海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
人からの何気ない一言や思いがけない指摘に、必要以上に心が揺れてしまった経験はありませんか。
そんなときにぴったりの「have a thick skin」を、『モダンファミリー』シーズン5第19話の後半、ミッチェルが自分の反応を振り返り、「もっと打たれ強くならないと」と口にする場面から、一緒に見ていきましょう。
「have a thick skin」の意味とニュアンス
have a thick skin
意味:批判や嫌なことに動じにくい、打たれ強い
have a thick skinは、他人からの批判や皮肉を受けても、あまり気にしすぎない人を表す言い方です。thickは「厚い」、skinは「皮膚」で、皮膚が厚い人は少しくらい引っかかれても平気だ、というイメージが土台にあります。批判や皮肉が、厚い皮膚の表面ではね返されていく様子を思い浮かべると、意味がつかみやすくなります。
反対の側にあたるのが、have thin skin(皮膚が薄い)という言い方です。ちょっとした一言にも傷つきやすい人を表します。thickとthinの対で覚えておくと、どちらの側の話をしているのかが、すぐに見分けられます。
形の面では、have a thick skinのほか、develop a thick skin、grow a thick skinのように、「打たれ強くなる」という変化を述べる形もあります。今回のドラマの場面のように、I need to have a thicker skin.と比較級thickerにすれば、「今よりもっと打たれ強くなる必要がある」という意味になります。何について動じないのかを添えたいときは、a thick skin about 〜の形で続けます。
使われる場面は、批判を受けやすい仕事の心構えを語るとき、傷つきやすい人に「もう少し気にしないようにしよう」と伝えるとき、自分の反応を省みるときなど、幅広くあります。日本語にするときは、「打たれ強い」「動じない」「気にしすぎない」あたりが目安です。字面どおりに「厚い皮膚を持つ」と訳すと、本当に皮膚の話に聞こえてしまうため、比喩として使われていると押さえるのがコツです。
【ここがポイント!】
- 「have a thick skin」の核は、批判や皮肉を厚い皮膚ではね返すイメージ
- 反対はhave thin skinで、thickとthinの対で覚えると整理しやすい表現
- have a thicker skinのように比較級にすると、「今よりもっと打たれ強く」という意味になるのがコツ
『モダンファミリー』S05E19のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
キャメロンが、飾りに込められた意味をミッチェルに語る場面です。キャメロンの言葉を聞いたミッチェルが自分の受け止め方を振り返るところに、a thicker skinが出てきます。
Cameron: It’s a caricature. What matters is what it represents. My daddy making this for us means he’s accepted us for who we are! Don’t you get that?
(それはただの似顔絵みたいなものだよ。大事なのはそれが表しているものだ。うちのパパがこれを作ってくれたのは、僕らのありのままを受け入れてくれた証なんだよ! わからないの?)Mitchell: I never really thought about it that way.
(そんなふうには、ちゃんと考えたことがなかったよ。)Cameron: No. You hadn’t.
(そうだね。考えてなかったんだよね。)Mitchell: I’m just being sensitive. I need to have a thicker skin. I-I’m really, really sorry.
(僕が敏感になってるだけだ。もっと打たれ強くならないと。ほんとに、ほんとにごめん。)Modern Family Season5 Episode19 (A Hard Jay’s Night)
シーン解説と心理考察
キャメロンは、飾りはただの似顔絵のようなもので、大事なのはそれが表しているものだと語ります。自分の父がこの飾りを作ってくれたことは、2人をありのままに受け入れてくれた証なのだと言い、「わからないの?」と問いかけます。
これを聞いたミッチェルは、「そんなふうにちゃんと考えたことがなかった」と受け止めます。キャメロンは「そうだね、考えてなかったんだよね」と返し、ミッチェルがその見方に立っていなかったことを、そのまま確かめる形になります。キャメロンの言葉を受けて、会話の向きが変わっていく流れです。
続いてミッチェルは、「敏感になってるだけだ」と自分の反応を言い直し、もっと打たれ強くならないといけないと口にします。最後に「ほんとに、ほんとにごめん」と、同じ言葉を重ねて謝ります。相手から意味を聞いたあとで自分の受け止め方を見直す流れが、短い発言の連なりの中に出ています。
ここでのa thicker skinは、すぐに傷ついてしまう自分の受け止め方を見直して、もう少し動じにくくなりたいという気持ちを表す働きをしています。自分への注文の言い方としてhave a thicker skinを使っているため、相手を批判する言葉ではなく、自分の反応を省みる言葉として響きます。
『モダンファミリー』流・覚え方のコツ
皮膚(skin)が厚い(thick)人は、少しくらい引っかかれても平気だという姿を思い浮かべてみましょう。批判や皮肉が、厚い皮膚の表面ではね返される様子です。反対に、皮膚が薄い(thin)と、ちょっとした一言でも刺さってしまいます。
ミッチェルの場合、自分の受け止め方を「敏感になってるだけだ」と言い直したあとに出てくるのが、I need to have a thicker skin.という一言でした。「もっと厚い皮膚がいる」と言い換えられる発言です。厚さを足していく、というイメージがそのまま比較級のthickerに映っています。
覚えるときは、thickとthinをセットにして、皮膚の厚さの目盛りを思い浮かべるのが近道です。目盛りが厚い側にあるほど打たれ強く、薄い側にあるほど傷つきやすいと整理できます。今の自分は目盛りのどのあたりか、もう少し厚くしたいのか、という視点で使うと、比較級の形も自然に身についていきます。
例文で覚える「have a thick skin」
仕事や日常の場面で使えるhave a thick skinを、3つの例文で確認していきましょう。
You need to have a thick skin to work in customer service.
(お客様対応の仕事をするなら、打たれ強くないといけません。)
仕事の心構えを語るビジネスの場面です。need to have 〜の形で、その仕事に求められる資質として述べています。
A: Did you see the comments on your post?
B: Yeah, but I’ve got a thick skin. It doesn’t bother me.
(A:投稿のコメント見た?)
(B:うん、でも私は動じないタイプだから。気にならないよ。)
友人同士でSNSの話をする場面です。I’ve got a thick skinと言い切ったあと、It doesn’t bother me.と続けて、気にならない理由を添えています。
I wish I had a thicker skin. Small comments really get to me.
(もっと打たれ強かったらいいのに。ちょっとした一言がすごく効いてしまうんだ。)
自分の悩みを打ち明ける場面です。I wish I hadの形で、今はそうでない自分への願いを述べ、thickerで「今よりも」の意味を出しています。
あわせて覚えたい関連表現
thin-skinned
(傷つきやすい、神経が細い)
thin-skinnedは、have thin skinと同じ意味で、have a thick skinの反対側の性質を形容詞にした言い方です。have a thick skinが動詞と名詞の組み合わせなのに対し、thin-skinnedは1語の形容詞で使えます。
take it in stride
(平然と受け流す)
take it in strideは、起きた出来事への対応の仕方、つまり動じずに受け止めることを述べます。have a thick skinは、動じにくいという性質そのものを述べる言い方です。
let it roll off one’s back
(言われたことを気にせず受け流す)
let it roll off one’s backは、言葉や批判が背中を流れ落ちるように受け流す動作の比喩です。have a thick skinは、そうした受け止め方ができる人という性質を表す点が違います。
Note|打たれ強さと傷つきやすさ、thick skin・thin-skinned・sensitive
批判や皮肉への強さと弱さを表す英語には、皮膚の厚さでたとえる言い方と、感じやすさを直接述べる言い方があります。ここでは、have a thick skin、thin-skinned、sensitiveの3つを、辞書的な意味の範囲で整理します。
まず、have a thick skinは、批判を受けても動じにくい側を、動詞と名詞の形で述べます。She has a thick skin.と言えば、「彼女は打たれ強い」という人物の性質を伝えます。次に、thin-skinnedは、反対に傷つきやすい側を、1語の形容詞で述べます。He is thin-skinned about criticism.のように、何に対して傷つきやすいのかをaboutで添えて使えます。そしてsensitiveは、感じやすい、敏感だという意味で、批判の文脈では傷つきやすさを指すことも多い言葉です。皮膚の比喩を使わず、感じやすさそのものを直接述べる点が他の2つと違います。
同じ「批判への反応」を述べる言葉でも、打たれ強さを述べたいのか、傷つきやすさを述べたいのか、感じやすさそのものを述べたいのかで、選ぶ言葉が変わります。ミッチェルは、I’m just being sensitive.と自分の反応を言い、続けてI need to have a thicker skin.と、厚い皮膚のほうへ寄せたいと述べていました。感じやすい自分を見つめたうえで、もう少し動じにくくなりたいという流れです。
皮膚の厚さの比喩と、感じやすさを直接述べる言い方を並べると、3つの位置関係が見えやすくなります。
まとめ|厚さを足したい、という自分への一言
have a thick skinは、批判や嫌なことを受けても動じにくい、打たれ強さを表す表現です。反対のhave thin skinやthin-skinnedと対で覚えると、どちらの側の話をしているのかを整理できます。
仕事の心構えを語るときも、友人に「気にしないようにしよう」と伝えるときも、自分の受け止め方を省みるときも使えます。have a thicker skinのように比較級にすれば、「今よりもっと」という変化まで言い表せます。take it in strideやlet it roll off one’s backとの違いも押さえておくと、性質を述べたいのか、対応の仕方を述べたいのかに合わせて言い分けられます。
キャメロンの言葉を聞いたあとで、自分の受け止め方を見直したミッチェルの一言は、この表現の使いどころをよく示していました。自分への注文として、会話のレパートリーに加えてみてください。


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