「throw someone for a loop」の意味と使い方|『モダンファミリー』S02E23で学ぶ英会話

「throw someone for a loop」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

家族の誰かが、思いがけない出来事にひどく動揺してしまう場面に立ち会ったことはありませんか。

そんな状況にぴったりの「throw someone for a loop」を、『モダンファミリー』シーズン2第23話の前半、妻クレアの性格をよく知るフィルが語る一言から、一緒に見ていきましょう。

目次

「throw someone for a loop」の意味とニュアンス

throw someone for a loop
意味:人をひどく驚かせる、動揺させる

throw someone for a loopは、予想外の出来事に翻弄されてぐるぐると目が回るようなイメージを持つ口語表現です。loop(輪、宙返り)という単語が示すとおり、まっすぐ進んでいたはずのものが急に軌道を乱される感覚が根底にあります。

ポジティブな驚き(嬉しい知らせ)にもネガティブな驚き(ショックな出来事)にも使われる、幅の広い表現です。単に「驚く(surprise)」よりも、心の平静が一時的に保てなくなるくらいの強い揺さぶりを表すため、感情の動きを詳しく描写したい場面で選ばれやすい言い方です。throwという動詞が持つ「外から力を加えられる」感覚も相まって、自分の意志とは関係なく状況に振り回されてしまうニュアンスが強く出るのも特徴です。

【ここがポイント!】

  • 「throw someone for a loop」の核は、予想外の出来事に翻弄されるイメージ
  • 嬉しい驚きにもショックな驚きにも使える、表情豊かな表現
  • surpriseよりも強く「動揺」の度合いが伝わる言い方として覚えておくと便利

『モダンファミリー』S02E23のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

妻クレアの性格について、フィルが率直な人物評を語る場面です。家族の節目のたびに感情を抑え込んでしまうクレアの傾向と、翌日に控えたベガス旅行の予定が絡み合い、フィルらしい身勝手な本音がのぞきます。夫だからこそ見えているクレアの一面に注目です。

Phil: Family milestones always throw Claire for a loop.
(家族の節目はいつもクレアをひどく動揺させるんだ。)

Phil: She holds it in, and then the next day she has a total meltdown and I have to pick up the pieces.
(彼女は感情を抑え込んで、翌日になって完全に取り乱すから、俺がその後始末をする羽目になる。)

Phil: The problem is tomorrow I’m supposed to go to Vegas with my buds so I need her to melt down today.
(問題は、明日俺は仲間とベガスに行く予定だから、今日のうちに彼女に取り乱してもらわないと困るってことなんだ。)

Phil: Otherwise, what happens in Vegas won’t happen to me, because I won’t be there.
(じゃないと、ベガスで起きたことが俺には起きない。だって俺はそこにいないんだから。)

Modern Family Season2 Episode23 (See You Next Fall)

シーン解説と心理考察

「家族の節目はいつもクレアをひどく動揺させるんだ」という一言には、夫だからこそ気づいている妻の性格への理解がにじみます。フィルはクレアが感情を溜め込みやすいタイプだと熟知していて、その反応まで見越して話を進めています。

続けて「明日は仲間とベガスに行く予定だから、今日のうちに彼女に取り乱してもらわないと困る」と語る部分では、身も蓋もない本音がそのまま言葉になっています。深刻になりがちな話題を、身勝手ともとれる軽い調子で語るところに、家族思いでありながらどこか抜けているフィルらしさが表れています。妻の心情を分析しながら、自分の予定を優先する発想へと器用に着地させていく流れが、この一言の面白さを支えています。「ベガスで起きたことが俺には起きない、だって俺はそこにいないんだから」という締めのフレーズには、旅行の常套句を自分の都合よく解釈するフィル流の理屈っぽさも重なっています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

ジェットコースターのループ(宙返り区間)に放り込まれて、ぐるぐる回されて方向感覚を失ってしまう様子を思い浮かべてみましょう。まっすぐ進んでいたはずの気持ちが、予想外の出来事で急に軌道を乱される感覚が「throw someone for a loop」の芯にあります。

フィルが語ったクレアの性格も、家族の節目という「予想はできるが感情が追いつかない出来事」によって、毎回軌道を乱されてしまうパターンでした。予想の範囲内でも心はぐるぐる回されてしまう、という感覚とセットで覚えておくと、似た状況で自然に使えるようになります。

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例文で覚える「throw someone for a loop」

強い動揺を表すthrow someone for a loopを、3つの例文で確認していきましょう。

The sudden news of her promotion threw her for a loop.
(突然の昇進の知らせは、彼女をひどく驚かせた。)
予想外の昇進や異動の知らせを受ける場面です。嬉しい驚きにも使える典型例です。

Losing his job so suddenly threw the whole family for a loop.
(彼が突然失業したことは、家族全員をひどく動揺させた。)
予期しない出来事が家族全体に影響する場面です。個人だけでなく集団の動揺にも使えます。

A: You look shaken. What happened? B: My doctor’s diagnosis really threw me for a loop.
(A:動揺してるみたいだけど、どうしたの? B:医者の診断結果に本当に動揺しちゃって。)
ショックな知らせについて友人に話す会話です。reallyのような副詞を添えると動揺の強さがより伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

catch someone off guard
(人の不意を突く)
throw someone for a loopが「動揺させる」という感情面の結果に重点があるのに対し、catch someone off guardは「準備ができていない状態を突く」という状況そのものに重点があります。

blow someone’s mind
(人をひどく驚かせる、感動させる)
throw someone for a loopが動揺・困惑寄りなのに対し、blow someone’s mindは驚嘆・感動寄りのニュアンスが強い表現です。素晴らしいパフォーマンスや斬新なアイデアに感動したときによく使われます。

knock someone for six
(人をひどく驚かせる、打ちのめす)
throw someone for a loopがアメリカ英語で一般的なのに対し、knock someone for sixは主にイギリス英語で使われる、クリケット由来の表現です。

Note|throw someone for a loopとknock someone for six、driving側とcricket側の「驚き」表現

関連表現で触れたknock someone for sixは、throw someone for a loopと同じ「ひどく驚かせる」を表すイギリス英語の言い方です。どちらも由来となったスポーツの動きがそのまま比喩に転用されている点が共通していて、比べてみると英語圏のスポーツ文化の違いが見えてきます。

throw someone for a loopは、車の運転や飛行機の宙返り(loop)のようにまっすぐ進むはずの軌道が急に乱される様子から来ているとされ、アメリカ英語で広く使われています。一方knock someone for sixは、イギリスや旧英連邦諸国で親しまれているクリケットの用語で、打球をスタジアムの境界線の外まで一気に飛ばして6点(six)を得点する、豪快な一打のイメージが根底にあります。ボールが遠くまで飛んでいくように、相手の反応が一気に吹き飛ばされてしまう、という強い衝撃を表す言い方です。どちらも「予想外の力で持っていかれる」という骨格は共通していますが、根っこにあるスポーツの情景が違うぶん、話し手の出身地によって選ばれやすい表現が変わってきます。

フィルの一言がアメリカ英語のthrow someone for a loopで語られていたのも、この作品がアメリカのホームドラマだからこその自然な選択です。同じ状況をイギリス英語で言い換えるとしたら、knock someone for sixになる、という視点を持っておくと、表現の背景にある文化の違いも一緒に味わえます。乗り物の急な軌道変化が身近なアメリカと、クリケットが根強い人気を持つイギリスや旧英連邦諸国とで、驚きを表す比喩の出どころが変わってくるのも自然な流れと言えます。

同じ意味でも、選ばれる単語には土地の匂いが残っています。

まとめ|予想外の出来事に、気持ちがぐるぐる回される

throw someone for a loopは、予想外の出来事によって人が大きく動揺させられる様子を表す口語表現です。

嬉しい驚きにもショックな驚きにも使える柔軟さがあり、感情の動きを具体的に描写したいときに役立つ言い方です。

家族の節目のたびに感情を抑え込んでしまうクレアの性格を語りながら、自分のベガス旅行の都合まで持ち出してしまうフィルの一言には、家族思いと身勝手さが同居する、彼らしい人間味が表れていました。予想もつかない出来事だけでなく、分かっていてもなお心が揺さぶられる場面にも使える懐の広さがある表現です。動揺したときの気持ちを言い表す一言として、表現の幅に加えてみてください。

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