「take a liking to」の意味と使い方|『Friends』S06E14で学ぶ英会話

「take a liking to」の意味と使い方を解説

海外ドラマを使って英語表現を学ぶ『ドラマdeエイゴ』へようこそ。

初めて会った相手や新しい町を、なぜか最初から気に入ってしまった経験はありませんか。

そんな場面で使える「take a liking to」を、『フレンズ』シーズン6第14話の後半、ドアの前に立ったジルに、ロスが苦しい説明をするシーンから、一緒に見ていきましょう。

目次

「take a liking to」の意味とニュアンス

take a liking to
意味:〜が気に入る、〜に好意を持つ

take a liking to は、人や物に対して「気に入った」という好意が生まれることを表す表現です。liking は「好み」「好意」という意味の名詞で、take は「取る」。好意を自分のものとして手に取り、相手に向ける、という感覚が根底にあります。to のあとには、気に入った相手や物が続きます。

「好き」という気持ちが育っていく長い過程より、「気に入った」という好意が生まれた点に光を当てる言い方です。初対面の相手に好感を持ったとき、子どもや動物がなついたとき、引っ越し先の町を早々に気に入ったときなど、好意が生まれた場面を伝えるのによく合います。

原形は take a liking to ですが、作中では「They’ve really taken a liking to me.」と、have taken の形で登場します。現在完了になっているので、気に入った結果が今も続いている状態を表します。また、to のあとには、人を指す代名詞 me が入っています。

【ここがポイント!】

  • 「take a liking to」の核は、人や物への好意が生まれることに光を当てる点
  • to のあとには、気に入った人や物が続く
  • have taken の形にすると、気に入った結果が今も続いていることを表す

『フレンズ』S06E14のシーンで見てみよう

意味を押さえたところで、実際のドラマシーンを見ていきましょう。

呼び鈴を鳴らしたのが子どもたちだと思って怒鳴っていたロスが、ドアの前にいたジルに気づき、「廊下の向こうの子どもたちとのちょっとした遊びだ」と説明します。そのあとに続く、この一言から場面が始まります。

Ross: Um… They’ve really taken a liking to me. Uh, what-what-what’s the matter?
(えーと……あの子たち、俺のことがすっかり気に入っちゃってさ。あの、どうしたんだ?)

Jill: Rachel and I had a really big fight. Can I come in? I know we’re not supposed to see each other any more, and I’m okay with that. It’s just that I don’t know anybody in the city and I really need somebody to talk to about it.
(レイチェルと大げんかしちゃったの。入ってもいい? もう会っちゃいけないのは分かってるし、それは私は構わないの。ただ、この街に知り合いがいなくて、このことを話せる人がどうしても必要なのよ。)

Ross: Of course. What happened?
(もちろん。何があったんだ?)

Jill: I don’t want to talk about it.
(話したくないの。)

Friends Season6 Episode14(The One Where Chandler Can’t Cry)

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シーン解説と心理考察

ロスの「They’ve really taken a liking to me.」は、直前の様子と並べると、ちぐはぐな一言です。ロスは「You damn kids. You ring my bell one more time, I swear to…」と、呼び鈴を鳴らした相手を子どもだと思って怒鳴っていました。そのあとで「子どもたちは俺をすっかり気に入っている」と言うのですから、怒鳴り声と言い分が噛み合っていません。ロスは、子どもたちとの関係を穏やかなものとして説明しようとしています。冒頭の「Um…」という間に、その苦しさが表れています。相手が子どもたちではなくジルだったという状況の変化に、言葉が追いついていない様子です。

ロスの言い分は、説明を言い切ったところで、「どうしたんだ?」という別の質問へ切り替わります。「what-what-what’s」と言葉が重なるところに、話題を変えたい焦りがにじみます。子どもたちとの話を長引かせず、ジルの用件に目を向けるという運びです。

ジルは、この説明に触れずに、自分の用件を切り出します。レイチェルとの大げんかを打ち明け、「入ってもいい?」と尋ねたあと、「もう会っちゃいけないのは分かっている」と言い添えます。会わないことは自分も了承していると先に示してから、この街に知り合いがいなくて話せる相手が必要だと、頼みを伝えています。自分の事情を先に整理してから頼みを伝える順番で、切実さが伝わってきます。

ロスは「もちろん」と即答し、何があったのかと促しますが、ジルは「話したくない」と返します。話を聞いてほしいと頼んだ直後に、話したくないと言う運びで、言葉が食い違って聞こえます。ただし、ジルが話したくない理由は、この場面では語られていません。ロスの側から見れば、苦しい説明のあとに相談ごとが持ち込まれた形で、話題が思わぬ方向へ移っていく流れです。

『フレンズ』流・覚え方のコツ

好み(liking)という小さな種を、相手に向かって手に取る(take)様子を思い浮かべてみましょう。気に入った瞬間に、心が相手のほうへすっと傾いていく絵になります。

ロスの「They’ve really taken a liking to me.」も、この絵の中に収まります。子どもたちが自分に向かって好意という種を手に取った、というのがロスの言い分でした。ただし、直前まで怒鳴っていた様子と合わないため、絵の中身が実際の様子とずれていて、そのずれが場面のおかしさになっています。

take a liking to を見かけたら、誰が誰に好意を向けたのかを確認し、have taken なら「その好意が今も続いている」と読み取ると、意味の向きをつかみやすくなります。主語が「気に入った側」、to のあとが「気に入られた側」という向きも、あわせて押さえておきましょう。

このエピソードの他のフレーズ

例文で覚える「take a liking to」

人にも物にも使える take a liking to を、3つの例文で確認していきましょう。

My dog took an instant liking to my new neighbor.
(うちの犬は、新しいお隣さんをすぐに気に入った。)
ペットが初対面の人になついた場面です。instant を liking の前に置くと、好意が生まれるまでの早さを強調できます。

A: Do your parents like Mia?
B: Yes, they’ve really taken a liking to her.
(A:ご両親はミアのことをどう思ってる?)
(B:うん、すっかり気に入ってるよ。)
恋人と家族の相性を話す会話です。have taken の形にすると、気に入った結果が今も続いている状態を伝えられます。

Everyone at the office has taken a liking to the new intern.
(職場のみんなが、新しいインターンを気に入っている。)
職場で新人がなじんだ場面です。everyone を主語にすると、好意が特定の1人ではなく職場全体に広がっている様子が伝わります。

あわせて覚えたい関連表現

take to
(〜が気に入る、〜になじむ)
take to は take a liking to より短い言い方で、人や物に加えて、新しい習慣や環境になじむ場面にも広く使われます。

grow fond of
(だんだん好きになる)
take a liking to が好意の生まれた点に光を当てるのに対し、grow fond of は、時間をかけて愛着が育っていく過程に重点があります。

warm to
(だんだん好意的になる)
warm to は、最初の距離感が少しずつほぐれていく変化を表します。take a liking to は、気に入ったという点そのものに重点があります。

Note|take a liking to と take to と grow fond of と warm to、好意が生まれる速さの違い

好意が生まれるまでの過程は、どの表現を選ぶかで描き方が変わります。take a liking to、take to、grow fond of、warm to の4つを並べると、その違いが見えてきます。

take a liking to は、気に入った点に光を当て、好意が生まれたことをそのまま伝えます。take to は、同じ動きを短い言い方で表し、人や物に加えて習慣や環境にも使えます。grow fond of は、grow が「育つ」という意味の動詞なので、時間とともに愛着が深まっていく過程を描きます。warm to は、warm が「温まる」という意味で、最初は冷たかった距離感が、少しずつ温まっていく変化を表します。

日本語にすると、どれも「気に入る」の仲間に見えます。しかし英語では、生まれた瞬間、なじむ動き、育つ愛着、ほぐれる距離と、好意の生まれ方によって表現が分かれています。

ロスの「They’ve really taken a liking to me.」は、気に入った点そのものを述べる形でした。子どもたちが「気に入った側」、ロスが「気に入られた側」という向きになっています。

まとめ|好意が生まれた点を、一言で

take a liking to は、人や物に好意を持つこと、つまり気に入ったという点を表す表現です。to のあとに気に入った相手が続き、have taken の形にすると、その好意が今も続いていることを示します。

初対面の相手やペット、新しい町や職場など、気に入った場面を伝える一言として使えます。take to や grow fond of との違いも押さえておくと、好意の生まれ方に合わせて選べます。

ロスの「子どもたちが気に入ってくれている」という言い分は、直前まで怒鳴っていた様子と食い違ったまま、ジルの用件へと話が移っていきました。苦しい説明から、相談ごとへ切り替わる場面でした。

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