海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
人気の店に飛び込みで入れたり、知り合いのおかげで特別扱いを受けられたりするような瞬間が、ドラマにはときどきあります。
そんな場面にぴったりの「have an in with someone or somewhere」を、『モダンファミリー』シーズン2第13話の前半、知人の伝手で予約困難なレストランに入れることになったミッチェルとキャメロンの会話から、一緒に見ていきましょう。
「have an in with someone or somewhere」の意味とニュアンス
have an in with someone or somewhere
意味:有力なつてや特別なコネがある
have an in with someone or somewhereは、特定の人物や場所に対して、特別なアクセスや優遇を得られるようなつながりを持っていることを表す口語表現です。inを名詞として使い、「内部への入り口」を持っている、というイメージが根底にあります。
このinは、外からは入りにくい場所や関係の「内側」を指しており、have an inと言うだけで「その内側に通じる道を持っている」ことが伝わります。前置詞withを伴って対象を示すのが基本の形で、have an in with the manager(店長にコネがある)のように使われます。at somewhereの形で場所そのものを対象にすることもでき、人物に限らず組織や施設とのつながりを表すときにも柔軟に対応できます。普段のinは前置詞として使われることがほとんどですが、この表現ではaやanを添えて名詞として扱う点が独特で、品詞の変化を意識すると意味だけでなく形の面白さも味わえます。
予約が取りにくい店や競争の激しい業界など、外からは近づきにくい相手に対して内部からの手引きがあることを話すときに使われる、実用性の高い表現です。友人同士の軽い自慢話から、ビジネスの人脈を語る場面まで、フォーマル度を問わず幅広く使えるのも扱いやすいところです。
【ここがポイント!】
- 「have an in with」の核は、内部への特別な入り口を持っているイメージ
- inを名詞として使う、ややくだけた口語表現
- withの後ろに人や場所を続けて、誰・どこへのコネかを示すのがコツ
『モダンファミリー』S02E13のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
保育園の保護者仲間であるアメリアの家を訪ねていたミッチェルとキャメロンが、彼女の伝手で予約困難なレストランに入れる話を聞いた場面です。何気ない自宅訪問が、思いがけない朗報につながっていく流れに注目です。
— Yeah, you said to tell them something.
(ええ、何か伝えたいことがあるって言ってたわよね。)Cameron: Did you hear that? When we know what to say, we’re in.
(聞いた? 何て言うか決まったら、僕たちの入店確定ってことだよ。)Mitchell: Oh, this is very exciting. I’ve never had an in at a restaurant before. They’ll probably greet us at the door by our names, show us to our favorite table.
(わあ、これはすごく楽しみだ。レストランにコネができたのなんて初めてだよ。きっとドアで名前を呼んで迎えてくれて、お気に入りの席に案内してくれるんだろうな。)Cameron: Let us play fast and loose with the menu order lunch things for dinner, dinner things for lunch.
(メニューだって自由にアレンジさせてくれるよ、ランチのものをディナーに、ディナーのものをランチに頼むとかね。)Modern Family Season2 Episode13 (Caught in the Act)
シーン解説と心理考察
電話対応をしていた相手が会話に戻ってくると、キャメロンは「聞いた? 何て言うか決まったら、僕たちの入店確定ってことだよ」と手応えを感じた様子を見せます。人気店とのつながりが、子どものプレイデートというさりげないきっかけから生まれたことに、二人の期待が膨らんでいく流れが表れています。日常の小さな縁が思いがけない形で実を結んだ瞬間の高揚感が、このやり取りからよく伝わってきます。
ミッチェルは弁護士らしい慎重さも忘れて「レストランにコネができたのなんて初めてだよ」と喜びを隠さず、名前で迎えられる場面まで想像を広げます。キャメロンも「メニューだって自由にアレンジさせてくれる」と便乗し、ちょっとした幸運を大げさに膨らませていく二人らしいやり取りです。誰かに何かを頼まれてもいないのに、二人だけで盛り上がっていく空気そのものが、この家族らしい温かさを感じさせます。まだ何も確定していない段階から期待だけがどんどん先走っていく様子が、この短いやり取りの中に凝縮されています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
外からは閉ざされている扉に、自分だけが使える特別な鍵(in)を持っているところを思い浮かべてみましょう。inという前置詞が名詞に転じて、「内部への入り口」そのものを指すようになった表現です。
ミッチェルが名前で迎えられる場面を想像して喜んでいたように、外側からは見えない特別な扉の向こう側をイメージすると、have an inという言い方の意味がすんなり頭に入ってきます。鍵を持っているかどうかで扉の前に立ったときの気持ちが大きく変わる、そんな感覚が言葉の芯にあります。
例文で覚える「have an in with someone or somewhere」
予約困難な店や競争の激しい業界で使えるhave an in with someone or somewhereを、3つの例文で確認していきましょう。
I have an in with the manager, so I can probably get us a table tonight.
(店長にコネがあるから、今夜の席くらいは取れると思う。)
知人とレストランの予約について話す日常会話の場面です。probablyを添えることで、確約はできないという控えめなニュアンスが加わります。
Having an in at the company doesn’t guarantee you’ll get the job.
(その会社にコネがあるからといって、採用されるとは限らない。)
就職活動について話すビジネスの場面です。doesn’t guaranteeに続けることで、コネがあっても万能ではないという現実的な言い方になります。
A: How did you get backstage passes?
B: My roommate has an in with the venue.
(A:どうやって楽屋パスを手に入れたの?)
(B:ルームメイトが会場にコネを持ってるんだ。)
イベントの裏話を話す会話です。roommateのような身近な人物を主語にすると、コネの持ち主が誰かが自然に伝わり、意外な形でつながりが役立った驚きも表現できます。
あわせて覚えたい関連表現
know the right people
(しかるべき人脈を持っている)
have an inが特定の場所や組織への入り口に焦点を当てるのに対し、know the right peopleは人脈そのものに焦点を当てる、より一般的な表現です。
pull some strings
(裏で手を回す、コネを使う)
have an inが「コネがある状態」を表す表現であるのに対し、pull some stringsは「コネを実際に使って動く」という行為を表す動詞表現です。状態と行為の違いに注目すると使い分けやすくなります。
be well-connected
(人脈が豊富である)
have an inが特定の1つの相手や場所とのコネを指すのに対し、be well-connectedは全般的に人脈が広いことを表す、より包括的な表現です。
Note|have an in with / know the right people / pull some strings の使い分け
「コネがある」を表す英語表現は一つではなく、それぞれが状態と行為のどちらを描いているかで違いが出ます。
have an in withとknow the right peopleは、どちらも「つながりを持っている状態」を表す点で近い表現ですが、have an inは対象が特定の1カ所や1人に絞られやすいのに対し、know the right peopleは人脈全体の広がりを指す傾向があります。たとえば就職活動の場面で、特定の企業の採用担当者とのつながりを話すならhave an in with the company、業界全体に顔が利くことを話すならknow the right peopleが自然です。一方でpull some stringsは、この2つとは違って「行為」を表す表現です。コネがあるだけでなく、実際にそのコネを使って何かを動かしたときに使われ、He pulled some strings to get me the interviewのように、行動の結果を語る文でよく使われます。
対象が特定の1つに絞られているか、状態なのか行為なのかを意識すると、have an in with someone or somewhereの立ち位置がはっきりします。同じ「コネがある」でも、それをまだ使っていない段階なのか、すでに動かした結果を語っているのかで、選ぶべき表現は変わってきます。
コネの持ち方と使い方、そのどちらを話しているかで表現が変わってくるのです。
まとめ|特別な入り口を持っているということ
have an in with someone or somewhereは、特定の人物や場所に対して有力なつてや特別なコネを持っていることを表す表現です。
inを名詞として使う独特の構造が、内部への入り口を持っているというイメージを鮮やかに伝えており、予約困難な店や競争の激しい業界を話題にするときに実用性を発揮します。
ミッチェルとキャメロンがレストランへの伝手に浮き立っていた場面のように、思いがけないつながりを話すときに使える、そんな一言です。ちょっとした縁が思わぬ扉を開いてくれることは、日常の中でも決して珍しくありません。


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