海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
家族や友人に「認めてほしい」と思うことがあっても、感情に任せて訴えるだけでは伝わらず、理由を並べて筋道立てて説明しなければと感じる場面があります。
そんなときに使える「make one’s case」を、『モダンファミリー』シーズン3第4話の前半、停止標識を求める活動の進捗を家族に報告するクレアの様子から、一緒に見ていきましょう。
「make one’s case」の意味とニュアンス
make one’s case
意味:自分の主張を筋道立てて述べる
make one’s caseは、自分の言い分や要求を、理由や根拠を添えて筋道立てて説明する、という意味の表現です。caseには「事件」「訴訟」という意味があり、法廷で弁護士が依頼人の主張を組み立てて示す場面を思い浮かべると分かりやすい表現です。
現在では法律の場面に限らず、会議で企画を通したいとき、家族に自分の希望を認めてもらいたいときなど、幅広い場面で使われます。argueと似ていますが、感情的な言い争いというより、理路整然と説明・説得しようとするニュアンスが強い表現です。
一方的に感情をぶつけるのではなく、根拠を積み上げて相手を納得させようとする姿勢が伝わるため、フォーマルな場面でも品よく使える言い回しになっています。
【ここがポイント!】
- 「make one’s case」の核は、理由や根拠を添えて筋道立てて主張を示すこと
- 感情的な言い争いではなく、理路整然と説得を試みる冷静な響きを持つ表現
- 会議でも家庭でも使える、幅広い場面に対応するフォーマルさが特徴
『モダンファミリー』S03E04のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
自宅に帰ってきたダンフィー家で、クレアが停止標識を求める活動の進捗を、興奮気味に報告します。市役所への電話や委員会の開催日程まで一気にまくし立てるクレアの勢いに注目です。
Claire: Well, I am getting us a stop sign. I called City Hall, and how is this for amazing? The traffic committee meets tonight.
(あのね、私たち、停止標識を手に入れるわよ。市役所に電話したの、それでこれがすごいんだけど、交通委員会が今夜開かれるのよ。)Alex: I’ve got goosebumps.
(鳥肌が立ったわ。)Claire: I know, right? All I have to do is get 50 signatures, show up, make my case. It’s on.
(でしょ? 私がやることといえば、署名を50人分集めて、出席して、自分の主張を述べるだけ。さあ、やるわよ。)Phil: I am so proud of you.
(君のこと、すごく誇りに思うよ。)Haley: We all are.
(みんなそうだよ。)Modern Family Season3 Episode4 (Door to Door)
シーン解説と心理考察
報告を続けるクレアの早口には、思いついたことをすぐ行動に移す彼女らしい勢いが表れています。アレックスが「鳥肌が立ったわ」と皮肉交じりに茶化しても意に介さず、クレアは「署名を50人分集めて、出席して、自分の主張を述べるだけ」とやるべきことを簡潔に言い切ります。
フィルが「君のこと、すごく誇りに思うよ」と即座に称賛し、ヘイリーも「みんなそうだよ」と続きます。口々にクレアを持ち上げる家族の反応が、この後どう変わっていくのかも見どころです。
普段はフィルの浮わついた言動にツッコミを入れる役回りのクレアが、今度は自分の行動力で家族から称賛される側に回っている点にも、この場面ならではの面白さがあります。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
caseには「事件・訴訟」という意味があります。弁護士が法廷で、自分の担当する事件(case)を組み立てて示す場面をイメージしてみましょう。「署名を50人分集めて、出席して、自分の主張を述べるだけ」と段取りを一つひとつ数え上げたクレアの言い方も、まさに自分のcaseを組み立てている姿そのものでした。
思いつきをただ口にするのではなく、必要な手順や根拠を積み上げて相手に示す、というイメージを持っておくと、make one’s caseという表現が自然と身につきやすくなります。頭の中にある主張を、順序立てて一枚の書類のように組み立てる感覚を持っておくと覚えやすくなります。
例文で覚える「make one’s case」
会議でも家庭でも使えるmake one’s caseを、3つの例文で確認していきましょう。
She made her case for a bigger budget at the meeting.
(彼女は会議で、より多くの予算が必要だと主張を述べた。)
会議で企画や予算を通したい場面です。理由を添えて説得する様子が伝わり、担当者としての説得力を印象づけます。
He spent ten minutes making his case for a later curfew.
(彼は門限を遅くしてほしいと、10分かけて主張した。)
親に交渉する場面です。時間をかけて筋道立てて説明する粘り強さが感じられ、真剣さが伝わる言い方になっています。
A: Can I make my case before you decide?
B: Sure, go ahead.
(A:決める前に、僕の言い分を聞いてもらえますか?)
(B:もちろん、どうぞ。)
結論が出る前に発言の機会を求める場面です。丁寧に許可を取る言い方が特徴で、相手の決定を尊重しつつ自分の意見も伝えたいときに便利です。
あわせて覚えたい関連表現
argue one’s point
(自分の意見を主張する)
make one’s caseが理由や根拠を体系的に示すニュアンスなのに対し、argue one’s pointは自分の立場・意見を主張する行為そのものを指し、より対立的な響きになりやすい表現です。相手と意見がぶつかり合う場面で使われることが多くなります。
plead one’s case
(自分の事情を訴える、嘆願する)
pleadは感情に訴えかけ、許しや同情を求めるニュアンスが強く、make one’s caseよりも切実で懇願寄りの表現です。理屈よりも心情に訴えたいときに選ばれる言い方です。
state one’s position
(自分の立場を表明する)
state one’s positionは単に自分の立場を明確にすることを指し、make one’s caseのように相手を説得しようとする理由づけのニュアンスは薄い表現です。
Note|「事件」だけではないcase、「言い分」という意味で読むmake one’s case
caseには「事件」「訴訟」のほかに、「(一方の側の)主張、論拠」という意味があります。make one’s caseはこの意味で使われ、法廷で弁護士が主張を組み立てる場面を思い浮かべると、ニュアンスがつかみやすくなります。
make one’s caseという言い方も、この法律用語としてのcaseのイメージを色濃く残した表現です。弁護士が法廷で証拠や理由を並べて依頼人の正当性を示すように、日常会話でも「感覚や思いつきではなく、根拠を積み重ねて主張する」というニュアンスがあります。ビジネスの会議で企画を通したいとき、家族に希望を認めてもらいたいときなど、相手を納得させたい場面で広く使われます。
今回のシーンでクレアが「署名を50人分集めて、出席して、自分の主張を述べるだけ」と段取りを整理して語っていたのも、まさにこのcaseを組み立てる作業そのものでした。勢いよく語りながらも、署名・出席・主張という手順をきちんと数え上げていた点が、この表現の背景にある考え方とよく重なります。
法廷を思わせる言葉が日常のちょっとした頼み事にも使われる、と考えると興味深いものです。堅苦しい法廷の場面を思い浮かべる必要はありませんが、「自分の主張には根拠がある」という意識だけは、make one’s caseという表現を使うときに持っておきたい姿勢です。
まとめ|自分の言い分を、筋道立てて伝えるには
make one’s caseは、理由や根拠を添えて自分の主張を筋道立てて述べる、という意味の表現です。
感情的に言い争うのではなく、段取りを整理して冷静に伝えたいときに使える言い方で、会議でも家庭でも応用が利きます。相手を説得したい場面ほど、勢いだけに頼らずこの表現が持つ落ち着きを思い出してみましょう。
段取りを一つひとつ数え上げながら報告するクレアの姿には、感覚だけに頼らず筋道を立てて物事を進めようとする芯の強さが表れていました。思いつきをただぶつけるのではなく、理由を添えて伝えたい場面で、表現の引き出しに加えてみてください。


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