「the apple of one’s eye」の意味と使い方|『Friends』S06E05で学ぶ英会話

「the apple of one's eye」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

本来は愛情を込めて使う言葉が、相手への当てつけとして飛び出す瞬間が、ドラマにはときどきあります。

そんな「the apple of one’s eye」を、『フレンズ』シーズン6第5話の前半、裁判所の日取りを報告に来たロスを、レイチェルが「私の夫」と皮肉たっぷりに迎えるシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「the apple of one’s eye」の意味とニュアンス

the apple of one’s eye
意味:目に入れても痛くないほど大切な存在

the apple of one’s eye は、その人にとって特別に大切で、愛おしくてたまらない相手を表す名詞表現です。apple は「りんご」、eye は「目」で、文字どおりには「目の中のりんご」となります。傷つけたくない大切な部分である目に収まるほど、かけがえのない存在というイメージです。

one’s の部分には、my、his、her、their のように、大切に思っている人を示す語が入ります。the は固定で、the apple of my eye のように使います。誰を大切に思っているのかを、所有格で示す形です。

指すのは主に人で、子ども、孫、恋人、親しい相手などに使えます。文の中では She is the apple of his eye. のように、大切にされる側を主語に置くのが基本です。愛情や自慢の気持ちがこもった言い方ですが、言い方や場面しだいで、皮肉として響くこともあります。apple だけを取り出しても大切さは伝わらないため、the apple of one’s eye という決まった形のまま、ひとまとまりで覚えます。

【ここがポイント!】

  • 「the apple of one’s eye」は、目に入れても痛くないほど大切な存在を表す名詞表現
  • one’s は my / his / her などに替わり、誰にとっての大切な存在かを示す
  • 基本は愛情表現だが、声の調子や前後の流れしだいで皮肉にもなるので、文脈で読み取るのがコツ

『フレンズ』S06E05のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

ロスとレイチェルの結婚は解消されておらず、2人は裁判所の手続きに向かおうとしています。ロスが翌日の日取りと書類を持ってくると、レイチェルは入ってきたロスを「私の夫」と呼び、そこにこのフレーズを添えて迎えます。台詞では、見出しの one’s が my に替わっています。

Rachel: Oh, look who it is. My husband. The apple of my eye.
(あら、誰かと思えば。私の夫じゃない。目に入れても痛くない人ね。)

Ross: Okay, I got us a court date for tomorrow at 2:00 and I picked up all the forms. I’ll take care of everything.
(よし、明日の2時に裁判所の日取りを取ったし、書類も全部もらってきた。全部俺が片付けるよ。)

Rachel: Well, sure. If you say you’re going to take care of everything I have no reason to doubt you. Give me those forms. All right, now, I’m going to do this my way and I don’t want to hear a peep out of you.
(ええ、そうよね。あなたが全部片付けるって言うなら、疑う理由なんてないわ。その書類をちょうだい。いい、今度は私のやり方でやるから、ひと言も口を挟まないで。)

Ross: Okay, Rach, but…
(わかったよ、レイチ、でも……)

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シーン解説と心理考察

レイチェルの「私の夫」「目に入れても痛くない人」は、言葉だけを取り出せば愛情の表現です。しかし、結婚がまだ続いているという事情を思い起こすと、この呼びかけには当てつけの色がにじみます。直前には、荷物がここと元の住まいの2か所に置かれたままで、住む場所がないと焦る様子があり、その延長にロスの登場があるという流れです。

続くレイチェルの台詞も、同じ温度で進みます。ロスが「全部俺が片付ける」と言えば、「疑う理由なんてない」と返し、書類を受け取って「ひと言も口を挟まないで」と念を押します。言葉の上では信頼や譲歩に見えて、実際にはロスの言い分を封じる展開です。

ロスが「でも……」と切り出すと、レイチェルはすぐに「口を挟んでいる」ととがめています。愛情表現のはずの言葉と、ロスを制する態度との落差が、この場面の見どころです。言葉の意味と口調がずれたときに、皮肉が生まれるという仕組みが表れています。

ロスの報告は、明日2時という具体的な日取りと、書類をそろえたという段取りの良さを示すものです。手続きを進める役割を自分が担おうとするロスと、その主導権を自分の手に引き寄せるレイチェルという対比も、このやり取りから読み取れます。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

the apple of one’s eye を覚えるときは、目の中にそっとしまい込まれた、小さくて丸いりんごを思い浮かべます。目は少しの傷でも痛む場所です。そこに収めても痛くないほど、傷つけたくない、大切にしたい存在だという感覚です。

レイチェルの台詞は、この大切さの感覚を、あえて正反対の気持ちに乗せて使っていました。愛情の言葉が持つ温かさが強いほど、当てつけたときの落差も大きくなります。本来の意味を先に押さえておくと、皮肉として使われた場面の面白さも見えてきます。

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例文で覚える「the apple of one’s eye」

the apple of one’s eye は、大切にしている相手を示すときに使える表現です。家族、仕事、日常会話の3つの場面で見ていきましょう。

Her granddaughter is the apple of her eye.
(孫娘は、彼女にとって目に入れても痛くない存在だ。)
祖母と孫娘の関係を紹介する家族の場面です。her の部分で、誰にとっての大切な存在なのかを示しています。

The new project is the apple of the CEO’s eye.
(その新規プロジェクトは、社長が特に大切にしているものだ。)
職場で、経営者が力を入れている案件を説明する場面です。人だけでなく、大切に育てているものにも当てはめられます。力を入れている対象を、愛着をこめて紹介する言い方です。

A: Is that your new puppy?
B: Yes, she’s the apple of my eye. I never leave her alone.
(A:その子が新しい子犬?)
(B:うん、目に入れても痛くないくらい大事なの。ひとりにしたことがないのよ。)
ペットを紹介する、気軽な会話です。大切さを語ったあとに、具体的な行動を添えて実感を伝えています。

あわせて覚えたい関連表現

the light of one’s life
(人生の光)
the apple of one’s eye が特に大切で愛おしい存在という位置づけを示すのに対し、こちらは生きる喜びを照らしてくれる存在という比喩です。恋人や子どもに使う場面があります。

the pride and joy of someone
(誇りであり喜びの源)
the apple of one’s eye が大切さや愛おしさに重点があるのに対し、こちらは誇らしさに重点があります。成果や大切な持ち物に使うこともできます。

be dear to someone
(人にとって大切だ)
the apple of one’s eye が「目の中のりんご」という比喩を使うのに対し、こちらは比喩を使わず、大切さをそのまま言い表す形容詞句です。

Note|「目に入れても痛くない」との重なりとずれ

the apple of one’s eye には、「目に入れても痛くない」という日本語訳がよく当てられます。どちらも「目」を使い、大切さを伝える点で重なっています。

一方で、強調される点は少し異なります。日本語の「目に入れても痛くない」は、かわいくて仕方がない、溺愛している、という可愛がりぶりを描く言い方です。the apple of one’s eye は、その人にとって特別に大切な存在だという位置づけそのものを指します。訳としては近くても、溺愛の描写までは含みません。

そのため、例文では「大事なもの」「特に大切にしているもの」と訳したほうが自然になる場面もあります。前に見た The new project is the apple of the CEO’s eye. のように、人以外に使う場合は、「目に入れても痛くない」より、「特に大切にしているもの」のほうが収まりがよくなります。

もうひとつ、形の面でも違いがあります。日本語は「私の目に入れても」のように所有を言い表しませんが、英語では one’s の部分に my や her を入れて、誰の大切な存在かを示します。レイチェルの台詞では、話し手自身を示す my が入った形になっていました。

訳語の近さに引きずられず、強調点のずれを意識しておく。それが、この表現を使いこなす近道です。

まとめ|愛情の言葉が、当てつけに変わるとき

the apple of one’s eye は、目に入れても痛くないほど大切な存在を表す名詞表現です。one’s の部分を my や her に替えて、誰にとっての大切な存在かを示します。

基本は愛情表現ですが、声の調子や前後の流れによっては、皮肉としても響きます。温かい言葉が冷たい調子で発せられると当てつけになる感覚は、日本語にも通じます。

レイチェルが「私の夫」と呼んで迎えた一言は、愛情の言葉の温かさを逆手に取った、当てつけの一言でした。大切な人を紹介する場面でも、皮肉の場面でも、表現の引き出しに加えてみてください。

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