「life passes someone by」の意味と使い方|『モダンファミリー』S02E19で学ぶ英会話

「life passes someone by」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

昔の自分を思い出して、あの頃にしかできなかったことをもうできないのだと、ふと寂しくなる経験はありませんか。

そんな気持ちにぴったりの「life passes someone by」を、『モダンファミリー』シーズン2第19話の中盤、大学時代を懐かしむクレアが電話越しにフィルへ本音をこぼす場面から、一緒に見ていきましょう。

目次

「life passes someone by」の意味とニュアンス

life passes someone by
意味:人生が自分を置いて過ぎていく

life passes someone byは、大事な経験や機会を得られないまま、時間だけがどんどん過ぎていく感覚を表す表現です。直訳すると「人生が人のそばを通り過ぎる」となり、自分は立ち止まったまま、人生という主語がひとりでに動いて先へ行ってしまうという捉え方が根底にあります。過去を振り返って後悔や焦りを感じる場面、特に若い頃にできたはずのことを思い出す場面で使われることが多い言い回しです。

主語になるのは「自分」ではなく「人生(life)」で、passという動詞が人生の側の動きとして使われている点が特徴です。自分が何かをし損ねたというより、人生の方が自分を置いて先に進んでしまったという、やや受け身の視点を含んだ言い方になります。someoneの部分には目的格の代名詞が入り、byという前置詞が「そばを通り過ぎて」という位置関係を添えることで、追い抜かれていく感覚がより具体的に伝わってきます。

【ここがポイント!】

  • 「life passes someone by」の核は、自分は立ち止まったまま人生の方が先へ進んでしまうイメージ
  • 主語が「自分」ではなく「人生」になる、やや受け身な視点を含む表現
  • 若い頃の機会を振り返る場面でよく使われる、後悔や焦りを帯びた言い回し

『モダンファミリー』S02E19のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

娘のヘイリーに大学生活の楽しさを語っていたクレアが、電話をかけてきたフィルに思いがけず本音をこぼす場面です。怒っていると勘違いしたフィルの気遣いに、クレアがどう応じるかに注目です。

Claire: Hello?
(もしもし?)

Phil: Okay, um, you sound very angry which is completely understandable.
(ああ、えっと、すごく怒ってる声だね。まあ、当然だと思うけど。)

Claire: I’m not angry. I’m just sitting here thinking about college and how life has passed me by.
(怒ってなんかいないわ。ただ座って大学時代のことを考えて、人生が私を置いて過ぎていったんだなって思ってただけ。)

Phil: Oh, thank God. I’ll see you at the show. Love you. Bye. We gotta go.
(ああ、よかった。じゃあ発表会でね。愛してるよ。じゃあね。もう行かないと。)

Modern Family Season2 Episode19 (The Musical Man)

シーン解説と心理考察

電話に出たクレアに、フィルが「すごく怒ってる声だね。まあ、当然だと思うけど」と気遣うように話しかけます。クレアは「怒ってなんかいないわ」ときっぱり否定しつつも、「ただ座って大学時代のことを考えて、人生が私を置いて過ぎていったんだなって思ってただけ」と、思いがけず弱音を漏らします。フィルは「ああ、よかった」とほっとした様子で応じ、発表会での再会を約束して電話を切ります。娘に大学生活の楽しさを語りながらも、自分自身はもう戻れない学生時代を惜しむクレアの感傷がにじむ場面です。普段は家族を仕切るしっかり者のクレアが、電話越しにふっと本音をこぼすギャップも印象的です。怒っていると誤解したフィルの気遣いと、それをやんわり否定しつつも胸の内を漏らすクレアのやり取りには、夫婦ならではの気安さが表れています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

自分は同じ場所に立ち止まったまま、人生(life)という電車だけが目の前を通り過ぎていく光景を思い浮かべてみましょう。ホームに取り残された感覚こそが、life passes someone byの核にあるイメージです。

クレアの一言も、大学時代という車両がとっくに走り去ってしまったという感傷から出たものでした。人ではなく人生の方が動いて先へ行ってしまうという構図を意識しておくと、このフレーズ特有の受け身な焦りの感覚が体になじみやすくなります。ホームに立ち尽くす自分と、遠ざかっていく車両という二つの動きを対比させて覚えておくと、似た感傷を抱いた時にも自然と言葉が浮かんでくるはずです。

例文で覚える「life passes someone by」

life passes someone byは仕事の話でも家族の話でも使える表現です。3つの場面で使い方を見ていきましょう。

Sometimes I feel like life is passing me by while I’m stuck at this desk job.
(このデスクワークに縛られている間に、人生が自分を置いて過ぎていってる気がする時がある。)
仕事に追われる日々への焦りを語る場面です。stuckという語を添えると、身動きが取れない閉塞感がより伝わります。

A: Why did you decide to travel the world at 50?
B: I didn’t want life to pass me by anymore.
(A:なぜ50歳で世界を旅することにしたの?)
(B:もうこれ以上、人生に置いていかれたくなかったから。)
人生の大きな決断の理由を語る場面です。not want life to pass someone by anymoreの形で、決断の動機として使われています。

Watching her kids grow up so fast, she felt like life was passing her by.
(子どもたちがあっという間に大きくなるのを見て、彼女は人生が自分を置いて過ぎていくように感じた。)
子育て中の感傷を語る場面です。子どもの成長という具体的な出来事と結びつけると、焦りの実感が伝わりやすくなります。

あわせて覚えたい関連表現

miss the boat
(好機を逃す)
life passes someone byがより長期的・人生全体を通じた喪失感を表すのに対し、miss the boatは特定の一度きりの機会を逃したことを指す表現です。

time flies
(時が経つのは早い)
time fliesが単純に時間の速さを表す中立的な言い方であるのに対し、life passes someone byには「取り残された」という後悔のニュアンスが伴います。

get left behind
(取り残される)
get left behindが他者との比較で遅れを取ることを指すことが多いのに対し、life passes someone byは比較対象がなくても自分自身の人生への焦りを表せる表現です。

Note|「人生」を主語にする英語、「自分」を主語にする日本語

life passes someone byという言い回しには、英語らしい発想がひとつ隠れています。

日本語で同じ気持ちを表すなら、「私は人生に取り残された」「私は大事な機会を逃した」のように、多くの場合「私」が主語になります。ところがlife passes someone byでは、動いているのはあくまで「life(人生)」であり、当人はその場に留まったまま、人生の方が先へ進んでしまうという構図です。この主語の選び方の違いは、出来事をどこから眺めているかという視点の違いにもつながります。「私」を主語にすると自分の行動や選択に焦点が当たりますが、「life」を主語にすると、時間そのものが持つ大きな流れの中に自分が置かれているという感覚が前面に出てきます。自分を主語にした言い方が「選ばなかった自分」への反省に寄りやすいのに対し、人生を主語にした言い方は、抗いようのない流れに巻き込まれた感覚として響きやすいという違いもあります。似たような発想は、time flies(時が飛ぶように過ぎる)のように、人間ではなく時間や人生を主語にする英語表現のあちこちに見られます。

クレアが大学時代を振り返って漏らした一言も、自分の選択を悔やむというより、人生という大きな流れに置いていかれたという感覚に近いものでした。だからこそ、私ではなくlifeを主語にする言い方がしっくりくるのかもしれません。

誰を主語にして語るかで、同じ感情も少し違って聞こえてくるものです。

まとめ|置いていかれた気がする日に、そっと寄り添う一言

life passes someone byは、大事な経験や機会を得られないまま時間だけが過ぎていく感覚を表す表現です。

若い頃を思い出して寂しくなる時や、人生の岐路で焦りを感じる時など、自分ではどうにもならない時間の流れを語りたい場面で頼りになります。

娘に大学生活を勧めながらも自分の学生時代を惜しんだクレアの一言のように、置いていかれた気がする瞬間を言葉にしてみることを、表現の引き出しに加えてみてください。

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