「put one’s fears aside」の意味と使い方|『モダンファミリー』S01E16で学ぶ英会話

「put one’s fears aside」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

怖いと分かっていても、大切な人のためにその気持ちをひとまず脇に置いて動いた経験はありませんか。

そんな行動にぴったりの「put one’s fears aside」を、『モダンファミリー』シーズン1第16話の後半、床下に閉じ込められた息子ルークを助けに向かうフィルの一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「put one’s fears aside」の意味とニュアンス

put one’s fears aside
意味:恐怖を脇に置いて行動する

put one’s fears asideは、恐怖や不安を感じていても、それをひとまず脇に置いて必要な行動を取ることを表す表現です。put asideは「脇に置く、後回しにする」という意味の句動詞で、fearsの部分はworriesやdoubtsなど他の名詞に置き換えても使えます。恐怖そのものをなくすわけではなく、感じたまま横に置いて先に進む、という現実的なニュアンスが根底にあります。誰かを助けに向かう場面や、苦手なことに挑まなければならない場面など、怖さと必要な行動が同時に存在する状況でよく使われる表現です。行動の結果として恐怖が和らぐかどうかまでは含まれない、あくまで行動そのものを支える言い回しです。

【ここがポイント!】

  • 「put ~ aside」は感情をひとまず脇に置くイメージの表現
  • 恐怖をなくすのではなく、感じたまま先に進む現実的なニュアンス
  • fearsの部分は他の名詞に置き換えて応用できるのがコツ

『モダンファミリー』S01E16のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。狭い床下でクモの巣に出くわしながらも、フィルが息子ルークのもとへ向かう場面です。閉所や虫が得意ではないはずのフィルが、それでも足を止めずに進んだ末、その行動をどう振り返るかに注目です。

Phil: I’m coming, buddy.
(今行くぞ、相棒。)

Luke: Over here.
(こっちだよ。)

Phil: That’s- A spider web. Oh, God.
(これは――クモの巣か。うわ、勘弁してくれ。)

Phil: My boy was in trouble, so I put my fears aside, and I came to his rescue. Now, does that make me a hero? Yes, it does. Everything’s gonna be okay.
(息子が困っていたから、俺は恐怖を脇に置いて、助けに来たんだ。それで俺はヒーローってことになるか? ああ、なるとも。大丈夫だ、心配ない。)

Modern Family Season1 Episode16 (Fears)

シーン解説と心理考察

クモの巣に驚きながらも、フィルは「息子が困っていたから、恐怖を脇に置いて、助けに来たんだ」と言い、続けて「それで俺はヒーローってことになるか? ああ、なるとも」と自分を鼓舞するように言い切ります。「大丈夫だ、心配ない」と繰り返す様子からは、怖がっているのは自分自身のはずなのに、ルークを安心させようとする父親としての気持ちがうかがえます。普段は子供っぽく振る舞うことの多いフィルが、いざという時には恐怖を乗り越えて行動する一面を見せる場面であり、フィルというキャラクターの愛情深さが自然に表れています。狭い場所やクモが苦手な様子を隠さないまま、それでも足を止めなかったという行動そのものに、父親としての本気度がにじんでいます。「ヒーローってことになるか?」と自問自答するように問いかけてすぐ自分で肯定する言い回しにも、少し照れくさそうに自分の行動を誇る様子がうかがえます。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

put asideは「〜を横に置く」というイメージの表現です。心の中にある恐怖(fears)をひとまず自分の脇に置いて視界の外に出すことで、目の前の行動に集中できるようになる様子を思い浮かべてみましょう。クモの巣に怖がりながらも息子のもとへ向かったフィルの姿は、まさに恐怖を完全に消すのではなく、脇に置いたまま前に進む様子そのものでした。怖さを感じたままでも一歩を踏み出せる、という現実的な強さをこの表現に重ねておくと、記憶に残りやすくなります。恐怖が消えるのを待ってから動くのではなく、恐怖を抱えたまま動き出すという順番そのものが、このフレーズのイメージの核になっています。この順番を意識しておくだけで、似た場面に出会った時に言葉がすっと出てくるはずです。

例文で覚える「put one’s fears aside」

怖さを乗り越えて行動する場面で使えるput one’s fears asideを、3つの例文で確認していきましょう。

She put her fears aside and jumped into the pool to save the dog.
(彼女は恐怖を脇に置いて、犬を助けるためにプールに飛び込んだ。)
とっさの勇気ある行動を語る場面です。andでつなぐことで、恐怖を脇に置いた直後にすぐ行動へ移った様子が伝わります。

I had to put my fears aside and give the presentation in front of the whole company.
(私は恐怖を脇に置いて、会社全体の前でプレゼンをしなければならなかった。)
苦手な仕事に立ち向かうビジネスの場面です。had toを添えることで、避けたい気持ちを押しのけて行動した様子が伝わります。

A: Are you scared to fly?
B: A little, but I always put my fears aside for my family trips.
(A:飛行機は怖い?)
(B:少しね。でも家族旅行のためにいつも恐怖は脇に置いているよ。)
旅行の話をする場面です。alwaysを添えることで、飛行機が苦手でも毎回同じように向き合ってきた様子が伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

face one’s fears
(恐怖に立ち向かう)
put one’s fears asideが恐怖を脇に置いて他のことに集中するニュアンスなのに対し、face one’s fearsは恐怖そのものに正面から向き合うニュアンスで、カウンセリングや自己啓発の文脈でもよく使われます。

muster up the courage
(勇気を奮い起こす)
put one’s fears asideが恐怖を退けるニュアンスを含むのに対し、muster up the courageは勇気を積極的にかき集めるニュアンスが強い表現で、行動を起こす直前の心理描写によく使われます。

overcome one’s fears
(恐怖を克服する)
overcome one’s fearsが恐怖を根本的に乗り越える長期的なプロセスを示すのに対し、put one’s fears asideはその場限りで一時的に恐怖を脇に置くニュアンスが強い表現です。

Note|「恐怖への向き合い方」を表す英語表現の温度差

恐怖と向き合う場面を表す英語表現には、恐怖をどう扱うかによって温度差があります。

put one’s fears aside、face one’s fears、overcome one’s fearsは、いずれも恐怖への対処に関わる表現ですが、恐怖をどのくらいの期間・強さで扱うかが異なります。put one’s fears asideは、その場限りで恐怖をひとまず脇に置いて行動する、いわば応急処置のような対処を表す表現です。face one’s fearsは、恐怖から目をそらさずに正面から向き合うという姿勢そのものを強調し、心理的な成長や自己啓発の文脈でもよく使われます。overcome one’s fearsは、恐怖を根本的に克服するという、より長期的で大きな変化を伴うプロセスを指す表現です。同じ「恐怖への対処」というテーマでも、一時しのぎか、向き合う姿勢か、根本的な克服かによって、選ぶべき表現の重みが変わってきます。目の前の行動を優先したいのか、恐怖そのものと長く付き合っていく心構えを語りたいのかで、自然と選ぶ表現が変わってきます。

フィルが床下に向かう際に使ったput one’s fears asideは、恐怖を根本から克服したわけではなく、その瞬間だけ恐怖を脇に置いて行動に移したという、応急処置的な使われ方でした。クモの苦手意識そのものはその後も変わらないだろうと想像できる点も、この表現が示す一時的な対処のニュアンスとよく合っています。

恐怖とどう向き合ったかの度合いに合わせて表現を選べると、伝わるニュアンスがより正確になります。

まとめ|「怖さを脇に置いて動く」を一言で

put one’s fears asideは、恐怖を感じたままでも、それをひとまず脇に置いて必要な行動を取ることを伝える英語表現です。恐怖をなくすのではなく、感じたまま先に進むという現実的な強さが、この表現の芯にあります。恐怖を克服した完璧なヒーロー像ではなく、怖がりながらも動いた等身大の姿を語れる点も、この表現の使いやすさにつながっています。

クモの巣に怖がりながらも息子ルークのもとへ向かい、「それで俺はヒーローってことになるか? ああ、なるとも」と自分を鼓舞したフィルの姿には、普段の子供っぽさとは違う父親としての一面が滲んでいました。

大切な人のために一歩を踏み出したい時、表現の引き出しに加えてみてください。

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