海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン5第5話は、誰かを演じるよそ行きの言葉と、素のまま気安く交わされる言葉とが、同じ屋敷の中で行き来する回です。執事に扮したニールや、揉め事処理人を演じるピーター、旧姓を名乗って昔の顔に戻るエリザベスと並べて見ると、それぞれが誰の前でどの言葉を選んでいるのかという対照が、この回の会話に浮かび上がってきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン5第5話では、資産家ウォルコット家で長年仕えた執事が解雇されたことを受け、エリザベスの推薦で、ニールは執事「カーライル」としてこの屋敷に潜り込むことになる。15年前に失踪した息子パトリックが突然帰ってきたことを喜ぶ資産家ウォルコットだったが、かつて家庭教師を務めていたエリザベスは、旧姓のミッチェルを名乗って再会したパトリックに違和感を覚え、ニールたちとともに真偽を探り始める。一方モジーは、思いがけず3つの養蜂の巣箱を抱えることになり、慣れない世話に追われている。誰かを演じる言葉と、素のままの気安い言葉がすれ違うこの屋敷の中には、それぞれの素顔がふと垣間見える瞬間がちりばめられている。『ホワイトカラー』S05E05のあらすじを追うときは、誰が誰を演じ、誰が素のまま話しているのかに注目すると、この回ならではの緊張が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. knock it out of the park
大成功を収める、期待以上の結果を出すという意味です。
Elizabeth: You think you can knock it out of the park?
(今夜はうまくやれると思ってる?)
野球好きのピーターに合わせて、エリザベスがその意気込みを野球用語でからかう朝の場面です。軽口の応酬がそのまま夫婦の空気を作っていて、深刻さのかけらもない軽やかな掛け合いになっています。
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2. take it from me
私を信じて、私の言うことを信じてほしいという意味です。
Mozzie: And Cleopatra bathed in milk and honey, and, take it from me, what it did for my undercarriage…
(クレオパトラも蜂蜜とミルクの風呂に入っていたそうだが、その効能ときたら、僕の体で保証するよ…)
蜂蜜の歴史的な効能を語りながら、自分自身の体験談まで持ち出して自慢げに話す場面です。話が脱線していく様子に、聞かれてもいないのに自分語りを差し挟むモジーらしい饒舌さが表れています。
3. case something
(犯罪目的で)下見をする、様子を探るという意味です。
Peter: You’re casing her art.
(彼女の美術品を下見してるんじゃないのか。)
エリザベスの荷物を持とうとしたニールを見て、ピーターがすかさず茶化す場面です。三人称でその場にいるエリザベス本人にも聞こえるように言うところに、元詐欺師の癖を軽く突く、ピーターらしいからかいが表れています。
4. never look back
後ろを振り返らない、過去を気にせず前に進むという意味です。
Patrick: On a ski day, I snowboarded from Zermatt to Cervinia, sold my gear, hopped on a train, and never looked back.
(スキー旅行のときに、ツェルマットからチェルヴィニアまでスノーボードで滑り降りて、道具を売り払い、列車に飛び乗って、二度と振り返らなかったんだ。)
かつて家庭教師をしていたエリザベスに、家出をしていた頃の逃避行を、パトリックを名乗る人物が語って聞かせる場面です。細部まで淀みなく語るその話しぶりに、聞き手を引き込む巧みさがにじんでいます。
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5. a pot-kettle situation
自分のことを棚に上げて相手を責めている状況(目くそ鼻くその状態)という意味です。
Bea: Seems we have a pot-kettle situation.
(お互い様、ってところかしらね。)
ビーの系図調べを詮索と勘違いしたことを詫びたカーライル(ニール)に対し、ビーが皮肉交じりに切り返す場面です。相手の非を指摘し返すこの言い方に、育ちの良さの中にも鋭さを隠さないビーの気質がのぞいています。
6. put out feelers
それとなく情報を探る、内々に打診するという意味です。
Mozzie: Skinny Gianetta got nabbed, so his wife put out feelers.
(スキニー・ジャネッタが捕まったから、あいつの女房がそれとなく情報を探ったのさ。)
3つの養蜂の巣箱をどう手に入れたのか、裏社会の伝手を使った経緯をモジーが語る場面です。物騒な捕り物の話を蜂蜜集めの延長のように淡々と語るところに、裏稼業に慣れたモジーらしい飄々とした語り口が表れています。
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7. take it easy
気楽にやる、無理をしないという意味です。
Elizabeth: Besides, you need to take it easy.
(それに、あなたは無理しちゃだめ。)
ウォルコットへの説明役を自分が引き受けると決めたエリザベスが、体調の悪いピーターに無理をしないよう伝える場面です。besidesと理由を付け加える言い方に、有無を言わせず夫を休ませようとするエリザベスの気遣いが表れています。
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8. on the mend
(病気などから)回復に向かっているという意味です。
Peter: I’m on the mend.
(もう治りかけてる。)
体調不良を理由に現場から外されそうになったピーターが、もう回復していると言い張る場面です。断定を短く言い切るその話し方に、弱った姿を見せまいとするピーターの意地が表れています。
9. make something go away
(問題・厄介ごとなどを)なかったことにする、もみ消すという意味です。
Peter: That money can make this go away?
(その金でこの件をなかったことにできるとでも?)
金で解決しようとするパトリックを名乗る人物に対し、「揉め事処理人レオ・コバック」を演じるピーターが冷ややかに切り返す場面です。疑問形でありながら答えを求めていないこの言い方に、相手を追い詰める駆け引きの巧みさが表れています。
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10. go door to door
一軒一軒訪ねて回るという意味です。
Peter: All right, we’re gonna have to go door to door.
(よし、一軒ずつ当たっていくしかないな。)
容疑者を見失ったチームに向けて、ピーターが周辺の建物を一軒ずつ当たるよう指示する場面です。All rightと気持ちを切り替えて即座に次の指示を出すところに、指揮官としてのピーターの実務的な判断力が表れています。
このエピソードの英語学習ポイント
屋敷に潜り込んだニールは執事らしい丁寧な物腰を崩しませんが、And that’s where Leo Kovak comes in.と、今度は仲間の変装まで仕立て上げてしまいます。誰かを演じるだけでなく、演じさせる側にも回るこの身のこなしに、詐欺師としてのニールの底力が表れています。
ピーターも、屋敷の外ではYou’re casing her art.と気安く軽口を叩く一方、揉め事処理人「レオ・コバック」を演じる場面ではThat money can make this go away?と一転して冷徹な取引を持ちかけます。同じ人物が場に応じて言葉のトーンをまるごと切り替えるこの落差からは、素のときの直截さが変装の中でも保たれていることも見えてきます。
エリザベスもまた、Liz Mitchell. I’m coming in.と旧姓を名乗ってかつての家庭教師の顔に戻る一方、自宅ではBesides, you need to take it easy.と気安く夫を気遣います。誰かに向けた顔と、家族に向けた素顔が同じ回の中で行き来する様子は、この屋敷にまつわる登場人物たちに共通する構図です。
この回を見返すときは、それぞれの人物が誰の前でどの名前・どの言葉遣いを選んでいるかに注目してみてください。呼びかけの言葉や名乗りが変わる瞬間を意識して聞き分けると、演じている言葉と素の言葉の境目が、字幕だけを追うよりも具体的に見えてきます。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|変装を仕込む策士でありながら、素の機知も隠しきれない話し方
エリザベスの推薦で執事「カーライル」としてウォルコット家に潜り込んだニールは、変装の達人らしく、今回はピーターの潜入計画まで仕立て上げます。台本ではAnd that’s where Leo Kovak comes in.という発話が確認でき、ピーターに「レオ・コバック」という架空の人物を演じさせる筋書きを自ら考案していることがわかります。
自分自身が変装するだけでなく、仲間の変装まで設計してしまうところに、この回のニールらしい策士ぶりが表れています。丁寧な執事言葉を崩さず屋敷の中を立ち回りながらも、ふとした場面でビーに詮索を見抜かれかけるなど、板についた演技の奥に、素顔がのぞきかけた瞬間も見え隠れします。
ピーター|潜入先でも素のままでも一貫した押しの強さを見せる話し方
普段のピーターは、エリザベスの荷物を持とうとしたニールを見て、You’re casing her art.とすかさず茶化す軽口も忘れません。台本ではI’m on the mend.という発話も確認でき、体調不良を理由に現場から外されそうになっても、実直に自分の状態を言い切って作戦への参加を主張する姿が見て取れます。
その一方で、大富豪の「揉め事処理人レオ・コバック」を演じる場面では、That money can make this go away?と冷徹な取引を持ちかけます。素のときも変装したときも、遠回しにせず要点を突きつけるこの押しの強さは変わらず、屋敷の中で丁寧な言葉を崩さないニールの執事役とは対照的な、ピーターらしい直球の話し方が一貫しています。
エリザベス|旧姓を名乗って過去に戻る一方、家では素のまま夫を支える話し方
自宅では、You think you can knock it out of the park?と夫の野球好きに合わせて軽口を叩くエリザベスですが、ウォルコット家を訪ねるときは旧姓を使い、Liz Mitchell. I’m coming in.と、かつての家庭教師としての顔で名乗って部屋に入っていきます。
体調を崩したピーターには、Besides, you need to take it easy.と気遣いながらも、ウォルコットへの説明役を自分から買って出る芯の強さも見せます。家では気安い軽口を、屋敷では旧姓での名乗りを、それぞれの場にふさわしい言葉で使い分けるところに、この回のエリザベスの柔軟さが表れています。
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