海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
自分が任された役割の中で、良くないことが起きるのを絶対に許さないと感じたことはありませんか。
そんな強い意志にぴったりの「not on one’s watch」を、『モダンファミリー』シーズン3第20話の中盤、ヘイリーのパーティーで付き添い役にされていたマニーが、パーティーの参加者に釘を刺す場面から、一緒に見ていきましょう。
「not on one’s watch」の意味とニュアンス
not on one’s watch
意味:自分が見ている限りは(そうさせない)
not on one’s watchは、自分の責任・監督下でそれが起きるのを許さないという強い意志を表す口語表現です。watchはここで「見張り・当番」という意味の名詞として使われており、「自分の見張り番の間はそうならない」という直訳が土台になっています。日常会話ではNot on my watch.のように、主語や動詞を省いて単独で使われることも多い決まり文句です。
この表現は、何かを阻止しようとする場面や、自分の管理下で問題が起きるのを防ごうとする場面でよく使われます。相手に対して「私が見ている限りは絶対にさせない」という決意を短く言い切るときに向いている言い回しです。
myをhisやherなどに変えることで、警備員や責任者、教師や親など、さまざまな立場の人が使える表現でもあります。長い説明をせずに、一言で強い決意を伝えられるのが便利なところです。
【ここがポイント!】
- 「not on one’s watch」の核は、自分の見張り番の間はそうさせないという意志
- 何かを阻止しようとする場面でよく使われる決まり文句
- 短く言い切ることで、強い決意を端的に伝えられるのがコツ
『モダンファミリー』S03E20のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
ジェイとグロリアが出かけている家でヘイリーがパーティーを開き、付き添いの大人が来ると思っていたマニーが、実は自分がその付き添い役だと知らされる場面です。付き添いの大人が誰なのかをめぐるやり取りから、マニーがどんな決意を口にするのか、その流れに注目です。役割を任された側と任せた側、それぞれの受け止め方の違いも見どころです。
Manny: So where are your parents?
(それで、君の両親はどこに?)Haley: They’re not coming.
(来ないわよ。)Manny: I was told there’d be a chaperone.
(付き添いの大人が来るって聞いてたんだけど。)Haley: There is. It’s you. My parents are totally fine with it.
(いるわよ。あなたがそうでしょ。うちの親は全然気にしてないから。)Manny: I believe I was clear the bedrooms were off-limits. Young lady, I don’t think you’re ready up here for what you’re planning to do up there. Ugh. Not on my watch.
(寝室は立入禁止だと、はっきり言ったはずだよ。お嬢さん、これからやろうとしていることに、君はまだ早いと思うな。まったく。僕が見ている限りは、そんなことさせないからね。)Modern Family Season3 Episode20 (The Last Walt)
シーン解説と心理考察
マニーは「付き添いの大人が来ると聞いていた」と確認し、ヘイリーから「それはあなたのことよ」と告げられます。両親の代わりに責任を負わされたという状況を理解しながらも、マニーはそのまま流されることはありません。
マニーは、寝室は立入禁止だと念を押したうえで、二階へ向かおうとする参加者に「まだ早いと思う」と釘を刺し、「自分が見ている限りはそんなことをさせない」と宣言します。年齢の割に大人びた責任感の強さが、この一言に凝縮されている場面です。付き添い役にされたことを軽く受け流すのではなく、自分の役割として真剣に捉えている様子がうかがえます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
見張り番(watch)として立っている自分の目の前で、何か困ったことが起きようとしている様子を思い浮かべてみましょう。「自分が見ている間には、それを許さない」というイメージが、この表現の意味につながります。
マニーが口にした一言も、まさに自分の見張り番の時間の中で問題が起きるのを防ごうとする決意そのものでした。付き添い役という立場を与えられたときに、それをただの形式ではなく本当の責任として受け止める姿勢が、この表現の使われ方をよく表しています。自分が見ている時間だけは責任を持つという区切りの感覚を意識すると、この表現がより自然に使えるようになります。
例文で覚える「not on one’s watch」
何かを阻止しようとする場面で使われるnot on one’s watchを、3つの例文で確認していきましょう。
As long as I’m in charge, that kind of behavior won’t happen. Not on my watch.
(私が責任者でいる限り、そんな行動は許しません。私が見ている限りはね。)
管理者が規律を示すビジネスの場面です。As long as I’m in chargeという前置きが、責任の範囲を明確にしています。
The security guard swore that no one would break in, not on his watch.
(その警備員は、自分の当番中には誰も侵入させないと誓いました。)
責任感を語る日常会話の場面です。swore(誓った)という動詞が、決意の強さを伝えています。
A: Are you worried the kids might sneak out tonight?
B: Not on my watch.
(A:今夜、子供たちがこっそり抜け出すんじゃないかって心配してる?)
(B:私が見ている限りはさせないよ。)
子供の見張りについて話すカジュアルな会話です。短い返答だけで強い決意を伝えられる、この表現らしい使い方です。
あわせて覚えたい関連表現
under my supervision
(私の監督下で)
not on my watchが「そうはさせない」という強い意志を示す決まり文句であるのに対し、under my supervisionは管理・監督の範囲を説明する中立的な表現です。報告書や業務の説明で使いやすい言い方です。
not if I can help it
(私にできることがある限りはそうさせない)
not on my watchが「自分の担当・当番の間は」という時間的な範囲に焦点を置くのに対し、not if I can help itは「自分の力が及ぶ限り」という能力的な範囲に焦点を置いた言い方です。当番でなくても使える柔軟さがあります。
as long as I’m around
(私がいる限りは)
not on my watchより口語的でやや弱いニュアンスの表現です。watchという「当番・見張り」の含みがない分、責任感の強調は薄れますが、日常会話では気軽に使いやすい言い方です。
Note|watch(見張り・当番)が「自分の責任の及ぶ時間」を表す理由
watchという単語は、もともと「見張り・当直」を意味する名詞です。船の上で交代しながら見張りに立つ当番のことを指す言葉として使われてきました。
その「担当している時間」というイメージが、not on one’s watchという表現の中で「自分が見ている限りは」という意味に広がっています。自分が見張り番として立っている間に起きたことは、自分の責任として引き受けるという感覚が、この言い回しの土台にあります。似た働きを持つunder my supervision(私の監督下で)という表現は、watchが持つ「時間的な担当範囲」ではなく、supervision(監督)という「管理する立場」そのものに焦点を当てています。not if I can help it(自分にできることがある限りは)になると、時間や立場ではなく、自分の能力が及ぶ範囲という、また別の軸で同じ意志を表現しています。同じ「そうはさせない」という決意でも、時間で区切るか、立場で区切るか、能力で区切るかという違いが、それぞれの表現の焦点の違いを生んでいます。
このように、watchという語が持つ「担当している時間」というイメージは、責任の範囲を短く言い切るための土台になっています。マニーが口にした一言も、自分が付き添い役を務めている時間の中では問題を許さないという、責任の範囲をはっきりと示す宣言だったと言えます。自分の見張り番がいつからいつまでなのかを意識することで、この表現の使いどころもより明確に見えてきます。
構成語の意味をこうして分解してみると、この決まり文句の強さがより実感しやすくなります。
まとめ|自分の責任を短く言い切る一言
not on one’s watchは、自分が見張り番として立っている時間の中では、それを許さないという強い意志を表す表現です。短い一言に、責任感の強さがぎゅっと詰め込まれています。
何かを阻止しようとする場面や、自分の管理下で問題が起きるのを防ぎたい場面で、短く決意を伝える一言として使うことができます。
付き添い役にされたマニーがパーティーの参加者に向けた宣言にも、与えられた責任を本気で受け止める姿勢が表れていました。任された役割の大小にかかわらず、自分の目が届く時間には責任を持つという姿勢が、この一言から伝わってきます。そんな場面に出会ったとき、表現の幅を広げてみてください。


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