海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン2第9話では、ケイトが遺したオルゴールの謎と、行方をくらませたファウラーの足取りを同時に追う中、日常業務へ意識して切り替えようとする言葉と、執念や切迫感を隠しきれない言葉の対比が、この回の会話には表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン2第9話では、ニールとモジーはケイトが遺したオルゴールの謎を追い続ける一方、行方をくらませたFBI捜査官ファウラーの足取りをつかもうとする。並行してニールとモジーは、盗まれたスペイン銀器の窃盗事件をピーターに「発見」させるため、精巧な偽の捜査ファイルを仕込む一計を巡らせる。ファウラーの銀行口座に動きがあったことをきっかけに、チームは彼をおびき出す作戦へと動き出していく。『ホワイトカラー』S02E09のあらすじを追うときは、日常の仕事に戻ろうとする言葉と、執念を隠しきれない言葉がどこで入れ替わるかに注目すると、この回ならではの緊張感が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. walk someone through something
(人)に手順を説明する、順を追って案内するという意味です。
Mozzie: First walk me through it.
(まずは手順を説明してくれ。)
オルゴールの鍵の仕掛けを録音する前に、まず手順を説明してほしいとモジーが求める場面です。Firstと前置きしてから頼み込む言い方に、逸る気持ちを抑えて手順を踏もうとする慎重さが表れています。
2. out of harm’s way
危険の及ばないところへ、安全な場所へという意味です。
Peter: I’m getting this out of harm’s way.
(これは危険の及ばない場所へ移す。)
オルゴールを危険が及ばない場所へ移すと、ピーターがその場で告げる場面です。説明を求められる前に自分から動く言い方に、日常業務に戻る前にまず安全を確保しようとする姿勢が表れています。
3. business as usual
いつも通り、平常運転という意味です。
Peter: It’s back to business as usual.
(明日からはいつも通りの仕事に戻るぞ。)
危険なオルゴールをどう扱うか話し合った末、翌日はいつも通りの業務に戻ろうとピーターが仕切り直す場面です。back toと区切りをつける言い方に、執念に引きずられず日常を保とうとする意識が表れています。
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4. small price to pay
安いものだ、大したことのない代償だという意味です。
Neal: Small price to pay.
(安いものさ。)
ジューンの犬の散歩を頼まれたことについて、部屋を借りている身としては安いものだとニールが軽く受け流す場面です。短く言い切る答え方に、執念を燃やす捜査の合間でも日常の頼み事は素直に引き受けるニールの一面が表れています。
5. do the trick
うまくいく、効果がある、事足りるという意味です。
Peter: This should do the trick.
(これで決まりだ。)
次に手がける事件のファイルを選ぶ中で、この案件で決まりだとピーターが手応えを口にする場面です。日常の業務選びを淡々と進める言い方に、水面下で進む本当の狙いとは切り離された穏やかさが表れています。
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6. work from home
自宅で仕事をする、在宅勤務するという意味です。
Peter: Can you work from home?
(在宅で作業できるか?)
オフィスを避けて内密に調べてほしいと指示した後、在宅で作業できるか確認する場面です。日常語彙の在宅勤務を持ち出す言い方の裏に、内密に進めなければならない切迫した事情が隠れています。
7. get away with something
(悪いことをして)うまく逃げ切る、罰を逃れるという意味です。
Peter: You’re not gonna get away with this.
(こんなことをして逃げ切れると思うなよ。)
ダイアナの部屋で保管していたはずのオルゴールが消えたことを、ピーターがニールを問い詰める場面です。日頃の穏やかさを脱ぎ捨てた強い言い切りに、抑えていた執念がにじみ出ています。
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8. go after someone
(人)を追う、追跡するという意味です。
Peter: I’m going after him.
(俺が奴を追う。)
美術館に現れたファウラーを見つけ、ピーターが自ら追跡に向かう場面です。日常の指揮官然とした口調から一転して自ら動く一言に、これまで積み重ねてきた執念の切迫感が表れています。
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9. spit it out
さっさと言う、はっきり言うという意味です。
Peter: Just spit it out!
(さっさと言え!)
回りくどい前置きを続けるモジーに対し、ピーターが要点を早く言えと急かす場面です。短い命令形に、悠長な前置きに付き合っていられないほどの切迫感が表れています。
10. get rid of someone
(人)を取り除く、排除する、始末するという意味です。
Neal: You blew up the plane to get rid of us!
(お前は俺たちを消すために飛行機を爆破したんだ!)
銃を構えたニールが、ケイトを死なせた理由を問い詰めながらファウラーに詰め寄る場面です。日常の軽妙さが消え去った激しい言い切りに、積もり積もった執念がついに爆発する瞬間が表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
ピーターの言葉を追うと、日常の言い回しと切迫した言い回しが繰り返し入れ替わる。It’s back to business as usual.と仕切り直したかと思えば、Can you work from home?と在宅勤務という日常語彙で内密の任務を指示する。ところがオルゴールの紛失を知ると、You’re not gonna get away with this.と語気を強め、ファウラーを見つけた瞬間にはI’m going after him.と自ら動く。日常に戻ろうとする言葉と、抑えきれない執念がにじむ言葉が、同じピーターの口から交互に出てくるところにこの回の緊張感がある。
ニールの言葉には、執念と日常が同居している。ジューンの犬の散歩を頼まれてもSmall price to pay.と軽く受け流す一方で、ケイトの死の真相に迫る場面ではYou blew up the plane to get rid of us!と、それまでの軽さが消えた激しい言い切りに変わる。日常の頼み事には素直に応じながら、事件の核心に触れた瞬間だけ言葉の温度が跳ね上がるところに、ニールの中に潜む執念の大きさが表れている。
モジーは、切迫した場面でもすぐには本題に入らない。コードレッドを告げに来たにもかかわらず、It’s a dark day when I turn towards the system instead of recoiling.と大仰な前置きを続け、First walk me through it.とオルゴール解読の場面でも手順の説明を先に求める。急ぐべき場面ほど回りくどくなるモジーの話し方は、ピーターの切り替えの速さやニールの言葉の跳ね上がりとは違う形で、この回の緊張感を際立たせている。
聞き取りの際は、同じ人物が日常の話し方から切迫した話し方に変わる瞬間がどこにあるかに注目してみてほしい。ドラマをもう一度見るときは、日常語彙を使う場面の声の落ち着きと、執念がにじむ場面の声の速さの違いを聞き比べると、この回の緊張感の高まり方がより分かりやすくなる。
キャラクター別|英語の特徴
ピーター|日常と切迫を行き来する英語
ピーターは、It’s back to business as usual.と日常へ切り替える号令をかけたかと思えば、Fowler just became the priority.と最優先任務を宣言し、Can you work from home?と具体的な指示を重ねます。台本では、ピーターの発話としてStay away from the office.も確認できます。日常の語彙で指示を出しながら、内容そのものは内密の任務であるという落差に、抑制の効いた指揮官らしさが表れています。
その抑制は、オルゴールの紛失を知った瞬間に崩れます。You’re not gonna get away with this.と語気を強め、ファウラーを見つけるとI’m going after him. Stay on the entrance.と役割分担を瞬時に言い切ります。日常の落ち着きと執念のほとばしりが同じ人物の中で切り替わるところに、この回のピーターの特徴が集約されています。
ニール|日常の合間に執念をのぞかせる英語
ニールは、ジューンの飼い犬の世話をSmall price to pay.と軽く引き受けるなど、日常の頼み事には素直に応じます。台本では、ニールの発話としてYou blew up the plane to get rid of us!も確認できます。犬の世話を語る軽妙な調子と、ケイトの死の真相に迫る激しい言い切りとの落差が、ケイトを失ってなお執念を燃やし続けるニールの二面性を映し出しています。
日常の一言と執念の言葉のどちらも同じ声で語られるからこそ、次にどちらの調子で話し出すのか読めないところが、この回のニールらしい緊張感を生んでいます。
モジー|切迫した場面でも回りくどい英語
モジーは、コードレッドを告げに来たにもかかわらず、It’s a dark day when I turn towards the system instead of recoiling.と大仰な前置きを続けます。台本では、モジーの発話としてFirst walk me through it.も確認できます。急を要する場面でも、あるいは謎解きの場面でも、結論より先に手順や理屈を語りたがるところが共通しています。
ピーターが日常と切迫を素早く切り替え、ニールが軽さと執念を同居させるのに対し、モジーはどんな場面でも同じ回りくどさを崩しません。この崩れなさが、この回のモジーらしい味わいになっています。
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