海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン1第13話では、ニールが誘拐事件の捜査官ライスに借り出され、かつての仲間ウィルクスを追うことになります。この回では、手続きや誠実さを装いながら自分の都合を押し通す言葉と、その建前を剥がして直截に指摘する言葉がせめぎ合います。捜査官としてのライスの物言いと、潜入先でニール自身が演じる正直さとが、思いがけず同じ手口を映し出す一話です。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン1第13話では、FBI特別捜査官キンバリー・ライスが、身代金目的の誘拐事件の捜査にニールを引き入れる。被害者は、かつてニールが偽造した債券の一件で因縁のある実業家スチュアート・グレスの娘リンジーで、犯人として浮かび上がるのはニールの元仲間ライアン・ウィルクスだ。ライスはニールの追跡アンクレットまで外して潜入捜査を進めさせるが、そこから事態は思わぬ形でねじれていく。その裏で、ニールは音楽箱を巡るアレックスとの取引も並行して動かそうとしている。ライスの強引な指揮とピーターの懸念が交錯するなか、事件がどんな決着を迎えるのかは本編に委ねられている。『ホワイトカラー』S01E13は、捜査の駆け引きと個人的な因縁が絡み合う一話である。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. make it worth your while
相手にとって割に合うようにする、見返りを用意するという意味です。
Neal: I’ll make it worth your while.
(それだけの見返りは用意するよ。)
音楽箱の情報を渡そうとしないアレックスに対し、ニールが見返りをちらつかせて交渉を仕掛ける場面です。I’llと自分から申し出る形にすることで、頼み込むのではなく取引を持ちかける対等な立場を保とうとしています。
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2. on the same page
認識をそろえる、同じ理解に立つという意味です。
Rice: Now that we’re all on the same page, let’s start with an easy one.
(これで全員の認識がそろったところで、まずは簡単な質問から始めましょう。)
ニールを預かることになったライスが、これから始める聴取の前に全員の認識をそろえたいと切り出す場面です。all on the same pageという協調的な言い方の裏には、これから自分の指示に従わせるという主導権の宣言が隠れています。
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3. run it by
(人)に相談する、(人)の判断を仰ぐという意味です。
Rice: Then you run it by me.
(それなら、私に相談しなさい。)
ニールを自分の道具のように扱うライスが、勝手な判断をせず必ず自分に相談しろと釘を刺す場面です。命令に近いThen you run it by me.という言い方に、対等な協力関係ではなく上下関係を明確にしようとする意図が表れています。
4. go to ground
身を隠す、雲隠れするという意味です。
Neal: If the FBI shows up, he’ll go to ground and cut his losses.
(FBIが現れれば、奴は姿をくらまして損切りするだろうね。)
FBIが張り込みに来れば、ウィルクスは損切りしてすぐ姿をくらますだろうとニールが読みを語る場面です。go to groundという動物の巣ごもりを思わせる言い回しに、犯罪者の行動パターンを熟知したニールらしい観察眼が表れています。
5. hang ~ out to dry
(人)を見捨てて矢面に立たせるという意味です。
Peter: You hung Neal out to dry for a gold star on your resume.
(お前は自分の経歴に箔をつけるためだけに、ニールを見捨てて矢面に立たせたんだ。)
ニールが人質の交換条件にされたことを知ったピーターが、ライスの独断を厳しく非難する場面です。for a gold star on your resumeと動機を名指しすることで、手続き上の正しさを装ったライスの判断の裏にある自己都合を暴いています。
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6. make it up to
(人)に埋め合わせをする、借りを返すという意味です。
Wilkes: You get to make it up to me.
(お前には、俺への埋め合わせをしてもらうぞ。)
かつて大金を持ち逃げされたウィルクスが、ニールに借りを行動で返させようと持ちかける場面です。You get toという言い方には、恩着せがましさと有無を言わせない強制の両方がにじんでいます。
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7. level with someone
(人)に本当のことを話す、正直に打ち明けるという意味です。
Neal: I’m gonna level with you, kathy.
(キャシー、正直に話すよ。)
旅行代理店のキャシーを油断させるため、偽名ニック・ハルデンを演じるニールが、シングルファーザーという作り話を「正直に打ち明ける」体で切り出す場面です。level withという誠実さを示す言い回しがそのまま嘘を通す道具として使われているところに、この潜入劇ならではの皮肉があります。
8. keep it together
平静を保つ、取り乱さないでいるという意味です。
Neal: Keep it together, moz.
(モズ、しっかりしろ。)
潜入捜査官を演じるモジーが怖じ気づいた瞬間、相方のニールが小声で落ち着けと声をかける場面です。名前を呼びかけながら短く命令するKeep it together, moz.という言い方に、緊張の中でも相棒を気遣うニールの一面が表れています。
9. call it in
(状況・結果を)報告する、無線や電話で連絡を入れるという意味です。
Neal: Call it in, haversham.
(通報しろ、ハヴァーシャム。)
偽の摘発を装う潜入劇の最中、金のカードに目がくらみかけたモジーに、ニールが予定通り通報の芝居を進めるよう合図する場面です。偽名havershamで呼びかけることで、演技を崩さないままモジーを段取りに引き戻しています。
10. burn a bridge
関係を後戻りできない形で壊す、修復不能にするという意味です。
Neal: Think I may have burned a bridge.
(関係を壊してしまったかもね。)
旧友ウィルクスとのやり取りがどうだったか聞かれ、ニールが関係を壊してしまったかもしれないと軽く答える場面です。Think I mayとぼかす言い方に、深刻な事態を軽く受け流そうとするニールらしい態度が表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
ライスの言葉を追うと、命令を協調的な言い方に包む癖が目立ちます。Now that we’re all on the same page, let’s start with an easy one.は、全員の認識をそろえるという体裁を取りながら、実質的には自分の聴取に従わせる宣言になっています。Then you run it by me.でも、相談という形を取りつつ、勝手な判断を許さない上下関係を言葉の上で確定させています。
この手続きめいた支配に対し、ピーターの言葉は建前を剥がして直截に切り込みます。You hung Neal out to dry for a gold star on your resume.は、ライスの判断を単なる手続き上の選択ではなく、経歴のための自己都合だったと名指しで暴く一言です。手続きの体裁を取り払い、動機そのものを言い当てるところに、ピーターらしい率直さが表れています。
興味深いのは、ニール自身も似た手口を使う点です。潜入先でキャシーに対してI’m gonna level with you, kathy.と切り出す場面は、正直さを示す言い回しをそのまま嘘のための道具にしています。ライスが手続きの体裁で自分の都合を通すように、ニールも誠実さの体裁で作り話を通そうとしており、この回の登場人物たちが互いに異なる立場から同じ手口を使い分けていることが見えてきます。
この回を見るときは、手続きや誠実さといった体裁の裏に、それぞれの人物がどんな都合を隠しているかに注目してみましょう。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|誠実さを装いながら相手を動かす英語
ニールの言葉には、正直さや親密さを装いながら、実際には自分の狙いへ相手を導く技巧が表れています。潜入先で見知らぬキャシーに対し、I’m gonna level with you, kathy.と切り出したうえで、シングルファーザーだという作り話を差し出す場面がその典型です。level withという誠実さを表す言い回しが、そのまま嘘を通すための足がかりとして使われています。
この技巧は敵に対しても発揮されます。ウィルクスの動きを読むIf the FBI shows up, he’ll go to ground and cut his losses.という一言には、相手の行動パターンを見抜く冷静な観察眼が表れています。一方でモジーに対してはKeep it together, moz.と短く声をかけるだけで、誠実さを演じる必要のない相棒には飾らない言葉を向けており、相手によって言葉の使い方を切り替える器用さが、この回のニールらしさとして浮かび上がります。
ピーター|建前を剥がして直截に指摘する英語
ピーターの言葉は、手続きや正当性の体裁を取り払い、動機そのものを名指しする働きを持っています。You hung Neal out to dry for a gold star on your resume.は、ライスの独断的な判断を、経歴のための自己都合だったと直截に言い切る一言です。for a gold star on your resumeという具体的な言い回しが、抽象的な非難ではなく的を絞った指摘であることを強めています。
この率直さは、身内であるニールの安全が絡む場面でより鮮明になります。ライスからYou better watch it, burke.と名指しで返されても引かない態度からは、手続き上の正しさより人の安全を優先するピーターの一貫した価値観が伝わってきます。
ライス|手続きの体裁で主導権を握る英語
ライスの言葉には、命令を協調や手続きの形に整えて伝える特徴があります。Now that we’re all on the same page, let’s start with an easy one.は、聴取という一方的な場を、全員が合意した共同作業であるかのように言い換えています。all on the same pageという協調的な表現が、実際には自分の指示に従わせる宣言として機能しています。
Then you run it by me.でも同様に、相談という体裁を取りながら、ニールの判断の自由を封じています。ピーターにYou better watch it, burke.と強気に言い返す場面からもうかがえるように、ライスは自分の主導権を脅かすものには手続きの言葉を盾にして応じる話し方が持ち味です。
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