「all gravy」の意味と使い方|『モダンファミリー』S05E12で学ぶ英会話

「all gravy」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

大変な部分がひととおり終わって、「あとは楽しむだけだね」と肩の力が抜ける瞬間は、誰にでもあるのではないでしょうか。

そんな気分をくだけた調子で言い表す「all gravy」を、『モダンファミリー』シーズン5第12話の後半、オープンハウスの日にフィルが上機嫌で語るシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「all gravy」の意味とニュアンス

all gravy
意味:万事順調、問題なし、余得

gravy は、肉料理にかける肉汁のソースのことです。料理の主役ではなく、あとから添えることで、さらにおいしくしてくれるものです。all gravy は、それを比喩にして、「すべてが添えもののようなもの」、つまり主要なところは済んでいて、あとは得をするだけの状態を表す口語表現です。文字どおりに訳すと「すべて肉汁ソース」となりますが、料理の話ではない場面では、「万事順調だ」「何もかもうまくいっている」「余得だ」と訳すと通じます。

形の面では、「It’s all gravy.」のように、it’s のあとに all gravy を置くのが基本です。条件や状況を添えたいときは、when や once の節をつなぎます。「It’s all gravy when you’re in the A.V.」なら、「A.V.にいるときは、何もかもうまくいく」という意味になり、どんな状況だと順調なのかを言い添えられます。「That’s all gravy.」と言えば、「それは余分の得だ」という意味を表せます。

難しい部分が終わってあとは楽なときや、ミスがあっても差し引きで得をしているときなど、気分の軽さを伝えたい場面で使えます。くだけた会話で使う表現なので、友人や家族との気軽なやり取りに向いています。改まった場面では、「everything is going well」のように、もっと標準的な言い方に置き換えるのが無難です。

【ここがポイント!】

  • 「all gravy」の核は、主要なところは済んでいて、あとは得をするだけの状態
  • 「It’s all gravy when 〜」のように、条件を添えて「〜なら万事順調だ」と言える
  • くだけた口語表現なので、改まった場面では言い換えるのが無難

『モダンファミリー』S05E12のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

オープンハウスの日に、ジェイとフィルが言葉を交わす場面です。ジェイが満足そうに感想を口にすると、フィルが上機嫌で答えます。前後には「よし」という一言と、羽目を外す気持ちよさを問いかける言葉も添えられています。

— All right.
(よし。)

Jay: Best open house ever.
(最高のオープンハウスだな。)

Phil: It’s all gravy when you’re in the A.V.
(A.V.にいりゃ、何もかもうまくいくのさ。)

— Admit it doesn’t it feel good to break a few rules, take a walk on the wild side?
(認めなよ、少しルールを破って、羽目を外すのは気持ちいいだろ?)

Modern Family Season5 Episode12 (Under Pressure)

シーン解説と心理考察

ジェイは「最高のオープンハウスだな」と満足そうに言います。「最高」という強い言葉から、この日の出来事に、ジェイがかなり満足していることが伝わってきます。

これを受けて、フィルは「A.V.にいりゃ、何もかもうまくいくのさ」と答えます。ここで all gravy が登場します。when の節で「A.V.にいるとき」という条件を添えているため、「その立場にいさえすれば万事順調だ」という、気楽な言い切りになります。フィルは、主要なところはもう済んでいて、あとは得をするだけ、という軽い調子で、その立場ならではの気楽さを語っています。A.V. は audio-visual、つまり視聴覚の略です。

場面の最後には、「認めなよ、少しルールを破って、羽目を外すのは気持ちいいだろ?」という問いかけが置かれています。take a walk on the wild side は、いつもの安全な道から外れて、少し危なっかしいことをやってみる、という意味の言い回しです。ルールを少し破ることの気持ちよさを、相手に認めさせようとする問いかけです。

ジェイの満足と、フィルの気楽な言い切り、そして羽目を外す気持ちよさを問う言葉。3つが並んだこの場面には、軽やかな空気が流れています。all gravy は、そうした場の気分をひとことでまとめる言葉として使われています。

『モダンファミリー』流・覚え方のコツ

肉料理の皿を思い浮かべてみましょう。主役の肉が焼きあがったところに、あとから肉汁のソースをかけると、皿全体が豊かになります。ソースは主役ではなく、添えものです。この「主役はもう済んでいて、あとは添えものを楽しむだけ」という感覚が、all gravy の芯にあります。

「all」は「すべて」なので、all gravy は「全部が添えもの」。つまり、大変な部分は終わっていて、残りはすべて得をするだけ、という状態です。フィルの「It’s all gravy when you’re in the A.V.」も、その立場にいれば、大変さを気にせず楽しめる、というくらいの軽い調子で使われています。

肉料理とソースの絵を頭に置いて覚えておくと、「ここから先はもう楽なだけだ」と感じた瞬間に、all gravy という言葉が浮かんできます。

例文で覚える「all gravy」

主要な部分が済んで、あとは楽で得をするだけの状態を表す all gravy を、3つの例文で確認していきましょう。

Once the setup is done, it’s all gravy from there.
(準備さえ終われば、あとは楽勝です。)
作業の見通しを伝える場面です。once の節で条件を添え、from there で「そこから先」を示すと、いつから楽になるのかが伝わります。

A: How’s the new project going?
B: All gravy. Everything’s on track.
(A:新しいプロジェクトはどう?)
(B:順調だよ。すべて予定どおり。)
進捗を軽く尋ね合うビジネスの場面の往復会話です。All gravy だけで返す短い形は、くだけた調子の返事になります。

If we finish early, that’s all gravy.
(早く終われば、それは儲けものです。)
余得を期待する場面です。that’s all gravy と言うと、予定より早く終わった分は、余分の得だという意味になります。

あわせて覚えたい関連表現

smooth sailing
(順調な進行、問題なく進むこと)
smooth sailing は航海の比喩で、障害なく進むことを表します。all gravy は、進行だけでなく「得をしている」感じも含む点が違います。

a piece of cake
(とても簡単なこと)
a piece of cake は、物事が簡単なことを表します。all gravy は、簡単さよりも、あとは楽で得をする状態に重心があります。

icing on the cake
(さらなる上乗せ、おまけの良いこと)
icing on the cake は、すでに良い状態に、良いことがさらに加わることを表します。all gravy の「余得」の意味と、近い使い方があります。

Note|all gravy・smooth sailing・a piece of cake の重心の違い

all gravy、smooth sailing、a piece of cake は、どれも「うまくいっている」「簡単だ」といった良い状態を表しますが、言葉の重心はそれぞれ違います。フィルの一言をきっかけに、3つを整理してみましょう。

1つ目の all gravy は、順調さと、余分の得をしている感じに重心があります。主要なところは済んでいて、あとは得をするだけ、というイメージです。2つ目の smooth sailing は、進行の順調さに重心があります。障害がなく、なめらかに進んでいく様子を表します。3つ目の a piece of cake は、簡単さに重心があります。難しくなく、楽にこなせることを表します。

使い分けは、何を言いたいかで決まります。得をしている感じを添えるなら all gravy、進み方の順調さなら smooth sailing、こなす難しさの低さなら a piece of cake、と選べます。

フィルの「It’s all gravy when you’re in the A.V.」は、簡単さよりも、その立場にいれば万事うまくいく、という順調さと気楽さに重心のある言い方です。

まとめ|主役の済んだあとの、気楽な「万事順調」

all gravy は、主要なところは済んでいて、あとは楽で得をするだけ、という状態をくだけた調子で言い表す表現です。when や once の節を添えれば、どんな条件のときに万事順調なのかまで伝えられます。

smooth sailing や a piece of cake と並べれば、順調さ、簡単さ、余得のどこに重心があるかを言い分けられます。改まった場面では、everything is going well のような標準的な言い方に置き換えると、使いやすくなります。

オープンハウスの日に、ジェイは満足そうに感想を述べ、フィルは気楽な調子で「何もかもうまくいくのさ」と答えていました。場の軽やかな気分が、ひとことに詰まった場面でした。

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