「come back to someone」の意味と使い方|『Friends』S06E05で学ぶ英会話

「come back to someone」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

忘れていたはずの出来事が、ふとした拍子に何度も頭によみがえってきた、ということ、ありますよね。

そんな感覚を表す「come back to someone」を、『フレンズ』シーズン6第5話の後半、離婚の書類に署名する流れのなかで、レイチェルがラスベガスでの結婚の経緯を打ち明けるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「come back to someone」の意味とニュアンス

come back to someone
意味:(記憶や考えが)よみがえる、思い出される

come back to someone は、忘れていた記憶や考えが、その人のもとへ戻ってくる様子を表す表現です。come back は「戻ってくる」、to someone は「その人のもとへ」で、文字どおりには「人のところへ戻ってくる」という意味になります。

主語になるのは、思い出される出来事や記憶です。to の後ろには、思い出す人が入ります。it came back to me なら「それを思い出した」、it’s coming back to me なら「だんだん思い出してきた」というように、時制や進行形で思い出す過程の違いを表せます。

見出しの come back to someone は原形ですが、台詞では it just kept coming back to me という形になっています。keep -ing を加えると「何度も繰り返し」という意味が加わり、someone の部分は me に替わります。記憶が向こうから何度もやって来る、という感覚が伝わる形です。

対象は出来事の記憶だけに限りません。忘れていた名前、約束、考えなどにも当てはまり、忘れていたものがふたたび意識に上る場面で使えます。

【ここがポイント!】

  • 「come back to someone」は、記憶や考えが人のもとへ戻ってくる、よみがえる表現
  • 主語は思い出される出来事や記憶で、to の後ろに思い出す人が入る
  • keep coming back to me のように keep -ing を付けると、何度も繰り返し思い出す意味になる

『フレンズ』S06E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

離婚の書類に署名する流れのあと、ロスが「おめでとう」と告げると、レイチェルが呼び止めます。ラスベガスでの結婚は、実は自分の思いつきだったと打ち明けるなかで、黙っているつもりだった記憶が何度もよみがえってきたと語ります。

Ross: Congratulations.
(おめでとう。)

Rachel: Okay, wait, Ross. Wait a minute. Um… kind of have a little confession. Uh, well, you know this whole marriage thing… kind of my idea.
(ちょっと待って、ロス。待ってよ。えっと、ちょっと白状したいことがあるの。ほら、この結婚の件なんだけど、言い出したのは私なの。)

Ross: Excuse me?
(は?今なんて?)

Rachel: Uh, well, remember how we were too drunk to remember anything the night we were married? And, uh, yeah, I didn’t want to say anything but it just kept coming back to me and, um, remember we were in the casino and for some reason you thought it would be funny to eat a lot of grapes? And, uh, and I thought it would be funnier if we got married.
(ええと、私たち、結婚した夜はどっちも酔いすぎて何も覚えてなかったでしょ?それでね、その、黙っておくつもりだったんだけど、ずっと頭によみがえってきて、ほら、カジノにいたときにあなたがなぜか大量のぶどうを食べたら面白いと思ったでしょ?で、私は結婚したほうがもっと面白いと思ったの。)

Friends Season6 Episode5(The One with Joey’s Porsche)

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シーン解説と心理考察

レイチェルの告白は、「酔って何も覚えていないはずの夜」という前提から始まります。2人とも覚えていないことになっている夜の出来事が、実はレイチェルのなかには残っていた、という順番です。ロスの「おめでとう」で署名の手続きがひと区切りついたところへ、「ちょっと待って」と割り込む構図になっています。「黙っておくつもりだった」という一言に、隠しておきたい気持ちがにじみます。

それでも記憶は「何度もよみがえってきた」と語られています。黙っていたい気持ちと、記憶のほうから戻ってくる勢いとが、せめぎ合っている様子が伝わってきます。そこから、カジノでぶどうを食べようと思いついた話へとつながり、結婚したほうが面白いと考えた、という顛末が明かされます。

ロスの「今なんて?」は、突然の告白に不意を突かれた反応として響きます。離婚の書類にサインを終えようとする終盤で、結婚のきっかけが明かされる流れです。酔った勢いの結婚は、ここでは笑い話の種明かしとして扱われています。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

come back to someone を覚えるには、投げたブーメランが、放った人の手もとへ戻ってくる動きを思い浮かべます。忘れたつもりで手放した記憶が、弧を描いて、ふたたび自分のところへ戻ってくる感覚です。

レイチェルの場合は、忘れたことにしていた夜の記憶が、何度も手もとに戻ってきていました。keep coming back のように繰り返しの意味が加わると、投げても投げても戻ってくるブーメランのように、記憶が向こうから何度もやって来る様子になります。動きのイメージと、主語が記憶になる形を、セットで頭に置いておくと使いやすくなります。手もとに戻ってくるのは、こちらが呼び戻したからではなく、記憶のほうから来るという点が、この形の芯です。

例文で覚える「come back to someone」

come back to someone は、記憶がよみがえる場面で使える表現です。日常、仕事、会話の3つの場面で見ていきましょう。

It all came back to me when I saw the old photo.
(古い写真を見たら、すべて思い出した。)
昔の写真をきっかけに、当時の出来事を思い出した日常の場面です。きっかけを when 以下で添えると、思い出した経緯が伝わります。all を加えると、記憶が丸ごと戻ってきた感覚が強まります。

The client’s request came back to me during the meeting.
(会議の最中に、お客様の依頼を思い出しました。)
仕事で、忘れていた用件をふと思い出した場面です。ていねいな言い方の文でも、そのまま使える形です。during 以下で、思い出したタイミングを示しています。

A: Do you remember the address?
B: Wait, it’s coming back to me. It’s on Maple Street.
(A:住所を覚えてる?)
(B:待って、思い出してきた。メープル通りだよ。)
思い出そうとしている最中の会話です。進行形にすると、記憶が戻りつつある途中の状態を表せます。

あわせて覚えたい関連表現

remember
(思い出す、覚えている)
come back to someone が記憶を主語にするのに対し、remember は思い出す人を主語にする基本の動詞です。自分から思い出そうとする感覚があります。

it dawned on me
(ふと気づいた)
come back to someone が以前の記憶を思い出すのに対し、こちらは新しい事実や意味に気づく場面で使います。夜明けのように、意識が明るくなる感覚です。

ring a bell
(聞き覚えがある)
come back to someone が記憶がはっきり戻る感覚であるのに対し、ring a bell は、うっすらと記憶が反応する程度の、聞き覚えを表す言い方です。

Note|主語が記憶になる come back to me と、remember の向きの違い

日本語では、come back to me も remember も、どちらも「思い出す」と訳せます。しかし、英語の文の中では、主語の向きが逆になっています。

remember の場合、主語は思い出す人です。I remember the night. なら、自分から記憶を探して取り出している形になります。一方、come back to me の場合、主語は記憶のほうです。The night came back to me. なら、記憶が向こうから自分のもとへやって来る形です。

この違いは、思い出し方の感覚にも表れます。remember は、意識して記憶をたどるときにも、自然に覚えているときにも使えます。come back to me は、思い出そうと努めなくても、記憶のほうから戻ってくる感覚が含まれます。ふとした拍子によみがえる場合や、頭から離れずに繰り返し浮かぶ場合に合う形です。

レイチェルの台詞でも、この向きの違いが働いています。remember を使えば「自分が覚えている」となるところを、it kept coming back to me と記憶を主語にしたことで、黙っていたい本人の意志とは関係なく、記憶が戻ってきた、という感覚が出ています。

形の面では、to の後ろが me なら話し手自身、her や him なら第三者が思い出す側になります。it came back to her と書けば、他人の記憶がよみがえる様子を描く文にもなります。

主語がどちらかを見比べる。それが、二つの表現を使い分けるときの、いちばんの目印です。

まとめ|思い出そうとしなくても、記憶のほうから戻ってくる

come back to someone は、記憶や考えが人のもとへ戻ってくる、よみがえる感覚を表す表現です。主語は記憶や出来事で、to の後ろに思い出す人が入ります。

keep coming back to me のように keep -ing を加えれば、何度も繰り返し思い出す意味になります。思い出そうと努めなくても、記憶のほうから戻ってくる感覚を、短い形で伝えられる表現です。remember との主語の向きの違いも、あわせて押さえておきたい点です。

レイチェルが黙っておくつもりだった夜の記憶を、何度もよみがえってきたと打ち明けた場面は、この感覚の好例でした。記憶の向きを意識して、ふとよみがえる感覚を伝えたい場面で、表現の引き出しに加えてみてください。

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