海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。
新しく仲間に加わる人を前に、ひとことで歓迎の気持ちを伝えたいのに、言葉がすぐに出てこなかった経験はありませんか。
そんな場面で使える「welcome aboard」を、『フレンズ』シーズン6第15話の前半、「もしもあの選択をしていたら」という仮想の世界で、ジョーイがチャンドラーを自分のアシスタントとして迎えるシーンから、一緒に見ていきましょう。
「welcome aboard」の意味とニュアンス
welcome aboard
意味:ようこそ(仲間入り)、新しく加わる人を歓迎する
welcome aboard は、新しくチームや職場、活動に加わる人を迎え入れるときの歓迎の言葉です。仕事の初日、プロジェクトへの参加、サークルへの入会など、これから一緒に動く人を迎える場面で使います。
構成する語の文字どおりの意味を見ると、絵がつかみやすくなります。aboard は「船や飛行機などの乗り物に乗って」という意味の語で、welcome aboard は本来、乗り込んできた人を「ようこそ、この船へ」と迎える言葉です。すでに動いている船に新しい乗員を迎える絵が、チームや職場に新しい人を迎える比喩につながっています。
aboard は Welcome aboard! と単独で言う形のほか、welcome aboard the ship のように乗り物の名前を続ける形でも使えます。職場の場面では、We’d like to welcome aboard our new manager. のように、迎える相手を目的語に置く形もあります。
今回のシーンでは、ジョーイがチャンドラーをアシスタントとして雇う話がまとまったところで、ひとこと添える形で使われています。契約や書類のやり取りではなく、口頭で迎える調子の、軽く温かい歓迎の言葉として働いています。
【ここがポイント!】
- 「welcome aboard」の核は、同じ船に乗った仲間として新しい人を迎えるイメージ
- 迎える側が新しく加わる人に向けて言う言葉で、職場の初日やチームへの加入によく合う
- Welcome aboard! と単独で言う形と、迎える相手を目的語に置く形がある
『フレンズ』S06E15のシーンで見てみよう
意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。
この回は、「もしもあの出来事が違っていたら」という仮想の世界を舞台にしています。ジョーイが金を渡す申し出をチャンドラーに断られ、代わりにモニカが出したアシスタントの案について話が進む場面です。
Joey: That’s an idea. Hey, if I hired an assistant, would you take money from her?
(それいいな。なあ、俺がアシスタントを雇ったとして、そいつからの金なら受け取るか?)Monica: No, Joey. Chandler could be your assistant. See, he could answer all your fan mail and stuff.
(違うわよ、ジョーイ。チャンドラーがあなたのアシスタントをやればいいのよ。ほら、ファンレターの返事とか、いろいろできるじゃない。)Joey: That would be great. Let’s do that.
(そりゃいい。それでいこう。)Chandler: It could give me time to write.
(それなら、書く時間もできるしな。)Joey: All right, great. Welcome aboard.
(よし、いいぞ。ようこそ、仲間に。)Friends Season6 Episode15(The One That Could Have Been, Part 1)
シーン解説と心理考察
話は、直前のモニカの提案を受けて、ジョーイが That’s an idea. と乗るところから動き出します。ジョーイの問いは、もし雇ったアシスタントが金を渡すなら受け取るか、という仮定の形です。仕事にする案はモニカのものですが、ジョーイはそれを、自分の金をアシスタントの手から渡す方法として受け取っています。金の出どころは変わっていません。
モニカの No, Joey. は、ジョーイの受け取り方を正し、話を別の方向へ切り替える一言です。知らない誰かを雇うのではなく、目の前のチャンドラー本人をアシスタントにすればよいと示し、ファンレターの返事など、仕事の中身まで具体的に挙げています。金の話が、いつの間にか仕事の話に置き換わっていく流れが見どころです。
ジョーイは That would be great. Let’s do that. と短い2文で即決します。迷う様子はなく、モニカの案を受けて一気に話を進める勢いが伝わってきます。
チャンドラーの It could give me time to write. は、この話に乗る理由を1文に絞った返事です。書く時間ができる、という自分側の利点だけを挙げていて、大げさに喜ぶ言い方はしていません。落ち着いた受け答えのなかに、引き受ける意思が読み取れます。
そこで、ジョーイが All right, great. と区切りをつけ、Welcome aboard. で迎えます。雇う側が、雇われる側に向けて言う一言として、話をまとめる役目を果たしています。金の話から始まった流れが、仕事の話としてまとまった瞬間を告げる言葉です。
『フレンズ』流・覚え方のコツ
出港前の船で、新しく乗り込んできた人に船長が手を差し出している様子を思い浮かべてみましょう。「これから同じ船で進む仲間だ」という気持ちを、言葉にして示している絵です。この絵が、welcome aboard の芯にあります。
ジョーイの Welcome aboard. も、アシスタントという役目を持つ人が新しく乗り込んだ合図として響きます。話がまとまり、チャンドラーが仕事に加わったことを、船に乗ったという絵で言い表していました。
船には、行き先も、乗員の役割もあります。仕事や活動に人が加わるときも同じで、welcome aboard を言う側は、その人がこれから何かの役割を担うことを前提にしています。乗り物の絵を思い出しながら聞くと、職場で耳にしたときも、意味がすっと読み取れます。
例文で覚える「welcome aboard」
迎える相手が、職場の同僚でも、乗り物の客でも、この表現は同じ形で使えます。3つの例文で確認していきましょう。
Welcome aboard! We’re glad to have you on the team.
(ようこそ! チームに加わってくれて嬉しいです。)
新しいメンバーを迎える場面です。Welcome aboard! のあとに、迎える気持ちを言葉にした一文を続ける形を確認できます。
A: Today is my first day.
B: Welcome aboard! Let me show you around.
(A:今日が初日なんです。)
(B:ようこそ! 案内するよ。)
職場の初日の会話です。B の返事は、迎える言葉に案内の申し出を続けて、歓迎を行動でも示しています。
We’d like to welcome aboard our new project manager.
(新しいプロジェクトマネージャーを、仲間として迎えます。)
チームへの紹介の場面です。welcome aboard の後ろに迎える相手を置く形で、改まった紹介にも使えます。
あわせて覚えたい関連表現
welcome to the team
(チームへようこそ)
welcome to the team は、迎える先であるチームを言葉に出す言い方です。welcome aboard は、同じ船に乗ったという比喩で迎える点が異なります。
be on board
(賛成している、参加している)
be on board は、自分がすでに加わっている、あるいは計画に賛成している状態を表します。welcome aboard が相手を迎える挨拶なのに対し、こちらは状態を述べる言い方です。
glad to have you
(来てくれて嬉しい)
glad to have you は、来てくれたことへの喜びを直接言葉にします。welcome aboard は、迎え入れる合図としての決まり文句になります。
Note|welcome aboard は、迎える側が言う言葉で、乗り物にも職場にも使える
welcome aboard は、ジョーイの場面のような職場の言葉として知られていますが、もとは船や飛行機で乗り込んできた客に向ける言葉です。乗り物の場面と職場の場面は、同じ表現でつながっています。
乗り物の場面では、乗員が乗り込んだ客に Welcome aboard. と声をかけます。ここでの aboard は文字どおり「乗り物の中に」という意味です。職場の場面では、上司や先輩が新しく入った人に Welcome aboard, Sarah. と言い、乗り物の絵を仕事に重ねて使います。どちらの場面にも共通するのは、すでに動いている船やチームに、新しい人が乗り込んでくるという構図です。もうひとつの共通点は、この言葉が迎える側から新しく加わる人へ向けて言うものだという点です。
たとえば、Welcome aboard the flight. なら、飛行機の客を迎える文字どおりの意味になります。Welcome aboard, and let me know if you need anything. なら、職場での歓迎に加え、困ったら声をかけてほしいという一言まで添えた言い方になります。
ジョーイの Welcome aboard. も、アシスタントを迎える側の言葉として、雇う側の立場から発せられていました。
迎える側の言葉だと分かると、聞いたときに、誰が誰に向けて言った場面なのかを読み取れます。
まとめ|同じ船に乗った仲間へ、ひとことの歓迎
welcome aboard は、新しく加わる人を迎え入れる歓迎の言葉です。aboard の文字どおりの意味である「乗り物に乗って」という絵が、チームや職場に人を迎える比喩につながっています。
職場の初日、プロジェクトへの参加、サークルへの入会など、これから一緒に動く人を迎える場面で使えます。welcome to the team や be on board、glad to have you との違いも押さえておくと、迎える気持ちの伝え方を場面に合わせて選べます。
新しい仲間を迎える場面で、表現の引き出しに加えてみてください。


コメント