海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
誘われてはいるものの気が進まなくて、相手に気づかれないようにそっと出かけてしまう。そんな瞬間があります。
そんなときに使える「sneak out」を、『フレンズ』シーズン6第7話の中盤、ひとりで走ろうとしていたレイチェルに、フィービーが声をかける場面から、一緒に見ていきましょう。
「sneak out」の意味とニュアンス
sneak out
意味:こっそり抜け出す、気づかれないように出ていく
sneak out は、誰にも知られないように、そっと外へ出ていく動きを表す動詞句です。sneak が「こっそり動く」という様子を、out が「外へ」という方向を担っています。動作そのものに「見つからないようにする」意図が含まれているため、その場を離れる理由を伏せたいときにも合う表現です。
sneak out of the house や sneak out of the office のように、out of のあとに場所を置くと「どこから」出るのかを添えられます。sneak out to the yard のように、to のあとに場所を置くと「どこへ」向かうのかが伝わります。どちらの形でも、sneak out という組み合わせ自体は変わりません。
出ていく理由が後ろめたいものかどうかは、文脈によって決まります。動詞そのものが表しているのは、あくまで「気づかれないように」という点です。会議やパーティーから静かに席を外す場面にも、誰かに黙って出かける場面にも、同じ形のまま使えます。
【ここがポイント!】
- 「sneak out」の核は、気づかれないように意図して外へ出ること
- sneak が様子、out が方向。out of や to で、場所を添えられる
- 出ていく理由が何であれ、「見つからないように」という意図が動詞に含まれる
『フレンズ』S06E07のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
フィービーが、ひとりで走ろうとしていたレイチェルに声をかけます。今朝ランニングシューズをつかんでこっそり出ていくのを見た、とレイチェルに告げる場面です。レイチェルは言い訳を重ねますが、フィービーは取り合わずに切り返します。sneak out が出てくる一言に、フィービーがどこまで見抜いているかが表れています。
Phoebe: Oh, yeah, uh-huh, it’s me. I saw you grab your running shoes this morning and sneak out. You lied so you could run by yourself.
(ええ、そうよ、うんうん、私よ。今朝、ランニングシューズをつかんで、こっそり出ていくのを見たのよ。ひとりで走りたくて、私に嘘をついたのよね。)Rachel: No, Phoebe, no, I was… no. You know what? I was… I was actually just checking… to see… if I could run and I can.
(ううん、フィービー、違うの、私は……違うのよ。あのね、私は……実は、ただ確かめてただけなの……走れるかどうかをね。で、走れるのよ。)Phoebe: Please, Rachel, I am not an idiot.
(やめてよ、レイチェル。私、バカじゃないのよ。)Rachel: No, wait, Phoebe.
(ううん、待って、フィービー。)Friends Season6 Episode7(The One Where Phoebe Runs)
シーン解説と心理考察
「うんうん、私よ」というフィービーの一言は、名乗りです。レイチェルの嘘をすでに見抜いていることを、余裕のある調子で先に伝えています。続く「ランニングシューズをつかんでこっそり出ていくのを見た」という具体的な描写が、言い逃れの余地を先にふさいでいます。
レイチェルの返事は「違うの、私は……」と、言いよどみが重なります。「走れるかどうか確かめていただけ」という言い訳は、言葉を継ぐたびに苦しさが増していく構図です。少し前の場面でレイチェルは、フィービーの走り方について友人たちに打ち明け、「どうやって断ればいいかわからない」と話していました。本当のことを話すと言いながら、けがを口実に走るのを断ろうともしていました。その流れを知っていると、言いよどみのひとつひとつが、断りきれなかった気まずさとして響きます。
フィービーの「バカじゃないのよ」は、皮肉ではなく、言い訳を信じるほど間抜けではないという、まっすぐな否定です。レイチェルが呼び止める「待って」の一言には、取り繕いきれなくなった焦りがにじみます。見抜く側の落ち着きと、見抜かれた側の慌てぶりが、対照的に並ぶ場面です。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
sneak は、足音を消して「こっそり動く」様子。out は「外へ」。つま先立ちで、物音を立てないようにそっと抜け出していく後ろ姿を思い浮かべてみましょう。「気づかれないように」という気持ちが、動作の真ん中にあります。
レイチェルがランニングシューズをつかんで出ていく姿も、まさにこの動きです。誰かに知られたくない事情があって、静かに出ていく。その動作を「sneak」という一語で描き、行き先の方向を「out」で示す組み立てを、シーンのイメージとセットにして覚えておくと、sneak in や sneak away と並べたときにも混ざりにくくなります。
例文で覚える「sneak out」
職場から家庭まで、気づかれずに出ていく場面で使える sneak out を、3つの例文で確認していきましょう。
I had to sneak out of the office early to catch my train.
(電車に間に合うように、こっそり早めに会社を抜け出さなきゃいけなかった。)
仕事帰りの急な事情を話す場面です。out of のあとに場所を置いて、出ていく場所を添えた形になっています。
A: Where did the kids go?
B: They sneaked out to the yard to play in the snow.
(A:子どもたちはどこに行ったの?)
(B:こっそり庭に出て、雪で遊んでるよ。)
家族の様子を確かめる会話です。sneaked は過去形で、to のあとに行き先を置いて、向かった先を伝えています。
I wanted to sneak out of the party, but everyone kept talking to me.
(パーティーからこっそり抜け出したかったけれど、みんなが次々に話しかけてきた。)
その場を離れたい気持ちを打ち明ける場面です。「気づかれないように」という意図が、抜け出せなかった歯がゆさを引き立てます。
あわせて覚えたい関連表現
slip out
(するりと出る、そっと出る)
sneak out が「気づかれないように」という意図に重心があるのに対し、slip out は静かに、すっと出る動きそのものに重心があります。
sneak in
(こっそり入る)
sneak out が「外へ」向かうのに対し、sneak in は「中へ」向かいます。sneak の部分は同じで、向きを表す副詞だけが変わる形です。
sneak away
(こっそり立ち去る)
sneak out は出ていく先が「外」であるのに対し、sneak away はその場から離れる動きに重心があります。
Note|「こっそり抜け出す」と sneak out、日本語と英語の言葉の組み立て方
日本語の「こっそり抜け出す」は、「こっそり」という副詞と「抜け出す」という動詞を組み合わせた言い方です。英語の sneak out は、様子まで含んだ動詞 sneak と、方向を表す out の組み合わせでできています。同じ動きを表していても、言葉の分け方が違うところが面白い点です。
sneak を軸に並べてみると、その違いがはっきり見えます。sneak in は「こっそり入る」、sneak out は「こっそり出る」、sneak away は「こっそり立ち去る」です。sneak up on は「背後からそっと近づく」という意味になります。日本語では「忍び込む」「抜け出す」「立ち去る」「忍び寄る」と、動きごとに別の動詞を使いますが、英語では sneak を変えずに、あとに続く語だけを入れ替えて動きの向きを変えています。sneak という一語のなかに「見つからないように」という様子が入っているので、日本語のように副詞を足す必要がありません。
フィービーの台詞に戻ると、「grab your running shoes and sneak out(ランニングシューズをつかんで、こっそり出ていく)」と、grab と sneak out が and でつながっています。つかむ動作と、こっそり出ていく動作が、ひと続きの動きとして並んでいるわけです。出ていく場所を足したいときは、out of や to をあとから添えるだけで、動きの骨組みはそのまま残ります。
動詞に様子を持たせて、方向はあとから足す。それが sneak out の組み立てです。
まとめ|こっそり出る動きを、一語で伝える
sneak out は、誰にも知られないように、そっと外へ出ていく動きを表す動詞句です。sneak が「こっそり」という様子を、out が「外へ」という方向を担い、out of や to で場所を添えられます。
職場を早めに出る場面でも、パーティーの席を静かに離れる場面でも、同じ形のまま使えます。フィービーの前で言い訳を重ねるレイチェルの姿は、気づかれないように出たはずが、しっかり見られていた瞬間でした。
気づかれないつもりで出た一歩が、フィービーの目にはっきり映っていた。そんな瞬間を描いた場面でした。


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