「take the fall」の意味と使い方|『モダンファミリー』S04E10で学ぶ英会話

「take the fall」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

グループの中で誰かが責められるとき、「なぜ自分だけが矢面に立たされるのか」とモヤモヤした経験はありませんか。

そんな気持ちを一言で言い表せる「take the fall」を、『モダンファミリー』シーズン4第10話の中盤、家をめぐる話題で、ミッチェルが「クレア」と呼びかけながら、フィルへの不満を口にするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take the fall」の意味とニュアンス

take the fall
意味:責任や非難を一人で引き受ける、泥をかぶる

take the fall は、失敗やトラブルなどの責任を引き受けて、批判や罰を受けることを表す表現です。fall は「転落」を意味する語で、直訳すると「転落を引き受ける」になり、本来は自分だけのものではない責任を負って痛手を受ける、というイメージにつながります。

日本語の「泥をかぶる」とよく重なる言い方で、誰かの代わりに責任を負う場面や、失敗の責任を一人で背負う場面で使われます。take the fall for + 人や事柄 の形にすると、「〜の責任を負う」「〜の身代わりになる」という意味になります。

この表現には、引き受ける側が自ら進んで負う場合と、周りから押し付けられて負う場合の両方があります。自ら進んで負う場合は、身代わりを買って出るような響きです。押し付けられて負う場合は、不本意な立場に置かれた側の不満がにじみます。どちらの意味になるかは、主語や前後の言葉で決まります。

【ここがポイント!】

  • 「take the fall」の核は、責任や非難を引き受けて痛手を受ける立場に立つこと
  • 自ら進んで負う場合と、押し付けられて負う場合のどちらにもなる表現
  • let を使う形にすると、押し付ける側への非難のニュアンスが強まるのがコツ

『モダンファミリー』S04E10のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

この場面より少し前に、フィルはクレアに、コーヒーを買ってきてほしいと頼み、自分がミッチェルと話すと申し出ています。そのあと、フィルの「Hello?」という一言に続けて、ミッチェルが「クレア」と呼びかけ、家をめぐる主張を始めます。フィルとミッチェルの短いやり取りの中で、「take the fall」がどう使われているかに注目です。

Phil: Hello?
(はい?)

Mitchell: Claire, Phil doesn’t want the house either, all right? He’s letting me take the fall. He’s a liar.
(クレア、フィルだってこの家は本当は望んでないんだ、いいかい? 僕に泥をかぶらせようとしてるだけだよ。あいつは嘘つきだ。)

Phil: And a clever one.
(しかも、賢い嘘つきだ。)

Mitchell: Ugh! How long do you think you can keep this from her? All right? I’m gonna talk to her eventually.
(うう! いつまで彼女に隠しておけると思ってるんだ? いいか? 僕はそのうち彼女に話すからな。)

Modern Family Season4 Episode10 (Diamond in the Rough)

シーン解説と心理考察

ミッチェルは、家をめぐる話題の中で、フィルもこの家を望んでいないと言い出します。そのうえで He’s letting me take the fall. と続け、フィルが自分に責任を負わせようとしている、と訴えます。家の話をめぐる責めを、自分一人が受ける立場に置かれている、というのがこの一言の中身です。

続く He’s a liar. は、短い断定です。ミッチェルの言葉の強さに、身内のフィルへの悔しさがにじみます。ここで注目したいのは、「嘘つき」と言われたフィルの返しです。フィルは否定の言葉を返さず、And a clever one. と、「賢い」と言葉を足しています。責められた側が、その評価を受け流すように引き取る点が、このやり取りのおかしさを支えています。

ミッチェルは最後に、How long do you think you can keep this from her? と畳みかけます。この「これ」は、直前の自分の主張、つまりフィルもこの家を望んでいないことを受けています。それをクレアに隠し通せるのか、と問いかけ、自分はそのうち彼女に話すつもりだと宣言して、言葉を結びます。

この短いやり取りの中に、責任の押し付け、その認め方、追及と宣言という流れが凝縮されています。take the fall は、その最初の火種になる一言として置かれています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

fall(転落)を、階段から転げ落ちる動きにたとえてみましょう。take は、その転落を自分で受け止める動作です。誰かの代わりに階段から転がり落ちる役を引き受けるイメージが、責任を一人でかぶる意味と結びつきます。

ミッチェルの言い方は、その役を「letting me」、つまり自分に押し付けさせている、という絵になります。本来ならもう一人が受け止めるはずの転落を、自分だけが受けている構図です。

このイメージがあると、let を使う形も自然に頭に入ります。let + 人 + take the fall は、誰かに転落役を任せてしまう形です。責任の重さを誰が受けるのか、という視点でシーンを見返すと、ミッチェルが言葉に込めた不満の向きがはっきりします。英語の表現を覚えるときも、誰が転落役を引き受けるのかを主語の位置から確かめる習慣をつけておくと、文の意味を取り違えにくくなります。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「take the fall」

「take the fall」は、責任の重さを語る場面で幅広く使えます。3つの例文で確認していきましょう。

Someone has to take the fall, and it looks like it’s going to be me.
(誰かが責任を取らなければならず、どうやら私になりそうだ。)
トラブルの責任の所在について、ぼやく感情の場面です。「どうやら自分に回ってきそうだ」という諦めまじりの気持ちが伝わります。

He took the fall for his friend so she wouldn’t lose her job.
(彼は友人が職を失わないよう、代わりに責任を負った。)
友人をかばった出来事を話す日常の場面です。for + 人 の形で、誰のために引き受けたのかを示せます。

A: Who’s going to explain the delay to the client?
B: Not me. I’m not going to take the fall for this.
(A:遅れのことは誰が取引先に説明するの?)
(B:僕は嫌だよ。この件で責めを負うのはごめんだ。)
遅延の説明役をめぐる同僚との会話です。not going to を添えると、責任を引き受けることを、はっきり断る意思表示になります。

あわせて覚えたい関連表現

take the blame
(責めを負う、責任を認める)
take the blame は責めを受け入れる言い方です。take the fall は、責任を引き受けて痛手を受ける立場に立つことに重心があります。

cover for someone
(誰かをかばう、代わりを務める)
cover for は、事実を隠したり穴を埋めたりして助ける行為に焦点があります。take the fall は、結果の責任を負う側に焦点があります。

pass the buck
(責任をなすりつける)
pass the buck は責任を押し付ける側の行為で、take the fall は押し付けられて引き受ける側の状態を表します。ちょうど裏返しの関係です。

Note|take the fall for と let someone take the fall の使い分け

take the fall は、主語が誰かによって、伝わる印象が変わります。ミッチェルの一言を出発点に、2つの形を整理してみましょう。

1つめは、引き受ける側を主語にする形です。He took the fall for his friend. のように、take the fall for + 人や事柄 と続けると、「〜の責任を負った」という意味になります。誰のための責任なのかを、for のあとで示す形です。2つめは、押し付ける側を主語にする形で、let someone take the fall と言います。「誰かに責任を負わせておく」という意味で、責任を負わされる人を、動作の主語ではなく、let のあとに置きます。同じ take the fall でも、前者は「負った」という事実を述べ、後者は「負わせている」という行為を責める響きになります。

ミッチェルの He’s letting me take the fall. は、後者の形です。フィルを主語にして、「フィルは僕に責任を負わせている」と述べています。押し付ける側を主語に据えることで、非難の矛先がフィルへ向かう仕組みです。

同じ状況でも、主語をどちらに置くかで、語りの向きが変わります。

まとめ|責任を負うのは誰か

take the fall は、責任や非難を引き受けて痛手を受ける立場に立つことを表す表現です。自ら進んで負う場合にも、押し付けられて負う場合にも使え、for を添えると誰のための責任かを示せます。

let を使って let someone take the fall と言うと、責任を押し付ける側への非難のニュアンスが強まります。主語の置き方ひとつで、責任を負った事実の説明にも、押し付けへの不満の表明にもなる点が、この表現の使いどころです。

家をめぐる主張の中で、責任を一人で負わされていると訴えたミッチェルの一言には、引き受ける側と押し付ける側という関係が、短い言葉で示されていました。表現の幅を広げてみてください。

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