海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン5第4話は、同僚捜査官の死をいまだ引きずるニールが、感情を抑え込もうとする言葉と、思いがけず漏れ出してしまう本音との間で揺れ動く回です。淡々と事実を告げるピーターの直截さや、思ったことを溜め込まず口にするモジーの饒舌さと並べて見ると、誰が自分を制御し、誰がそれを手放しているのかという対照が、この回の会話に浮かび上がってきます。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン5第4話では、自宅軟禁が続くニールのもとに、資金繰りに行き詰まったモジーが転がり込んでくる。同僚捜査官シーゲルの死をいまだ引きずるニールをよそに、元銀行強盗のグリフィスがFBIに出頭し、2百万ドルもの現金を盗んだと自ら告白したことから、新たな捜査が始まる。盗まれた金の行方を追ううちに、グリフィスの主治医である精神科医サマーズ博士の存在が浮かび上がり、ニール自身も彼女のセラピーを受けることになっていく。感情を抑え込もうとするニールの姿と、それがどこまで持ちこたえられるのかという緊張が、この回の底流に流れている。『ホワイトカラー』S05E04のあらすじを追うときは、誰が自分を抑え、誰がそれを隠さず口にしているかに注目すると、会話の温度差が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. burn through
(資金・資源などを)一気に使い果たすという意味です。
Mozzie: Big Brother burned through all of my resources.
(お上のせいで、蓄えを全部使い果たしたよ。)
政府への警戒で身を潜めていたモジーが、居候先のニールに向かって、蓄えを使い果たした不満を隠さずぶちまける場面です。Big Brotherと大げさに呼ぶ言い方に、不満を溜め込まず即座に口に出すモジーらしい率直さが表れています。
2. keep one’s mind occupied
気を紛らわせる、気持ちをそらすという意味です。
Neal: I’m trying to keep my mind occupied.
(気を紛らわせようとしているんだ。)
同僚捜査官シーゲルの死を引きずるニールが、暗号文書の解読に没頭することでその重さから目をそらそうとしている場面です。tryingという一言に、まだうまくいっていないという自覚がにじんでいます。
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3. in and out of lockup
刑務所を出たり入ったりするという意味です。
Peter: In and out of lockup since ’98.
(98年からずっと、刑務所を出たり入ったりしている。)
FBIに自ら出頭してきたグリフィスの前科を、ピーターが淡々と読み上げて突きつける場面です。感情を交えず事実だけを積み重ねる言い方に、相手の言い分をそのまま受け取らないピーターの姿勢が表れています。
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4. take precedence
優先される、優先事項となるという意味です。
Neal: But this man takes precedence.
(だが、こちらのお客様が優先だ。)
証券会社に潜入したニールが、社員を装いながら、ピーター扮する客の対応を優先させろと押し切る場面です。butと相手の言い分を遮る言い方に、疑いを差し挟ませない押しの強さが表れています。
5. get inside someone’s head
~の頭の中(心理)に入り込むという意味です。
Peter: I do not want this therapist getting inside your head.
(あのセラピストに、君の頭の中まで入り込まれたくない。)
精神科医のもとへ一人で向かおうとするニールに、ピーターが名前を呼んで釘を刺す場面です。I do not want ~と自分の意志をはっきり言い切る言い方に、部下の心の内側まで案じるピーターの率直さが表れています。
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6. get on with something
(中断していたことを)続ける、先に進めるという意味です。
Peter: But you can get on with your day now, Mr. Jacoby.
(だが、もう仕事に戻っていいですよ、ジェイコビーさん。)
容疑者ジェイコビーへの尋問を切り上げるふりをしながら、金庫の中身がもう空だという事実をあえて告げていくピーターの場面です。「もう仕事に戻っていい」と話を打ち切る言い方の裏に、相手を揺さぶるための計算が隠れています。
7. excel at
~に非常に長けている、~を得意とするという意味です。
Dr. Summers: Deceit and manipulation are the essential characteristics of the disorder… you excel at both.
(欺瞞と操作こそが、その障害の本質的な特徴です…あなたはそのどちらにも非常に長けている。)
ニールの言動をソシオパス的だと分析するサマーズ博士が、欺瞞と操作の才を面と向かって言い切る場面です。excel atという肯定的にも聞こえる言葉で相手の弱点を突く言い方に、心理分析を仕事とする博士の容赦のなさが表れています。
8. chalk something up to
~のせいにする、~だと片付けるという意味です。
Mozzie: They just chalk it up to having too much fun.
(みんな、遊びすぎたせいだと片付けてしまうのさ。)
記憶をなくした被害者たちの心理を、モジーが薬物の仕組みとともに解説する場面です。ためらいなく専門知識を語り続ける様子に、話を向けられれば止まらなくなるモジーの饒舌さが表れています。
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9. get something off one’s chest
心にたまっていたことを打ち明ける、胸の内を吐き出すという意味です。
Neal: I just came to get some stuff off my chest.
(ただ、心にたまっていたことを話しに来ただけなんだ。)
自ら仕掛けた薬の実験が効いてきたニールが、予告なくバーク家を訪れて過去の悪事を語り始める場面です。justという軽い言い方とは裏腹に、抑え込んでいたはずの本音が次々とあふれ出しています。
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10. wander off
(ふらふらと)どこかへ行ってしまう、迷い出るという意味です。
Mozzie: For the love of Thoreau, you can’t simply wander off into the woods like that.
(頼むよ、ソローに免じても、そんなふうにふらっと森へ迷い出ちゃだめだ。)
薬の影響でふらりと外出してしまったニールを見つけたモジーが、あきれ半分で説教する場面です。文学的な引用を挟みながら小言を続ける言い方に、心配と皮肉を同時に言葉にしてしまうモジーらしさが表れています。
このエピソードの英語学習ポイント
ニールのI’m trying to keep my mind occupied.という一言は、シーゲルの死を引きずる心をなんとか制御しようとする意志を示していますが、直後にモジーがAnd it’s not working.と切り返すことで、その努力がうまくいっていないことがすぐさま明らかになります。tryingという言葉そのものが、抑え込みが完全には成功していない証拠として機能しており、聞き手はこの時点でニールの心理的な負荷を察することになります。
対するピーターは、In and out of lockup since ’98.やI do not want this therapist getting inside your head.のように、事実や自分の意志をそのまま言葉にする話し方を貫きます。感情を隠したり抑えたりする様子がなく、必要なことをそのまま口にするこの直截さは、ニールの抑制とは対照的な安定感を持っています。
一方モジーは、burn throughやchalk something up toのように、口を開けば次々と語り続けてしまう性分の持ち主です。溜め込むという発想そのものが希薄なモジーの饒舌さは、抑制の対極にある話し方の一例と言えます。
そして薬の効果が回り始めたニールは、I just came to get some stuff off my chest.と、そのままバーク家を訪ねて自ら語り出してしまいます。抑え込んでいたはずの本音が、justという軽い言い方とは裏腹に次々と言葉になっていくこの場面は、この回を通じて積み上げられてきた抑制と漏出の対比が、ニール自身の中で決着する瞬間でもあります。この回を見返すときは、ニールの発言の中でtryingやjustのような、本人の抑制や照れ隠しがにじむ小さな言葉に注目してみてください。字幕を追うだけでなく、声のトーンが平静を装いきれているか、それとも揺らいでいるかを聞き比べると、抑え込む言葉と漏れ出す本音の境目がより具体的に見えてきます。
キャラクター別|英語の特徴
ニール|自分を制御しようとして、最後には抑えが利かなくなる話し方
自宅軟禁の中でも、Eric Robertsという偽名でKaplan証券に潜入し、But this man takes precedence.と社員を言い含めてピーター扮する客を優先させるなど、ニールは終始冷静さを崩さずに立ち回ります。台本ではI’m trying to keep my mind occupied.という発話も確認でき、シーゲルの死を引きずる心をなんとか制御しようとする意志がうかがえます。
しかし、その制御は最後まで持ちこたえられません。薬の実験が効いてきたニールは、そのままバーク家を訪れ、I just came to get some stuff off my chest.と過去の悪事まで語り出してしまいます。justという軽い言葉遣いとは裏腹に、抑え込んでいた本音が次々とあふれ出すこの場面には、意志の力で保っていた制御が、化学的な作用の前ではあっけなく崩れてしまうという、この回ならではのニールの弱さが表れています。
ピーター|隠さず言い切ることで相手にも自分自身にも向き合う話し方
グリフィスの前科をIn and out of lockup since ’98.と淡々と読み上げるピーターは、相手の言い分を鵜呑みにせず、事実をそのまま突きつける話し方を崩しません。台本ではBut you can get on with your day now, Mr. Jacoby.という発話も確認でき、尋問を切り上げるふりをしながら核心の事実だけを言い残していく駆け引きのうまさも持ち合わせています。
一方で、部下を案じる場面では駆け引きを捨て、I do not want this therapist getting inside your head.と自分の懸念をそのまま言葉にします。事実を告げるときも、感情を告げるときも、遠回しにせず言い切るこの一貫した話し方が、抑え込んだ末に崩れるニールとは対照的な安定感を生んでいます。
モジー|溜め込まず何でも語ってしまう饒舌な話し方
居候先のニールに向かって、Big Brother burned through all of my resources.と資金難の不満を隠さずぶちまけるモジーは、感じたことをその場で言葉にしてしまう性分の持ち主です。台本ではAnd it’s not working.という発話も確認でき、ニールの心の内側の変化にも遠慮なく口を挟みます。
被害者たちの記憶をなくす薬の仕組みについても、They just chalk it up to having too much fun.と薬物の仕組みまで詳しく語り続け、薬の影響でふらつくニールを見つけたときには、For the love of Thoreau, you can’t simply wander off into the woods like that.と文学的な引用まで交えて小言を並べます。溜め込むという発想そのものが薄いモジーの饒舌さは、抑制の末に崩れるニールや、意志を貫くピーターとはまた違う、この回のもう一つの話し方の極として響きます。
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