海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。『ホワイトカラー』シーズン5第10話では、ワシントン行きの返事を渋るピーターの姿が描かれます。相棒ニールを気にかけるあまり決断できずにいる彼に、部下のジョーンズは距離を置くべきだとはっきり言い切り、ピーター自身もそれに同意する言葉を口にします。ところが出所した詐欺師ヘイゲンがレベッカを人質に取って戻ってくると、ピーターは結局ニールやモジーと肩を並べて動き出してしまいます。距離を置く言葉と、実際に踏み出す言葉の落差が、この回の会話には表れています。
あらすじ(ネタバレなし)
『ホワイトカラー』シーズン5第10話では、上層部からワシントン行きを打診されたピーターが、ニールという相棒の存在を理由に決断を先延ばしにしている。部下のジョーンズはそんなピーターに、そろそろニールから距離を置くべきだと率直に助言する。そんな折、出所した詐欺師ヘイゲンが再び姿を現し、モスコーニの暗号書をめぐって恋人レベッカを人質に取り、ニールに解読を迫る。ピーターとモジーの協力を得ながら、ニールはレベッカを取り戻すために奔走していく。事件が一段落したのも束の間、新たな謎の気配が浮かび上がり始める。『ホワイトカラー』S05E10のあらすじを追うときは、ピーターが誰の言葉に説得され、誰のために結局動くことになるのかに注目すると、この回ならではの緊張感が見えてくる。
このエピソードで学べる英語フレーズ
1. hold someone back
~の足を引っ張る、~を妨げる
Jones: I mean, you’ve let one CI hold you back long enough.
(つまり、たった一人の情報提供者に、もう十分長く足を引っ張らせてきたということだ。)
ワシントン行きの好機を逃しかけているピーターに対し、ジョーンズが原因はニールだとはっきり名指しする場面です。you’ve letと、あくまでピーター自身の選択として言い切るところに、同情ではなく踏み込んだ指摘としての厳しさがにじんでいます。
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2. box someone out
~を締め出す、~を仲間はずれにする
Mozzie: So how long will the Suit box you out?
(それで、いつまで「スーツ」に締め出されているつもりだ?)
ピーターから距離を置かれ気味のニールに対し、モジーが軽い調子で探りを入れる場面です。howと疑問形で切り出しながらも、box you outという直接的な言い方を選ぶところに、遠慮のない観察眼が表れています。
3. make peace with something
~と折り合いをつける、~を受け入れる
Peter: I’ve made my peace with what Neal did, but I’m not sure if I’ve made peace with myself.
(ニールがしたことについては、もう俺なりに折り合いをつけた。だが、自分自身と折り合いがついたかは分からない。)
ワシントン行きを巡ってエリザベスに胸の内を明かす場面です。butの前後で節が完全に分かれており、前半は折り合いをつけたという言い切り、後半は分からないという留保のまま終わるところに、ニールの件そのものより自分の中の整理がついていないことが表れています。
4. dig something up on someone
~についての情報を掘り出す
Peter: I want everything that you can dig up on Hagen since his release: where he’s staying, who he’s associated with, what he is having for dinner.
(出所後のヘイゲンについて掘り出せることは何もかも欲しい。どこに滞在しているか、誰とつながっているか、夕食に何を食べているかまでだ。)
偽造画の技法から犯人の頭文字に気づいたピーターが、ヘイゲンについて徹底的に調べ上げるようチームに指示する場面です。滞在先や交友関係だけでなく夕食の中身までと畳みかける言い方に、私情を挟まない捜査官としての切り替えの早さが表れています。
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5. sell someone out
~を裏切る、~を売る
Mozzie: Yeah, he’ll think you sold him out.
(ああ、あいつはお前が裏切ったと思うだろうな。)
FBIがヘイゲンを追っていると知られれば、ニールが疑われかねないとモジーが警告する場面です。he’llという確信めいた言い方で先の展開を言い切るところに、裏社会の力学を熟知したモジーらしい読みの鋭さがのぞきます。
6. the going price
相場、時価
Hagen: What was the going price?
(相場はいくらだった?)
偽造画を売りさばいたヘイゲンが、取引相手に淡々と代金の相場を確認する場面です。短い疑問文だけで済ませるところに、危険な裏取引すら日常の商談のようにこなす、この人物の落ち着きが表れています。
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7. take responsibility for oneself
自分自身で責任を取る
Peter: Jones, I thought about what you said, about how Neal needs to take responsibility for himself.
(ジョーンズ、お前が言っていたこと、ニールは自分自身で責任を取る必要があるという話を考えていた。)
ジョーンズの助言を受け止め、ニールに自立を促すべきだと思い直したことを、ピーター自身が本人に伝える場面です。thought aboutと過去形で振り返る言い方に、即断ではなくいったん考えを巡らせた末の結論であることがにじんでいます。
8. hole up
身を隠す、立てこもる
Neal: We need a secure place to hole up in case Hagen comes after us.
(ヘイゲンが追ってきた場合に備えて、身を隠せる安全な場所が要る。)
暗号解読を終えて脱出しようとするニールが、モジーに今後の潜伏先の手配を頼む場面です。in caseと備えの形で述べるところに、最悪の事態を想定しながらも取り乱さないニールの実務的な話し方が表れています。
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9. blow over
(騒動などが)沈静化する、ほとぼりが冷める
Neal: Moz is gonna find a safe place for you to stay until this whole thing blows over.
(モズがこの騒ぎが収まるまで、君が身を寄せられる安全な場所を見つけてくれる。)
救出したレベッカに、モジーが用意する隠れ家で騒動が収まるまで待つよう、ニールが説明する場面です。untilで期限を区切って先の見通しを示すところに、不安な相手を落ち着かせようとする語り口が表れています。
10. go through something with a fine-tooth comb
徹底的に細かく調べる
Peter: Have the team go through it with a fine-tooth comb.
(チームに徹底的に調べさせろ。)
ヘイゲンの部屋が何者かに荒らされていたと報告を受けたピーターが、即座にチームへ徹底捜索を指示する場面です。Haveを使った使役形で短く言い切るところに、迷いなく次の一手を打つ捜査官としての判断の速さが表れています。
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このエピソードの英語学習ポイント
ジョーンズは、I mean, you’ve let one CI hold you back long enough.とピーターに向かって言い切り、maybe it’s time he starts taking responsibility for himself.という考えも重ねて伝えます。この助言をピーター自身、Jones, I thought about what you said, about how Neal needs to take responsibility for himself.と受け止め、距離を置く方向に同意しているように聞こえます。ただし同じピーターの口から、I’ve made my peace with what Neal did, but I’m not sure if I’ve made peace with myself.という一文も出てきます。butの前で言い切られる折り合いと、butの後で留保される分からないという構造そのものが、距離を置くと決めた本人の中に、まだ整理のつかない部分が残っていることを表しています。
事件が動き出すと、ピーターの言葉はさらに違う顔を見せます。I want everything that you can dig up on Hagen since his release.やAssemble a team and move out.のように、迷いのない短い命令形が続き、ヘイゲンを追う捜査そのものに全力を注いでいきます。この捜査の先にあるのは、ほかならぬニールが救おうとしているレベッカの安全であり、距離を置くと言った相手のために、結局チームを率いて動いていることになります。反省的な場面での長く留保の残る言い回しと、行動の場面での短く迷いのない命令形。同じ人物の話し方がこれほど極端に切り替わるところに、この回のピーターの本音が透けています。
ドラマを見るときは、ピーターが誰かに向かって話す場面と、チームに指示を出す場面とで、声のトーンや文の長さがどう変わるかを聞き比べてみてください。字幕なしで音声だけを追うと、迷いのある間の取り方と、迷いのない即答との違いがより際立って聞こえてきます。
キャラクター別|英語の特徴
ピーター|距離を置く決意を語りながら、結局はニールたちのために動く
ワシントン行きの打診を受けたピーターは、ジョーンズの助言もあって、ニールとは距離を置くべきだという結論に一度たどり着きます。台本では、ピーターの発話としてI’ve made my peace with what Neal did, but I’m not sure if I’ve made peace with myself.が確認できます。butを境に、前半は折り合いをつけたという完了形、後半は分からないという未決の形に分かれており、ニール自身の問題よりも、自分の中の整理がまだついていないことを、この一文自体が言い当てています。
ところが事件がヘイゲンとの対決に向かって動き出すと、ピーターの言葉から迷いは消えます。台本では、Assemble a team and move out.という短い命令も確認でき、ニールが人質に取られたレベッカを救おうとする捜査の指揮を、迷わず執っていきます。距離を置くと決めたはずの相手のために、結局チームを率いて動いてしまうところに、この回のピーターの本音がにじんでいます。
ニール|劣勢でも交渉の条件を即座に切り直す
窓の引き渡しを約束していたヘイゲンとの取引の場で、ニールは約束どおりに渡すのではなく、その場で条件を組み直します。台本では、ニールの発話としてI’m renegotiating. New deal in play. You get the window, I get the video of me stealing those gold coins.が確認できます。相手の要求を否定する言葉を使わず、代わりに新しい取引の中身を即座に提示するところに、感情的な反発よりも実務的な切り返しを選ぶニールらしさが表れています。
この落ち着きは、事件が進んでも変わりません。台本では、We need a secure place to hole up in case Hagen comes after us.やMoz is gonna find a safe place for you to stay until this whole thing blows over.といった発話も確認でき、危険な状況でも次にすべきことを淡々と言葉にしていきます。距離を置くか動くかで揺れるピーターとは対照的に、ニールの話し方はこの回を通して一貫して行動に向いています。
モジー|皮肉な言葉でニールの立ち位置を言い当てる
ニールとピーターの微妙な力関係を、モジーは大仰な言葉でからかいながら観察しています。台本では、モジーの発話としてSo how long will the Suit box you out?が確認できます。「スーツ」という独特の呼び方を使いながら、box you outという直接的な表現でニールの宙ぶらりんな立場を言い当てるところに、遠慮のない観察眼が表れています。
事件が進むと、モジーの言葉はより踏み込んだ警告に変わります。台本では、Yeah, he’ll think you sold him out.という発話も確認でき、FBIとの協力関係がヘイゲン側に知られた場合の危険を、率直にニールへ告げます。軽口の形を取りながらも、指摘の中身は的確という点に、モジーらしい皮肉と洞察の同居が表れています。
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