海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン2第10話では、モジーを撃った黒幕の正体を追うピーターとニールが、容疑者の偽名を一つずつ潰していきます。捜査が核心に迫った直後、思いがけない罠にはめられたピーターはバッジと拳銃を取り上げられ、チームは通常のルートを外れた形で汚名をそそぐ動きに出ることになります。権限を失っても揺るがないピーターの言い切りと、正攻法が使えないからこそ際立つニールの機転や駆け引きの言葉が、この回の会話には並んで表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン2第10話は、モジーを撃った黒幕を追う捜査から幕を開ける。ピーターとニールは容疑者ラーセンの偽名を一つずつ封じ込め、じわじわと追い詰めていくが、証拠改ざんの疑いをかけられたピーターは司法省にファイルを押収され、バッジと拳銃を取り上げられてしまう。汚名をそそぐため、ピーターはニールやチームとともに、正規の手続きを離れた独自の作戦に打って出ることになる。ヨットクラブへの潜入や声を合成する仕掛けといった型破りな手段も繰り出しながら、チームはラーセンの罪を暴こうとする。『ホワイトカラー』S02E10のあらすじを追うときは、追い詰める側の断定的な物言いと、罠にはまった側が汚名をそそぐために選ぶ機転の利いた言葉の違いにも注目したい。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. stay ahead of
~の先を行く、~より一歩先んじる、という意味です。
Peter: How’d you stay ahead of me when I was after you?
(僕が追っていた間、どうやって僕の先を行っていたんだ?)
かつて自分が追っていたニールに、その逃走術をピーターが尋ねる場面です。疑問形を使いながらも、責める調子ではなく、素直な感心がにじんでいます。
2. shut something down
(何かを)閉鎖に追い込む、使えなくする、という意味です。
Peter: I’ll work up a list of all of Larssen’s aliases and start shutting ‘em down, put him on every watch list until he has no way out of New York.
(ラーセンの偽名を全部リストアップして、片っ端から潰していく。監視リストに載せて、ニューヨークから出られないようにする。)
ラーセンを追い詰める具体策を並べる場面です。動詞を切れ目なく重ねる話し方に、後には引かない捜査官の意志が表れています。
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3. tear something apart
(場所などを)徹底的に捜索する、くまなく調べる、という意味です。
Peter: We tear this place apart.
(この場所を徹底的に捜索するぞ。)
ラーセンの逮捕直後、証拠を探すための号令をかける場面です。主語も理由も省いた短い言い切りに、部下を即座に動かす迷いのなさが表れています。
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4. bring something into question
~に疑問を投げかける、~を問題視されることになる、という意味です。
Peter: Every case I’ve closed will be brought into question.
(これまで自分が解決してきた事件のすべてが、疑問視されることになる。)
証拠改ざんの疑いをかけられたピーターが、自分の身に起きた事態を淡々と語る場面です。受け身の構文を選ぶことで、感情を交えずに現実を突き放して見せています。
5. make a scene
ひと騒動起こす、目立つ真似をする、という意味です。
Neal: I’ll make a scene, then you come in, and you’re pissed at me because…
(僕がひと騒動起こす。そこに君が割って入って、僕に腹を立てているふりをするんだ。)
ヨットクラブへの潜入計画をピーターに持ちかける場面です。段取りを一息にまくし立てる話し方に、コンを仕掛け慣れたニールの手際のよさがにじんでいます。
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6. pick up a thing or two
(自然と)ちょっとしたコツ・知識を身につける、という意味です。
Peter: You pick up a thing or two.
(自然と、多少のことは身につくものさ。)
ヨットクラブで競馬談義を仕掛けたピーターが、田舎育ちだからだと種明かしをする場面です。謙遜めいた言い方の裏に、意外な特技への軽い自負がのぞいています。
7. catch someone red-handed
~を現行犯で捕まえる、という意味です。
Peter: Normally, I’d get a search warrant on the docks, do a wiretap and surveillance on Larssen and Bilal, and catch them red-handed smuggling whatever it is they smuggle.
(普段なら、埠頭の令状を取って、ラーセンとビラルを盗聴・監視して、密輸の現場を押さえるところだ。)
正規の捜査手順ならどうなるかを、ピーターがまず並べて見せる場面です。andでいくつもの手続きをつなげる話し方に、本来なら踏むべき段取りの多さが表れています。
8. hear someone out
(最後まで)人の話を聞く、という意味です。
Neal: Just hear me out.
(とにかく、最後まで聞いてくれ。)
コン(策略)だと見抜かれたニールが、ひとまず話を最後まで聞いてほしいと頼み込む場面です。Justの一言に、反論を封じて間を稼ごうとする粘りが表れています。
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9. stick to something
(あるものだけ)に絞る、~を守り通す、という意味です。
Sara: If you stick to these, the computer converts them to Larssen’s voice.
(これだけを使えば、コンピューターがラーセンの声に変換してくれる。)
尋問記録から抽出した99語の仕掛けを、サラが技術的に説明する場面です。条件節ifを先に置くことで、制約付きの技術であることをまず明確にしています。
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10. nicely played
うまくやったね、よくやった(相手の巧みな一手への賛辞)、という意味です。
Mozzie: Nicely played, Mrs. Suit.
(うまくやったね、レディ・スーツ。)
サプライズで作戦に加わったモジーが、自分を焚きつけたエリザベスの立ち回りを、からかい混じりに褒める場面です。あだ名を添えることで、賛辞に軽妙な茶目っ気を加えています。
このエピソードの英語学習ポイント
ピーターの言葉づかいを追うと、権限があるときとないときで調子がまるで変わらないことに気づきます。逮捕直後には”We tear this place apart.”と部下に号令をかけていたピーターは、自分がバッジを奪われる番になると”Every case I’ve closed will be brought into question.”と、今度は自分の身に起きたことを同じ調子で言い切ります。命じる相手が部下から自分自身に変わっても、断定形を崩さないところに、この人物の一貫性が表れています。
その一方で、正規の手続きが使えなくなったチームを実際に動かすのはニールの言葉です。”I’ll make a scene, then you come in, and you’re pissed at me because…”と段取りを一気に提案し、疑いの目を向けられれば”Just hear me out.”と間を稼ぎます。あらかじめ計画を語り、反論が来たら食い止める、という二段構えの話し方が、権限のない状況でチームを前に進める役割を果たしています。
面白いのは、ピーター自身が”Normally, I’d get a search warrant on the docks, do a wiretap and surveillance on Larssen and Bilal, and catch them red-handed smuggling whatever it is they smuggle.”と、本来ならこう進めるはずだという正攻法を一度きちんと言葉にしている点です。実際にチームが選ぶのはこの手順ではなく、ヨットクラブへの潜入という即興の作戦であり、正攻法を語る言葉と実際に選ばれる言葉のずれそのものが、この回の状況を物語っています。次にこの場面を見るときは、ピーターが「本来の手順」を口にする瞬間と、チームが実際に動き出す瞬間の間にどれだけの距離があるかを、耳で追ってみると発見があります。
キャラクター別|英語の特徴
ピーター|自分の失脚も部下への指示も同じ調子で言い切る
無実の罪でバッジと拳銃を取り上げられても、ピーターの物言いは変わりません。台本ではピーターの発話として、逮捕直後に部下へ放つ”We tear this place apart.”(この場所を徹底的に捜索するぞ。)と、自分の失脚を告げる”Every case I’ve closed will be brought into question.”(これまで自分が解決してきた事件のすべてが、疑問視されることになる。)の両方が確認できます。前者は主語も理由も省いた命令、後者は自分を主語にしない受け身の構文と、文法の形は違っても、どちらも感情の起伏を挟まずに事実だけを言い切るところは共通しています。
権限を持つ立場でも失う立場でも同じ言い方しかしないという一貫性は、頼もしさである一方、心情の吐露をほとんど許さない話し方でもあります。汚名をそそぐための独自作戦を選ぶ場面でも、ピーターが弱音や迷いを言葉にする瞬間はほとんどなく、事実の報告と指示だけで場面が進んでいきます。
ニール|遠回しな提案で巻き込み、間を稼いで押し通す
“I’ll make a scene, then you come in, and you’re pissed at me because…”と持ちかける場面から、この回のニールの話し方は始まります。ヨットクラブへの潜入計画を、断定ではなく段取りの提案として差し出す言い方に、相手に選ばせているように見せながら実際には巻き込んでいく手口が表れています。台本ではニールの発話として、疑いを向けられたときの”Just hear me out.”(とにかく、最後まで聞いてくれ。)も確認できます。
提案をまず投げ、反論が来たら「最後まで聞け」と時間を稼ぐ。この二段構えの話し方は、正規の手続きを使えない状況でこそ効果を発揮するもので、権限を失ったピーターを実際に動かす原動力にもなっています。断定を避けながらも相手を前に進ませる、ニールらしい話術の型がこの回にも一貫しています。
モジー|療養中でも軽口と陰謀論で場をかき回す
エリザベスが見舞いに訪れた病室で、モジーの軽口はいつも通り絶好調です。台本ではモジーの発話として”Next you’ll tell me that Paul McCartney wasn’t replaced by a lookalike in 1966.”(次は、ポール・マッカートニーが1966年に替え玉と入れ替わっていないなんて言い出すんだろう。)という持論の陰謀論が確認でき、話題を軽く茶化して受け流す癖が銃撃からの療養中でも健在であることが分かります。サプライズで作戦に加わった場面での”Nicely played, Mrs. Suit.”(うまくやったね、レディ・スーツ。)にも、独特のあだ名遣いに乗せた賛辞という、モジーらしい間接的な褒め方が表れています。
真正面から褒めたり驚いたりする代わりに、陰謀論やあだ名という一段回り道した言葉を選ぶところに、この人物の博識でひねくれた話し方の一貫性が見えます。
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