海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
「自分が加わることで、何かが変わるかもしれない」と前向きな気持ちを伝えたいのに、ぴったりの言い方が思い浮かばず、言葉に詰まった経験はありませんか。
そんな場面で役に立つ「make a difference」を、『モダンファミリー』シーズン5第12話の前半、学校のオープンハウスの日にマニーが自分の意気込みを語るシーンから、一緒に見ていきましょう。
「make a difference」の意味とニュアンス
make a difference
意味:違いを生む、変化をもたらす、役に立つ
make a difference は、自分の行動や存在が加わったことで、状況や結果に「違い」が生まれることを表す表現です。difference は「違い、差」という意味の名詞で、make は「作る、生み出す」という意味の動詞なので、文字どおりには「違いを作る」となります。ただ、日本語で「違いを作る」と訳すと硬く響くため、「変化をもたらす」「役に立つ」「影響を与える」のように、場面に合わせて言い換えると自然な訳になります。
形の面では、この表現は目的語を取らず、make a difference だけで文として完結します。「何にとっての違いなのか」を言い添えたいときは、make a difference to the project のように to を置いて対象を示します。「どのくらいの違いか」を言いたいときは、a の前に big や small のような形容詞を加えます。「I think I can make a difference.」のように、can や will を添えれば、自分の可能性や見込みを語る言い方にもなります。
この表現には、自分が関わった場合と関わらなかった場合を並べたとき、そこに差が出るという前向きな響きがあります。寄付やボランティア、投票のように、一人ひとりの行動が結果に結びつく話題にぴったりです。一方で、否定形にすると「変化を生めない」「何も変わらない」という冷めた見方を伝える言い方に変わります。肯定と否定のどちらで使うかによって、話し手の気持ちがはっきり分かれる表現です。
【ここがポイント!】
- 「make a difference」の核は、自分が関わることで生まれる「違い」や「変化」
- 目的語を取らず、make a difference だけで文として完結する
- 肯定なら前向きな見込み、否定なら「何も変えられない」という冷めた見方になる
『モダンファミリー』S05E12のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
学校のオープンハウスの日に交わされる、短いやり取りです。グロリアがマニーの歴史の先生に好印象を与えたい理由を明かすと、マニーがジュニア議会への意気込みを語り、そこへジェイが同じ言い回しを返します。「make a difference」が肯定と否定の両方で使われる流れに注目です。
— No, I’m just saying why is she all dressed up for a school open house?
(いや、ただ、どうして彼女は学校のオープンハウスにあんなに着飾っているのかと思って。)Gloria: I want to impress Manny’s history teacher. I want Manny to go to Washington, D.C.
(マニーの歴史の先生に好印象を与えたいの。マニーをワシントンD.C.へ行かせたいのよ。)Manny: Yeah, junior congress. Only one kid in the whole grade gets picked to go. I think I can make a difference.
(そう、ジュニア議会だよ。学年でたった一人だけが選ばれて行けるんだ。僕なら違いを生み出せると思う。)Jay: Regular congress can’t even make a difference.
(本物の議会ですら、何も変えられやしないぞ。)Modern Family Season5 Episode12 (Under Pressure)
シーン解説と心理考察
この会話は、グロリアがなぜ学校のオープンハウスにあんなに着飾っているのか、という問いを受けて動き出します。グロリアの答えは「マニーの歴史の先生に好印象を与えたい」「マニーをワシントンD.C.へ行かせたい」というもので、息子の願いを後押ししたい気持ちが、はっきり言葉になっています。
それを受けて、マニーが行き先の中身を説明します。ジュニア議会に選ばれるのは学年でたった一人だけで、その一人になれば行ける、という話です。ここでマニーは「僕なら違いを生み出せると思う」と続けます。「たった一人」という狭き門の話をしたうえで、「僕なら違いを生み出せると思う」と続ける点に、マニーの意気込みが表れています。
すると、ジェイが「本物の議会ですら、何も変えられやしないぞ」と返します。マニーが前向きに使った make a difference を、ジェイは否定の形にして、そのまま投げ返しているのです。同じ表現が、一方では「自分ならできる」という見込みに、もう一方では「何も変わらない」という見方に使われていて、肯定と否定で受ける印象がここまで違うことが、一つの会話の中で並んで見えます。表現の使い方に注目すると、この短いやり取りの面白さが伝わってきます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
白い紙に一本の線を足す場面を思い浮かべてみましょう。線を足す前と足した後を並べると、紙の見た目が変わっています。この「並べて比べると差が出る」という感覚が、make a difference の芯にあります。自分が関わる前と関わった後で、状況に違いが生まれるなら make a difference、並べても差が出ないなら、その否定形になります。
マニーが言った「I think I can make a difference.」は、自分が加わった後の姿が、加わる前とは違うものになる、という見込みの言い方でした。ジェイの「can’t even make a difference」は、並べてみても差が出ない、つまり何も変わらないという言い方です。同じ「違い」という言葉を使いながら、差が出るかどうかの見方が正反対になっているため、二人の言葉を並べて覚えておくと、肯定と否定の使い分けまで一緒に頭に残ります。
例文で覚える「make a difference」
自分が関わることで変化が生まれると言いたいときに使う make a difference を、3つの例文で確認していきましょう。
Even a small donation can make a big difference.
(小さな寄付でも、大きな違いを生めます。)
寄付を勧める場面です。difference の前に big を置くと、生まれる違いの大きさまで伝わります。
Your feedback really made a difference to the project.
(あなたのフィードバックは、プロジェクトに確かな違いをもたらしました。)
貢献に感謝を伝えるビジネスの場面です。to the project のように to で対象を示すと、何にとっての違いなのかが分かります。
A: Why do you volunteer every weekend?
B: Because I want to make a difference.
(A:どうして毎週末ボランティアをしてるの?)
(B:何かを変えたいからだよ。)
動機を尋ね合う往復会話です。want to に続けると、自分の願いとして「変化を起こしたい」と語る言い方になります。
あわせて覚えたい関連表現
make no difference
(違いがない、どちらでも同じだ)
make a difference の a を no に替えた形で、何をしても結果が変わらないときに使います。make a difference の否定文と、ほぼ同じ内容を表せます。
make all the difference
(すべてを左右する、決定的な違いを生む)
all the を置くと、違いの大きさを強調する形になります。make a difference が変化の有無を述べるのに対し、こちらは違いの大きさを述べます。
have an impact on
(〜に影響を与える)
have an impact on は、影響を与える対象を on で示す形です。make a difference は対象を示さず、単独でも文として完結する点が違います。
Note|make a difference の形の違いと、a・no・all the の言い分け
make a difference は、difference の前に置く語を替えるだけで、伝える内容が変化の有無から変化の大きさへ動きます。マニーとジェイのやり取りをきっかけに、3つの形を整理してみましょう。
1つ目の make a difference は、変化や影響が生まれるかどうかを述べる形です。肯定なら「変化を生む」、否定なら「変化を生めない」となり、マニーとジェイの発言は、この同じ形の肯定と否定でした。2つ目の make no difference は、a の代わりに no を置き、「違いがない」と言い切る形です。「It makes no difference which route we take.」なら、どの道を選んでも同じだ、という意味になります。動詞の make に s が付くのは、主語が it のように三人称単数のときです。3つ目の make all the difference は、all the を置いて、違いの大きさを強調する形です。
使い分けは、何を言いたいかで決まります。変化があるかどうかを述べるなら make a difference、変化がないと言い切るなら make no difference、変化が決定的だと強調するなら make all the difference、と選べます。
マニーの「I think I can make a difference.」は最初の形で、ジェイの「can’t even make a difference」も、同じ形の否定でした。
まとめ|自分が加わったことで生まれる「違い」を、ひとことで
make a difference は、自分の行動や存在が加わったことで、状況や結果に違いが生まれることを表す表現です。目的語を取らず、make a difference だけで文として完結するため、前向きな見込みも、貢献への感謝も、簡潔に言い表せます。
否定形にすれば「何も変えられない」という見方を伝える言い方に変わり、no を置けば「違いがない」、all the を置けば「決定的な違い」と、形を少し動かすだけで伝える内容を調整できます。
学校のオープンハウスの日に、マニーは前向きな意気込みを語り、ジェイはその同じ表現を否定の形で返していました。同じ言い回しが、肯定と否定で受ける印象を大きく変える様子が、短いやり取りに詰まった場面でした。


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