はとても相性よく根づいています。日本語の「遠慮しないで」と重なりながらも、より「出しきれ」の方向に強く振れているのが特徴です。

この感覚をつかんでおくと、hold back が単に「抑える」だけでなく、「抑えるのをやめる」という前向きな決意ともセットで使われる言葉だと見えてきます。レナードの宣言も、まさにその一例だったわけです。

抑えるのをやめた瞬間に、人は少しだけ前に出られます。

まとめ|レナードの空回りから学ぶこと

hold back は、前に出ようとする力や、こみあげる感情、伝えたい情報を「後ろに引き止めておく」という、抑制のニュアンスを的確に表す句動詞です。

この一言を押さえておくと、「我慢した」「遠慮した」「隠していた」といった微妙な心の動きを、ひとつの表現で自然に言い表せるようになります。Don’t hold back. のように、相手に本音や全力を促す場面でも役立つはずです。

遠慮をやめて一歩踏み出そうとしたレナードの、あの振り切れた姿を思い出しながら、自分が hold back している場面、あるいは手放したい場面を思い浮かべて、表現の引き出しに加えてみてください。

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