海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
何気ない出来事をきっかけに、それまで気づかなかった大事なことにふと思い当たった経験はありませんか。
そんな瞬間を語る「that’s when it hit me」を、『モダンファミリー』シーズン4第18話の前半、アレックスやルークとのやり取りの中でフィルが気づいたことを語るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「that’s when it hit me」の意味とニュアンス
that’s when it hit me
意味:そのときハッと気づいた、そのとき思い当たった
that’s when it hit meは、ある出来事をきっかけに、大事なことに突然はっきり気づいた瞬間を語る表現です。構成を分けると、that’s whenが「それがそのときだ」と時点を指し、it hit meが「それが自分にぶつかった」という意味になります。hitは「打つ」「ぶつかる」という動詞で、itは気づいた内容を受けています。
it hit meは、ぶつかるような衝撃で理解が頭に入ってくる感覚を表します。じわじわと少しずつ分かってくる場合ではなく、あるとき突然はっきり分かった場合に向いた言い方です。頭の中に、ふいに答えが飛び込んでくるイメージです。
that’s whenを頭に置くと、「あの出来事のときに気づいた」と、気づきのきっかけを時間として指し示す形になります。体験談や語りの中で、ある出来事を話したあとに、そこで分かったことを続ける場面でよく使われる組み立てです。気づいた内容は、あとに節を続けたり、ダッシュやコロンでつないだりして述べます。
【ここがポイント!】
- 「it hit me」の核は、ぶつかるような衝撃で気づきが頭に入ってくるイメージ
- 「that’s when」を頭に置くと、気づいたきっかけの出来事を時間として指し示せる
- 気づいた内容は、あとにダッシュや節を続けて述べるのが基本の形
『モダンファミリー』S04E18のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
フィルが「いったい何が起きてるんだ?」と尋ねると、アレックスが「掃いてる」と答え、フィルは掃いていないと否定します。続いてルークが値段の話を口にし、そのあとでフィルが自分の気づきを語り出します。that’s when it hit meは、その語りの冒頭に出てきます。
Phil: What is happening?
(いったい何が起きてるんだ?)Alex: I’m sweeping.
(掃いてるんだけど。)Phil: No, you’re not sweeping. You’re just spreading it all around.
(いや、掃いてないだろ。全部まき散らしてるだけじゃないか。)Luke: It’s gonna cost more if you want me to eat it now.
(今それを僕に食べさせたいなら、もっと高くつくよ。)Phil: That’s when it hit me— my daughters know nothing about home care and maintenance. I don’t want ‘em to be dependent. It’s up to me to show them what a modern, self-sufficient woman looks like.
(そのとき気づいたんだ。うちの娘たちは、家の手入れや修理のことを何も知らないってね。娘たちには人に頼りきりになってほしくない。現代の自立した女性ってものを見せてやるのは、俺の役目だ。)Modern Family Season4 Episode18 (The Wow Factor)
シーン解説と心理考察
フィルの最初の問いかけは、目の前で起きていることをそのまま尋ねる一言です。それに対するアレックスの返事は、短く事実だけを述べたものです。フィルは「掃いてない」と否定し、全部まき散らしているだけだと言い換えます。同じ場面を、アレックスは「掃いている」、フィルは「まき散らしている」と、正反対の言葉で描いている点が見どころです。
ルークの一言も、この流れの中に入ります。「今それを食べさせたいならもっと高くつく」と、値段の話を持ち出しています。掃除のやり取りに、別の話題が重なっている点も見どころです。
そのあとで、フィルは「that’s when it hit me」と切り出します。続く内容は、娘たちが家の手入れや修理のことを何も知らないという気づき、人に頼りきりになってほしくないという思い、それを示すのは自分の役目だという言葉の順です。ダッシュのあとに気づきの中身が一気に並ぶことで、目の前の出来事から、娘たちの将来にまで話が広がっていきます。フィルは、その場の出来事を、自分が果たす役割の話へとつなげています。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
ふいに何かが目の前に飛んできて、ぱしっと当たる場面を思い浮かべてみましょう。当たった瞬間に、頭の中で答えが一気につながります。これがit hit meのイメージです。
フィルの語りでは、「That’s when」という指さしのあとに、気づいた内容がずらりと並んでいました。指さす先にあるのは、アレックスとルークとやり取りをしていた、その場の空気です。「そのときだ(that’s when)、気づきが自分にぶつかった(it hit me)」という順番で、気づきの瞬間を指さしてから中身を語る、という流れで覚えておくと、次に自分が使う場面でも語順で迷いにくくなります。
例文で覚える「that’s when it hit me」
気づきの瞬間を語るthat’s when it hit meを、3つの例文で見ていきましょう。
I was standing in line at the bank. That’s when it hit me: I’d left my wallet at home.
(銀行で列に並んでいた。そのとき、財布を家に置き忘れたことにハッと気づいたんだ。)
日常のちょっとした出来事を話す場面です。先に状況を述べてからthat’s when it hit meで気づきに入ると、話の流れが伝わりやすくなります。
We were halfway through the project. That’s when it hit me that we had no backup plan.
(プロジェクトの半分まで来たところで、代替案が何もないことに気づきました。)
仕事の振り返りを報告する場面です。thatを続けて、気づいた内容を節で述べる形になっています。
A: When did you decide to change jobs?
B: When I saw my boss’s schedule. That’s when it hit me. I didn’t want that life.
(A:転職を決めたのはいつ?)
(B:上司のスケジュールを見たときだよ。そのときハッと思ったんだ。あんな生活はしたくないって。)
決めた理由を聞かれて答える会話です。気づきのあとに短く自分の気持ちを続けると、気づきの重みが伝わります。
あわせて覚えたい関連表現
It dawned on me
(だんだん分かってきた、ふと思い当たった)
dawnは夜明けを表す語で、じわじわと理解が広がっていくニュアンスがあります。it hit meが突然の衝撃で気づく場面に向くのに対し、こちらは少しずつ明るくなるように分かってくる場面に向きます。
It occurred to me
(ふと思いついた)
考えが頭に浮かぶという穏やかな言い方です。it hit meのような衝撃の強さはありません。
That’s when I realized
(そのとき気づいた)
realizeは「認識した」と事実を述べる言い方です。it hit meは、気づきに感情的な衝撃が伴う点が違いです。
Note|「気づく」「ハッとする」「実感する」、日本語に置き換えるとどう変わるか
it hit meを日本語にするとき、「気づいた」という訳ひとつで済ませると、原文にあった衝撃の強さが消えてしまうことがあります。場面に合わせた訳し分けを整理します。
hitは本来「打つ」「ぶつかる」という動詞なので、直訳すると「それが私を打った」になります。日本語としては不自然になるため、場面に応じて訳を選ぶ形になります。今回のフィルの場面のように、出来事をきっかけに新しい事実に思い当たる場合は、「そのとき気づいた」「そのとき思い当たった」が自然です。突然の理解を強調したい場合は、「そのときハッとした」と、「ハッと」を添える訳も選べます。一方、It didn’t hit me until I saw the empty room.のように、頭では分かっていたことがあとから身にしみる場面では、「初めて実感が湧いた」という訳が合います。同じhitでも、「初めて知った」のか「初めて身にしみた」のかで、選ぶ日本語は変わります。
フィルの場面に戻ると、娘たちが家の手入れや修理を何も知らないという内容は、新しく思い当たった事実にあたります。今回の和訳が「そのとき気づいたんだ」となっているのは、この使い分けに沿った選び方です。
「気づく」と「実感する」のどちらを選ぶかは、その気づきが新しい情報なのか、すでに知っていたことの再確認なのかで決まります。
まとめ|気づきの瞬間から、語りが動き出す
that’s when it hit meは、ある出来事をきっかけに、大事なことに突然はっきり気づいた瞬間を語る表現です。
that’s whenで気づいたきっかけを指し示し、it hit meで衝撃を伴った気づきを表します。ダッシュや節を続ければ、気づいた中身までひと続きで語れます。体験談や振り返りの話題で、自分の気づきを伝えたいときに役立つ組み合わせです。
アレックスやルークとのやり取りが続く中で、フィルが「that’s when it hit me」と切り出し、娘たちのことへ話を広げていく場面では、気づきの瞬間から語りが動き出す様子が描かれていました。出来事と気づきをひと続きで語りたい場面で使えるよう、会話のレパートリーに加えてみてください。


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