海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン5第2話は、昇進したピーターのもとに新しいハンドラーのシーゲルが着任するところから始まります。慣れない相手同士が距離を測り合う一方で、モジーの周辺では隠していたはずの過去がじわりと表面に出はじめます。この回の会話には、相手にどう見られるかを先回りして操ろうとする言葉と、それを額面通り受け止めて評価を下す言葉の対比が表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン5第2話では、ASACに昇進したピーターのもとで、ニールには新たなハンドラーとしてシーゲル捜査官が着任する。同じ頃、闇市サイト「Greytrade」の摘発が進むなか、モジーの裏の顔である「テディ・ウィンターズ」の正体が捜査線上に浮かび上がり、モジーは自らの過去と向き合わざるを得なくなる。臨月を迎えたダイアナの周辺にも慌ただしい変化が訪れ、新体制のもとでそれぞれが手探りの一日を過ごすことになる。『ホワイトカラー』S05E02のあらすじを追うときは、誰が相手の見方を操ろうとし、誰がそれを額面通り受け止めているかに注目すると、この回ならではの駆け引きが見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. be all ears
興味津々で聞く、耳を傾ける態勢であるという意味です。
Peter: Well, we’re all ears.
(よし、話を聞こうじゃないか。)
違法サイトの摘発方法についてニールが妙案があると言い出し、ピーターが半信半疑ながらも話を聞く姿勢を見せる場面です。we’reと複数形でチームの姿勢として述べる言い方に、疑いを残しつつも一度は耳を貸す、上司としてのバランス感覚が表れています。
2. read into it
(言葉や態度を)深読みする、過剰に意味づけるという意味です。
Siegel: I’m 31, but don’t read into it.
(俺は31だが、それを深読みしないでくれ。)
新しいハンドラーとして紹介されたシーゲルが、自分の若さを気にしないでほしいと先回りして牽制する場面です。but don’t read into itと、相手が気にするであろう点を自分から先に封じる言い方に、値踏みされることへの警戒がにじんでいます。
3. diamond in the rough
(見た目は地味でも)磨けば光る掘り出し物という意味です。
Siegel: Yeah, Little Star’s our diamond in the rough here.
(ああ、リトル・スターがここでの掘り出し物だ。)
闇市サイトの資料から新たな捜査対象を選び出し、シーゲルがこれこそ今回の掘り出し物だと意気込む場面です。地味な対象をdiamond in the roughと言い換える言い方に、他人の値打ちを見抜こうとするシーゲルの評価眼が表れています。
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4. on the grid
(公的記録・追跡システムなどで)所在や存在が把握できる状態にあるという意味です。
Peter: Teddy Winters is on the grid but only barely.
(テディ・ウィンターズは記録には残っているが、ほんのわずかだけだ。)
テディ・ウィンターズという人物の身元を洗うピーターとニールが、公的な記録にはごくわずかな痕跡しか残っていないことを確認する場面です。but only barelyと限定を添える言い方に、対象を淡々と値踏みするピーターの捜査官らしい目が表れています。
5. steer someone off the scent
(人の)目をそらす、勘づかれないようにするという意味です。
Neal: I managed to steer Peter off the scent.
(ピーターの目はうまくそらしておいたよ。)
正体が発覚しかけて動揺するモジーに対し、ニールがピーターの疑いはうまくそらしておいたと安心させる場面です。managed toと苦労の末に成功したことを強調する言い方に、相手の評価をあえて誤らせようとするニールの気配りが表れています。
6. under protest
不本意ながら、抗議しつつという意味です。
Mozzie: Fine, I’ll go to the morgue, but I’m doing this under protest.
(分かった、死体安置所には行くさ。でも、これは不本意ながらだからな。)
死者の歯を回収するという気の進まない頼まれごとを、渋々ながら引き受けるとモジーがぼやく場面です。Fineと折れながらもunder protestと一言添える言い方に、指示には従いつつ自分の不満だけは相手に伝えておきたいモジーの流儀が表れています。
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7. beggars can’t be choosers
贅沢は言えない、選り好みできる立場ではないという意味です。
Neal: Beggars can’t be choosers.
(贅沢は言えないだろう。)
爆発音を大きくしたいと注文をつけたモジーに対し、ニールがぜいたくは言えないだろうと切り返す場面です。相手の希望を短く切り捨てる言い方に、頼まれごとをする側の立場をやんわり思い出させるニールの余裕が表れています。
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8. beat yourself up
自分を責める、自分を追い詰めるという意味です。
Peter: Don’t beat yourself up.
(自分を責めるな。)
捜査対象を取り逃がして落ち込むシーゲルに対し、ピーターがよくやったのだから自分を責めるなと声をかける場面です。短い命令形で率直に伝える言い方に、部下の失敗を評価しつつも人格までは断罪しないピーターの姿勢が表れています。
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9. that’s our cue
それが合図だ、それでは失礼するタイミングだという意味です。
Elizabeth: I think that’s our cue.
(そろそろ私たちの出番は終わりだと思うわ。)
病室でダイアナの休息を気遣う会話を聞いて、エリザベスがそろそろ席を外す頃合いだと察する場面です。I thinkと控えめに切り出す言い方に、その場の空気を読んで身を引くエリザベスらしい気配りが表れています。
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10. pay the piper
(自分の行為の)代償を払う、つけを払うという意味です。
Neal: Hey, you paid the piper.
(もう十分に代償は払っただろう。)
ヘイゲンの再審が決まり不満げなモジーに対し、ニールがすでに代償は払ったのだからと声をかける場面です。you paidと相手の行いをすでに終わったこととして言い切る言い方に、割り切れない気持ちに区切りをつけようとするニールの配慮が表れています。
このエピソードの英語学習ポイント
シーゲルの英語を追うと、他人を値踏みしながら、自分への値踏みは先回りしてかわす、二重の姿勢が見えてきます。捜査対象を選ぶ場面でYeah, Little Star’s our diamond in the rough here.と評価眼を働かせる一方、自分の若さを話題にされた瞬間にはI’m 31, but don’t read into it.と、相手が下すはずの評価を自分から先に封じています。他人を測る側でありながら、自分が測られることには警戒するという構えが、新任者らしい緊張感を伝えています。
一方でニールは、ピーターの評価そのものを操作する側に回ります。モジーの正体が発覚しかけた場面でI managed to steer Peter off the scent.と語る一言は、ピーターの捜査官としての判断そのものをあえて誤らせようとする行為です。同じテディ・ウィンターズについてピーターがTeddy Winters is on the grid but only barely.と淡々と評価を下しているのとは対照的に、ニールは評価を導く側の情報そのものに手を加えています。
ピーターの言葉には、こうした駆け引きとは距離を置いた率直さが残ります。ニールの妙案にはWell, we’re all ears.と半信半疑ながらも耳を貸し、シーゲルの失敗にはDon’t beat yourself up.と評価を下しつつ人格までは責めません。誰かを測る言葉、測られまいとする言葉、その評価をこっそり操る言葉が入り混じるこの回は、字幕を外して声の間合いを聞き比べると、誰がどの立場に立っているかがより鮮明に伝わってくる。
キャラクター別|英語の特徴
シーゲル|他人を値踏みしながら、自分への値踏みはかわす英語
新しいハンドラーとして着任した初日から、この回のシーゲルは終始、他人を評価する側に立ちながら、自分が評価される場面には身構える。台本では、シーゲルの発話としてOne thing I learned about C.I.s like Neal: They like smoke, and I know exactly where to blow it.が確認できる。C.I.(捜査協力者)一般の傾向として語りながら、実際にはニール個人を値踏みしている言い方に、対象を一段引いたところから観察する癖が表れている。
その一方で、自分の経歴や若さが話題になった途端、I’m 31, but don’t read into it.と、相手の評価を先回りして遮ろうとする。他人を測るときの落ち着きと、自分が測られるときの警戒とが同じ人物の中に同居しているところに、まだ信頼を勝ち取っていない新任者らしい緊張感がにじんでいる。
ニール|相手の評価そのものを操作する英語
自分が疑われている状況でも、この回のニールは正面から否定するのではなく、相手の判断そのものに手を加える方向で動く。台本では、ニールの発話としてI have a friend who fits the bill, and Agent Burke is jumping to conclusions.が確認できる。Agent Burkeとフォーマルに呼びながら、相手の推論を「早合点」だと軽く笑い飛ばす言い方に、正面衝突を避けて相手の評価軸ごとずらす話し方が表れている。
モジーの正体が発覚しかけた場面でI managed to steer Peter off the scent.と語る一言も同じ性質を持つ。ピーターが下すはずだった評価そのものをあらかじめ誤らせておくという行為に、値踏みされる側でありながら、値踏みの結果を陰で操る、ニールらしい二重の立ち回りが表れている。
ピーター|昇進後も変わらない、額面通りの評価
役職が変わっても、この回のピーターは部下を測る言葉に駆け引きを持ち込まない。台本では、ピーターの発話としてThis is why we’re the federal agents, and you’re the criminal informant.が確認できる。皮肉を交えながらも立場の線引きを短く言い切る言い方に、役職が変わっても崩れない、率直な評価基準が表れている。
同じ率直さは、ニールの提案にWell, we’re all ears.と半信半疑のまま耳を貸す場面や、部下の失敗にDon’t beat yourself up.と声をかける場面にも一貫している。相手の見方を操ろうとする周囲の駆け引きの中で、額面通りに聞き、額面通りに評価を下すピーターの態度が、この回では際立って見える。
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